定例社長会見2011年1月

島田社長1月定例会見

<『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』について>
昨年11月8日(月)に放送した『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』について、BPOが1月14日に審議入りを決定しました。テレビ東京は、コンプライアンス局を中心に関係者のヒアリングを十分行い、報告書をBPOに提出しておりますが、今後もBPOの調査に全面的に協力し、きちっと対応していきたいと思います。
今回の放送は、映像の捏造や事実のねじ曲げではありませんが、番組で取り上げた方が、"経験者"ではなく"売り手"だったということで、著しく視聴者に誤解を与える放送をしてしまいました。そのことが、結果として商業利用されてしまったことについて、事態を非常に重く受け止めています。
また、テレビ東京は、かつて血流の問題(不適切な映像使用)が起きたことがあり、それ以降、健康番組は極めて厳しい番組監査の対象になっていました。そのような中で、番組審査部が警告したにもかかわらず、今回、番組に登場していただいた方の調査を、十分しつくすことができませんでした。これは極めて遺憾な事態であります。これを見過ごすと、もっともっと大きな間違いにつながりかねませんし、組織としてもう一度きちっと締め直す必要がありますので、改めて制作会社の皆さんも含めて再発防止を徹底します。BPOの結論が出るまでしばらく時間がかかると思いますが、その間も粛々と再発防止策の徹底のために、時間を費やしていきたいと思います。
すでに、1月23日(日)放送の『みんなとてれと』で説明とお詫びをしました。ホームページにも視聴者に対するお詫びを掲載しています。

<2011年の抱負・展望>
1月4日の新年祝賀会で、社員たちにも話をしましたが、今年はテレビ東京にとってやり遂げるべき大きなテーマが3つあります。
ひとつは、アナログ停波、完全デジタルへの移行。カウントダウンはすでに始まっています。7月24日の停波に向け、異論のないよう全力を挙げて、放送事業者としてやるべきことをやりきらなければなりません。
また、テレビ東京は3年後に開局50周年を迎えますので、その準備を始める、というのが2つ目のテーマです。今年は兎年ですので、まずホップをして、来年ステップをして、3年後にジャンプをする。こういう段取りで、みんなで知恵を出し合っていきたいと思います。
そして3つ目は、国際化。とりわけアジアを中心とした国際化に向けて、橋頭堡を築きたいと考えています。スポット市況の回復も、以前に比べるとまだ十分ではありませんし、構造的にはまだまだ困難な状況を抱えています。その中で、ホールディングスの機能を十分活かして、新しい成長戦略をこれから描いていかなければなりません。

<国際化について>
今申し上げた3つのテーマのひとつ、国際化について、今日はひとつ発表があります。
1月24日に、中国・常州テレビ系列のアニメ制作会社であるカーロンアニメーションと協力して、アニメーション制作をすることで合意しました。中国では映画を、そして日本ではテレビシリーズをメインにします。中国市場において、当社の一番得意なアニメ分野でどういう事業展開をするか、ひとつのヒントをこの形で実現したと思っていますが、さらにいろいろな形で発展させていきたいと思っています。
もうひとつ、国際事業としては、昨年暮れに韓国の新聞系4社に総合チャンネルの認可が下り、テレビ東京と業務提携を結んでいる毎日経済新聞社にも認可が下りました。総合チャンネルとして全面的に協力していきますが、どういう形の協力関係を築くか、今、事務レベルで詰めているところです。この韓国での放送分野での協力、中国でのアニメ事業というものを2つ軸にして、これからアジアでのいろいろな展開を考えていきたいと思います。

(田村明彦 上席執行役員 アニメ局長兼営業局担当補佐)
中国とのアニメーション制作は、昨年の秋口から本格的に交渉を始め、今週月曜(1月24日)に調印に至りました。共同で制作するのは、常州市にある常州テレビの関連会社、カーロンアニメーションです。制作能力がかなり高く、国が指定する優秀アニメ制作会社18社の1社に選ばれています。
今回制作する『トレインヒーロー』は、日中ほかでテレビシリーズ26話を放送し、さらにテレビシリーズをベースにした劇場版を中国全土で公開することになっています。フルCGで制作しますので、非常にクリアな映像になります。先日、カーロンアニメーションの技術を直接見てきましたが、立体的な映像、いきいきとした映像がしっかりと描かれており、大変優れた技術で驚きました。
日本と中国のみならず世界に通用させるため、地球の危機を救うヒーロー、さらに、高速鉄道の建設ラッシュにある中国を意識して高速鉄道をモチーフにした、アクション仕立てにしています。日本側の制作はトータルプランニングオフィス、キャラクターデザインは北米で大変人気があり、著名なパット・リーに依頼しています。

Q.アニメ文化の輸出についてどう考えるのか
A.(島田社長)
現状では中国にアニメを持っていくには、ハードルが高い。日本のアニメは、中国でも見られていますが、番組として出て行くのはなかなか難しい。そういう意味では、日本のビジネススキームや日本の企画力を持っていき、一緒に制作し、国産のアニメとして一緒に展開する形ができたというのは、ひとつの方向が見えたかなという気がします。

