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2023年1月19日 放送
廃番の危機から奇跡の復活!
ウタマロの秘密に迫る
- 東邦 社長 西本 武司(にしもと たけし)
発売から60年以上が過ぎたレトロな商品が、いま大ヒットしている。大阪の小さな石けんメーカー「東邦」が作る洗濯用の石けん「ウタマロ」だ。洗濯機と液体洗剤の普及で廃番の危機に陥っていたが、まさかのV字回復。年間1200万個も売り上げるほどに。ヒットのきっかけは意外な用途に気付いたこと。高機能洗濯機も次々登場する中、昔ながらの洗濯石けんが売れるのはなぜなのか?小さな会社が仕掛けた独自の販売戦略に迫る。
社長の金言
- 周りを活かすのが経営Tweet
放送内容詳細
廃番危機から奇跡の復活
1920年の創業以来、石けん一筋に作り続けてきた「東邦」。「ウタマロ石けん」が誕生したのは1957年、日用品を扱っていた商社が東邦に製造を委託したのがきっかけだ。原料や製法にこだわってつくり、日本版画が好きだった商社の社長が喜多川歌麿にちなんで「ウタマロ石けん」と命名。発売当初の売れ行きは上々だったが、全自動洗濯機と液体洗剤の普及によって下降線をたどる。1998年には商社が廃業し、ウタマロ石けんも製造中止の危機に直面した。だが、「ウタマロがなくなると困る」「ずっと作り続けてほしい」という熱心な客からの要望が届いたため、東邦がウタマロ石けんの商標を買い取り、細々と製造販売を続けていくことになった。転機となったのは2008年、当時事業部長だった西本武司は「ウタマロ石けん」の売れ行きが10年前から微増していることに気づいた。実は頑固な汚れを落とす“部分洗い用”としてのニーズが広がっていたのだ。そこで西本は徹底的に客の声を拾い上げる戦略に出た。SNSの口コミを分析し、意外な使い方をしている人には直接会いに行き、ホームページで紹介。全国を回って店頭での実演イベントも開始した。するとSNSでウタマロ石けんが一気に拡散。スティック状にしたり、小さくカットするなど、独自の使い方を“裏技”として勧める人たちまで出現。年間1200万個を販売するほどの大ヒット商品となった。
液体洗剤に新規参入
ウタマロ石けん人気に手ごたえを感じた西本は、新商品の開発を決めた。新たな家庭用液体洗剤の展開だ。おしゃれ着洗い用の液体洗剤「ウタマロリキッド」、食器洗い用洗剤の「ウタマロキッチン」、床や浴室など住宅用の「ウタマロクリーナー」の3種類の液体洗剤を発売。すると、清掃業者など多くの掃除のプロが絶賛。SNSでも次々と紹介されて大ヒット商品となった。住宅用洗剤の購入個数ランキングでは、花王などの大手と肩を並べるまでになっている。
ゲストプロフィール
西本 武司
- 1980年大阪府生まれ
- 2005年京都大学大学院卒業
大手化粧品メーカーへ入社 - 2008年株式会社東邦入社
- 2018年代表取締役社長就任
企業プロフィール
- 本 社:大阪市生野区巽東2-19-19
- 設 立:1949年
- 資本金:3600万円
- 従業者数:58名
「ウタマロ石けん」は長年の研究により、汚れ落ちに適した脂肪酸の質や配合比を選び抜いて作られた。合成洗剤の普及で売れ行きは落ち、東邦が商標を買い取った。2008年頃、西本さんは売れ行きが倍増しているのに驚いた。母親たちの間で、頑固な汚れが落ちる「部分洗い用石けん」としてSNSで広がっていたのだ。不思議なことに気づく。「ウタマロ石けん」そのものは、自律している。基本、変わっていない。周囲が、それに引きずられるように動く。優れた商品とは、すべてそのようなものである。

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