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2023年2月9日 放送
「大転職時代」の火付け役
ビズリーチの衝撃

- ビジョナル 社長 南 壮一郎(みなみ そういちろう)
いま転職希望者が急増している。コロナ禍で働き方や価値観が変わったためだ。個人は自分の能力や経験、ライフスタイルに合わせ、より良い職を求めるようになった。一方で、デジタル化や新規事業を迫られる企業も採用活動を大きく変えている。新卒だけでなく、即戦力を求めてキャリア採用を増やしているためだ。そうした個人や企業に活用されているのが、CMでお馴染みの「ビズリーチ」というサービス。2009年にサービスを開始したところ、わずか14年で登録者は約180万人、導入企業は累計2万2000社以上に急成長した。番組では「転職のリアル」を取材。ビズリーチを設立し、転職市場に革命をもたらせた男の素顔に迫る!
社長の金言
- キャリアの「健康診断」を!Tweet
放送内容詳細
企業から突然届く“ラブレター”
IT企業に勤務するAさんには、仕事終わりの日課がある。スマホに届く企業からのスカウトメールを見ることだ。「あなたのスキルを活かして、私たちと一緒に働きませんか?」。Aさんが使っているのは、転職サイトの「ビズリーチ」。このサイトに登録して以来、多数の企業から直接メールがくるようになった。給料や待遇だけでなく、キャリアアップにつながる仕事があれば転職したいと話す。一方、大手飲料メーカーのキリンHDでは、2年前からビズリーチを活用したキャリア採用を積極化している。国内のビール市場が頭打ちの今、次の事業の柱を育てようとしているためだ。その一つが健康飲料などを担当するヘルスサイエンス事業部で、転職組が活躍している。中島聡美さんもその1人。以前は中堅食品メーカーで機能性表示食品を担当していたが、ビズリーチに登録すると大手のキリンからメールが届いて驚いたという。スカウトメールを送った上司は「活躍ぶりは予想を遥かに超えた。今までのビジネスを継続してできる世の中じゃないので、新しいことに挑戦していかなければ」と話す。企業にとって今後の成長に向けてキャリア採用は重要となっている。必要な人材を見つけて積極的に声をかける「攻めの採用」時代に入ったのだ。
環境を変え続けてきた男
ビズリーチを立ち上げた南は静岡生まれ。小学校時代はカナダで育ち、中学・高校は日本、アメリカの大学に留学した。環境が変わるたびに、異なる言語や文化に戸惑いながらも適応してきた体験。それが後の人生に大きく影響したという。楽天イーグルスの立ち上げに参画した後、キャリアアップのため転職活動を始める。しかし、仲介業者を通すと選択肢が限定され、なかなか思うような企業と出会えなかったという。そこで自ら、企業と個人がダイレクトにつながる転職サイトを立ち上げることにしたのだ。
ゲストプロフィール
南 壮一郎
- 1976年静岡県生まれ
- 1999年タフツ大学(米)
数量経済学部・国際関係学部卒業
モルガン・スタンレー証券東京支社入社 - 2004年楽天野球団入社
- 2009年ビズリーチ創業
- 2020年ビジョナル設立
企業プロフィール
- 本 社:東京都渋谷区渋谷2-15-1
- 創 業:2009年
- 社員数:約1500名
- 資本金:62億2600万円

TVを見ると、転職市場のCFが目立つ。TVでは、みな活き活きと転職していく。本当だろうかと思う。ビジョナルの主力事業の「ビズリーチ」は、転職希望者に企業が直接接触できるウエブサービス。これまで「ダイレクトリクルーティング」はビズリーチ以外にはなかった。かって人材会社の紹介が主流だった市場において、費用対効果が高い手法だと求人企業は思っているようだ。南さんは、仲間を大切にする。孤独だった少年時代の影響だろうが、結果的にそれがビジョナルを強くしている。