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2021年11月25日 放送
オフィスから椅子まで
知られざるものづくり

- オカムラ 社長 中村 雅行(なかむら まさゆき)
コロナ禍で職場を縮小する企業が急増...。オフィス関連ビジネスが大きな打撃を受けたこの1年。赤字転落を覚悟したというオフィス家具大手のオカムラが、なぜか最高益を更新する業績を叩き出している。一体何故、奇跡のような逆転劇は起きたのか?その裏にあったのは、創業76年のオカムラ流"人が活きるオフィス"作りだった!会社最大のピンチを乗り越えた中村社長の改革劇に迫る。
社長の金言
- 「差」ではなく「違い」で売れTweet
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
オフィスを激変させるオカムラ戦略
コロナ禍で一気に拡大した在宅勤務の影響で、続々とオフィスを縮小する企業や、本社を郊外に移転する企業が急増。そんな中、過去最高益という驚きの業績を叩き出したのが、オフィス家具のオカムラだ。オフィスが減れば、オフィス家具は売れなくなると思いきや、オカムラが注力したのが「ライトサイジング」という新たな戦略。必要なオフィス機能を分析し、働きやすい最適の空間を提案するという。これが、効率的なオフィス活用と新たな働き方を模索していた企業から引っ張りだことなった。リモートに最適な作業ブースや、立っても座っても仕事がしやすい自動昇降デスク、さらにカフェスペースなど…。独自の商品を組み合わせた「人が活きる」空間を提案していったのだ。
飛行機や車にも挑んだ…異色ものづくり集団
オカムラの創業は1945年。横浜の岡村町で日用品や米軍向け製品を作ったのが始まり。創業者をはじめ、技術者集団だったオカムラは、53年に戦後初の国産飛行機を完成、飛行に成功する。57年には国産初トルクコンバーター式オートマチック車「ミカサ」を発売するなど、精度の高いものづくりを武器に様々なチャレンジに挑む集団だった。オフィス家具事業でも「良い品は結局おトクです」を貫き、価格競争をしなかった。80年にはオフィスの研究所を設立し、効率的で「働く人が活きる」オフィスづくりを突き詰めていった。結果、そのノウハウがコロナ禍での企業のオフィス変革に大きな力となったのだ。
ゲストプロフィール
中村 雅行
- 1951年東京都生まれ
- 1973年早稲田大学理工学部卒業後
岡村製作所(現オカムラ)入社
設計施工管理部長、経営企画部長
オフィス家具部長などを歴任 - 2012年6月 代表取締役社長
- 2019年6月 代表取締役 社長執行役員
企業プロフィール
- 本 社:神奈川県横浜市西区
- 創 業:1945年10月(磯子区岡村町)
- 売上高:2444億円
- 営業利益:141億円
- 従業員:3834名(21年3月末)

中村さんは「ライトサイジング」という言葉を使った。オフィスは何をする場所なのかという根源的な問い。従来、個人のデスクと会議室で構成されていた。思い返せば、その通りだ。固定デスクは排除、オープンスペースで仕事。カフェラウンジではフラッと集まった社員が新しい事業構想を。経済や社会が大きく変わる場合、必ず非連続で新しい需要が生まれる。オカムラは、創業時からベンチャー企業だった。「新しいコンセプト」を持つ商品を作り続けてきたのだ。