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2025年6月26日 放送
倒産危機から驚異の急成長
"銀座の大家"独自戦略
- ヒューリック 会長 西浦 三郎(にしうら さぶろう)
ブランド店や高級飲食店が建ち並ぶ、日本一の商業地・銀座。中でも「土地」の価格は他の街を圧倒し、「2025年地価公示」では、銀座4丁目はついに一坪あたり約2億円となった。そんな銀座の街で、至る所で目にするのが「HULIC(ヒューリック)」の文字が入ったロゴだ。銀座5丁目のプラダが入る建物や、数寄屋橋交差点近くにある、高級飲食店やホテルが入居する高層ビルなど、様々なところで目に飛び込んでくる。それもそのはず、ヒューリックは銀座にビルを37棟保有し、「銀座の大家」の異名を持つ不動産ディベロッパーなのだ。しかし、ヒューリックは20年ほど前までは銀座にたった2棟しか持たない小さな企業だった。そんな企業が1人の男性を社長に迎えると、劇的な成長を遂げ、経常利益と時価総額で、三井不動産、三菱地所、住友不動産の財閥系大手3社に次ぐ4位につけている。背景には生き残りをかけた「差別化戦略」があった!
放送内容詳細
不動産大手3社との差別化戦略!
“銀座の大家”と呼ばれるヒューリックだが、三井不動産、三菱地所、住友不動産の大手3社とは異なる独自戦略を打ち出している。保有する物件は「駅近の中小規模」であること。これは日本企業の99%が中小企業であることを踏まえた戦略だという。また、駅前など好立地にあるイトーヨーカ堂に狙いを定めた再生事業にも取り組み、都心オフィス以外でも安定収益を生み出す。こうした「差別化戦略」が当たり、経常利益は16期連続増益を達成しているのだ。
バブル負債「借入過多」から、社員の平均年収2000万円の「超優良企業」に
ヒューリックのルーツは、富士銀行(現・みずほ銀行)の不動産管理会社「日本橋興業」に遡る。日本橋興業は、1990年代、バブル崩壊で不良債権処理に追われるみずほ銀行から不動産の買い取りを求められ、多額の借金をしてそれに応じたため、「借入過多」の状況に陥っていた。そんな瀕死の日本橋興業の社長に2006年に就任したのが、みずほ銀行の副頭取を務め、当時57歳だった西浦だった。西浦は、日本橋興業の社長に就任するやいなや、銀行出身者ばかりだった役員構成の見直しに着手。役員全員に辞表を提出するよう求めるなど思い切った改革を進めるとともに、優秀な人材の確保に乗り出した。そして、社名を「ヒューリック」に変更、上場も果たしたことで、銀行からの「事実上の独立」を勝ち得たのだ。「実力主義」の会社へと変貌したヒューリックの社員の平均年収はなんと2000万円を超える。ヒューリックの成功は57歳から「第二の人生」を歩み始めた西浦による奇跡の逆転物語なのだ。
新事業&銀座の未来
西浦のチャレンジ精神は今も健在だ。3月に子ども教育を専門とした9階建てのビル「こどもでぱーと」を東京・中野に開業。同じタイプのビルを今後も次々と増やす予定だ。また、銀座の街中に、入居費だけで数億円という“超富裕層向けの高齢者施設”の建設も計画している。
ゲストプロフィール
西浦 三郎
- 1948年東京生まれ
- 1971年早稲田大学を卒業後、富士銀行に入行。
数寄屋橋・目黒支店長や法人開発部長を歴任し常務に就任。 - 2002年富士銀行が合併してみずほ銀行に。
常務、副頭取を歴任 - 2006年日本橋興業(現ヒューリック)社長就任
- 2016年ヒューリック会長に就任
- 2025年上場以来、経常利益16期連続増益を達成
企業プロフィール
- 1957年:富士銀行の不動産を管理する会社として「日本橋興業」を設立。
- 1995年:バブル崩壊後、銀行の不良債権を処理すべく不動産を買いつづけ「借入過多」状態に。
- 2006年:西浦氏が社長に就任し、正常化を目指す。
- 2007年:ヒューリックに社名変更
- 2008年:東京証券取引所に上場
- 2012年:「昭栄」と合併。銀座へ積極的に進出
- 2025年:銀座に37棟保有
06年の社長就任時、執行役員全員から辞表を取った。一般社員に戻したのだ。給料は下げなかったらしいが、こんな荒っぽいことをやる経営者は聞いたことがない。07年には社名をヒューリックに変え、さらにその翌年には上場を果たす。06年、銀座で、1丁目と数寄屋橋2棟しかなかった、それが十数年で37棟まで増えた、西浦さんはそう言う。昔、銀行の数寄屋橋支店長をしていて銀座には親近感があるらしい。さまざまな人と出会い、本を読むこと、現場を歩くことも欠かせない習慣だそうだ。そう本心を明かすのは、77歳の会長だ。

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