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2022年7月21日 放送
おいしいだけじゃない!
知られざる健康戦略の全貌

- 明治 社長 松田 克也(まつだ かつなり)
おいしい牛乳、R-1、ブルガリアヨーグルト、ミルクチョコレート、果汁グミ、きのこの山、たけのこの里、ザバス...数えきれないほどの大ヒット商品を持つのが「明治」だ。2009年に明治製菓と明治乳業が統合、いまや売り上げ8000億円を超える巨大企業。数々の分野でトップシェアを誇るが「ラッキーで当たったヒット商品は無い」という。100年の伝統と歴史、知られざる開発の裏側に迫る!
社長の金言
- 最大公約数より1人のニーズTweet
放送内容詳細
ラッキーで当たったヒット商品は無い…ロングセラーを生む秘密
意外な分野で売り上げを伸ばしているという。それは「牛乳配達」。ピーク時(1976年)は350万軒が利用していたが、一時期は120万軒に…ところが今また増えはじめ250万軒まで回復している。理由は、宅配専用の商品。たとえば、R-1は味わいもパッケージも変えているという。それにしても、なぜヒット商品がこんなにもあるのか?その理由は、八王子にある研究開発拠点・明治イノベーションセンターにあった。6000種類もの乳酸菌を保有しており「乳酸菌博士」が日々、その機能を調べている。そして、大ヒット商品LG21やR-1が生み出された。さらに、チョコレートでは高カカオ製品を開発、健康をプラスした商品で新しい市場をつくっていた。
空前のタンパク質ブーム!新ブランドを立ち上げ
ロングセラーも多い反面、かつてヒットしても不採算商品になれば、一気に切り捨てるという一面も…。ポポロン、カルミンなども発売をやめた。懐かしさだけで商品を残すことはしない。スナック菓子のカールが東日本で販売終了した際は、「カールショック」という言葉が生まれたほど。不採算事業を切り捨てることで、営業利益はなんと4倍に!戦略的に儲かる会社に変えているのだ。その一方で、新たな取り組みも…。チョコレートやビスケット、冷凍グラタンなど32品目で、タンパク質をプラスした商品「TANPACT(タンパクト)」を発売。なんと自社商品だけでなく、伊藤ハムやマルハニチロなど他のメーカーまで仲間に引き入れ、TANPACTブランドを展開していた。
ゲストプロフィール
松田 克也
- 1957年静岡県生まれ
- 1980年慶應義塾大学卒業 明治乳業入社
- 2012年(株)明治 執行役員就任
- 2015年常務執行役員 加工食品営業本部長
- 2018年(株)明治 代表取締役社長就任
企業プロフィール
- 本 社:東京都中央区京橋二丁目2番1号
- 創 業:1917年12月
- 売上高:8,260億8000万円(2022年3月)
- 従業員数:10,464人

万人受けするものを明治のブランドと営業力でたくさん売ろうという発想は間違い、松田さんは考えている。誰もが知りながら希少性を持つような尖った商品開発を目指す。まるでトヨタがフェラーリを作るようだ。「代謝異常症用特殊ミルク」30以上の症状に対応できる22種類の商品を作る。企業は社会に貢献できなければ存在する意味がない。松田さんはやんちゃだった。単にやんちゃなのではない、彼を社長にした上層部にも同じ遺伝子がある。信念は揺るがないという遺伝子だ。