定例社長会見
2001年11月29日
- 菅谷社長11月定例会見
■ 中間決算について ■
現在の状況は、視聴率の勢いがある反面、営業が芳しくない。販売と2本柱の新聞と異なり、テレビは広告収入が大きな柱。景気が落ち込み始めると、営業収入減少スピードも早いと痛感している。 今年度の中間決算は、営業収益526億4,200万円(前年同期比+8.1%)、営業費用は490億9,900万円(+11.5%)となった。経常利益は37億400万円(−21.2%)、中間純利益は20億5,100万円(−28.3%)である。予想の範囲内に収まってはいるが、下期は踏ん張らなくてはならない。
通期では、営業収益1,010億円、経常利益40億円、当期純利益21億円を見込んでいる。何がなんでも死守したいと思っている。
■ 営業状況について ■
10月の売上げは、タイム・スポット合計で99.6%(前年比)であり、今年度8月以来2回目の前年割れとなった。11月の見通しは、タイム・スポット合計96.8%(同)。12月は前年をクリアしたいが、まだ見通しがつかない(11月19日現在)。
■ 10月クール視聴率について ■
10月クールの視聴率(10月1日~11月25日・第8週)は、GH9.0%(前年同期比+0.5%)、全日3.8%(+0.3%)、PT8.3%(+0.8%)。全て前年を上回り好調である。特に10月度(10月1日~28日)のGH平均視聴率は9.2%と、10月として過去最高となった。昨日(11月28日)もGH11.1%で2週連続民放第2位を記録するなど、かなり底上げされてきた。水曜日は「女と愛とミステリー」の定着に加え、新アニメ「テニスの王子様」「ヒカルの碁」も好調であり、勢いが増している。
■ 年末年始の番組について ■
10月にスタートした「男はつらいよ」シリーズを、年末年始は3本放送する(12月31日、1月1日、1月4日)。これまで放送した7本の平均視聴率は11.6%であり、年末年始は12%以上を期待している。
12月31日17時からは、恒例の「第34回 年忘れにっぽんの歌」をBSジャパンとサイマルで放送する。音事協と調整した結果、特例として認めてもらうことができ、友好的な関係を再構築できた証の第一号として、喜ばしく思っている。
1月2日の 新世紀ワイド時代劇「壬生義士伝~新選組でいちばん強かった男」(14時から一挙10時間)は原作を2回読み、浅田次郎氏の傑作中の傑作だと感じた。先週、京都の撮影現場にも行ってきた。誰でもあらすじを知っているこれまでの作品と異なり、複なストーリーへの挑戦だと思っている。
1月3日18時からは「TVチャンピオン 正月スペシャル 大食いスーパースター世界選手権」を放送する。
■ 地上波デジタル化について ■
視聴者のためにも無責任なことはできない。歯を食いしばって協力はするが、インフラ整備は国の作業のはず。当初の予算を上回ったアナ・アナ変更費用を、民間企業である民放が負担するのは筋違いだろう。
■ 出資映画について ■
11月17日から公開中の「アメリ」が、動員、興収ともにシネマライズの全ての記録を更新中であり、先日異例の大入り袋を出した。12月1日からは、銀座シネ・ラ・セットなど全国50館以上で展開することが決定した。 他、12月15日からは「劇場版とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険」が全国東宝系で、「スパイキッズ」が全国松竹系での公開を控えており、共に期待をしている。
■ 今年を振り返っての所感 ■
規模は小さくても最良最強のテレビ局を目指し、全社員と協力しながら前進していきたい。IT景気の崩壊にどう対応するかが課題。経費や役員報酬をカットしたり、営業目標を引き上げて踏ん張ってもらう体制だ。来年秋以降の上場という目標へ向けてのベースキャンプは出来たが、今後、様々な決断を迫られるだろう。気を引き締めてがんばっていきたい。
■ 新キャッチコピー「てれとまにあ。」について ■
デザインが決定し、現在TVスポットを制作中である。ぜひ、テレビ東京の新しいイメージが浸透してほしい。