Q.中国ではゴールデンタイムに海外アニメの放送が禁止されているが、共同制作で解決するのか
A. (田村上席執行役員 アニメ局長兼営業局担当補佐)
そうですね。ビジネスをやる以上、放送局で放送できないことにはなかなか中国全土には伝わりません。放送だけでも伝わりにくいため、今回映画というスキームを加えました。放送を前提に話をさせていただき、今回合意に至りましたので、少なくとも常州テレビではいい時間帯で放送すると思います。

<編成関連>
視聴率は依然低迷し、苦戦しています。一部、手ごたえのある番組もありますが、10月改編で新しくスタートした番組が不振だったこと、そして、長寿番組の低迷が原因だと思います。ただ、年末年始(12月31日~1月3日・4日間)は、GH7.1%(前年比+1.3p)、PT6.8%(同+1.3p)と、前年を上回る数字を取ることができました。これを手がかりとして、4月編成に向けて汗を掻いていきたいと思っています。
新春ワイド時代劇『戦国疾風伝 二人の軍師』は、初めて時代の脇役を主役にしたという意味で、これまでの新春ワイド時代劇とは違う作り方をしました。期待値が高かった分、数字的には残念な結果(平均6.7%)になりましたが、内容的には我々が新しく取り組みたい方向に向かっています。きちっと総括をして来年に向けての議論を進めていきたいと思います。
『年忘れにっぽんの歌』(7.2%)も、視聴率は前年から微減という形でしたが、「年末はこれを見ないと年が越せない」という視聴者もたくさんいらっしゃるので、この路線を堅持しながら、一人でも多くの方に見てもらえる工夫をさらに進めていきたいと思います。
月曜22時のドラマについて、10月クールの『モリのアサガオ』は、世評は良かったのですが数字は低かった。作り方や物語の展開についても問題はあったと思います。ただ、この時間帯に少し重いテーマを敢えてやったということは、今後を考えていく上でひとつの材料になったと私はむしろ前向きにとらえようと思っています。
1月クールは、第2弾『最上の命医』が始まりました。社会派ドラマとして、いろいろな提案をしていますので、後は番組を皆さんに見てもらえるよう、作りの工夫を続けていきたいと思っています。

<ドラマ24『URAKARA』について>
現在、第3話まで撮り終えています。KARAサイドから、ドラマはやりたいという意向も伝わってきていますので、我々としては継続していく体制を整えています。ここまで番組を始め、しかも韓国のK‐POPのスターたちが当社の番組を作ってくれるまたとないチャンスですので、是非ドラマを継続したいと思っています。あちらサイドが続けるという意志であれば、こちらとしては最大限の協力をしながら番組継続に向けて体制を整えたいと思っています。

(小川治ドラマ制作室長)
とにかく万全の体制を整え、5人がそろって日本に来てくれるのをお待ちしています。こちらはいつ来ていただいてもいいように、体制を整えております。
1月28日放送の第3話までは完全に撮りきっています。2月4日放送の第4話についても、ほぼ撮り終えていますが、まだ一部未収録シーンがあります。できれば放送に間に合うよう撮影はしたいのですが、もし第4話が完成に至らなかった場合は、1~3話までのソウル編のダイジェストも用意して、ダブルスタンバイをしています。
ダイジェストで行くか、第4話を完成できるかは、この一両日中に判断を下さなければならないと考えています。

Q.決着が遅れれば、番組の継続についても判断せざるをえないのでは
A.(小川)ビジネスパートナーの皆さん、そして、KARAと一緒にスタートした番組ですので、最後までゴールにたどり着くことを、今も願っています。今後、来日が果たせないということがあれば、その段階で考えること。私たちはとにかく一緒にゴールしたい。そのリミットはもうしばらく検討しながら待ちたいと思います。

<今後の番組について>
BS10周年で、地上波とBSによる大型連動特番を検討してきた結果、尾崎豊さんを取り上げる番組を作ることになりました。BSジャパンでドキュメンタリー、テレビ東京ではドラマを放送します。ドラマでは、尾崎豊さんの役を成宮寛貴さんに演じていただきます。
息子の尾崎裕哉さんにもインターFMの番組やCMに出演していただいており、尾崎さんはいろいろ縁のある方です。ホールディングスという形になりましたので、「BSジャパン開局10周年記念番組」として、相互協力して放送したいと思います。
4月編成については、ドラマ24が『マジすか学園2』に決まりました。また、2月6日(日)19:00からは池上彰さんの特番を放送します。

Q.池上彰さんについて。ご本人からの説明は、今後は
A. 2月6日(日)に特番を放送しますが、テレビ東京はレギュラー番組がないので、特に池上さんサイドからお話があったということはありません。今後も、特番でお願いしたいものがあれば、お願いしていくことになると思いますが、今やっているということはありません。

Q.テレビ界にとって池上さんはどんな存在か
A.(出演を控えることは)残念ですが、私も記者をやっていたので、ご本人の気持ちも極めてよく分かります。やっぱり彼はジャーナリストですから。
我々テレビ界としては、ああいう語り口、ああいう物事を分析できる力、その前提としての取材力を持った方を、育てていかなければという気がしています。テレビ東京とはご縁のある方なので、またお力を借りられればいいなと思っています。

Q.今季のプロ野球中継予定は
A.まだ調整中です。どのような形で中継できるのかということを含め、今、現場で詰めの作業をしている最中です。昨季は地上波で2試合を中継しました。視聴率的には極めて苦戦しましたが、それぞれのローカルでは有力なコンテンツですよね。そういう系列局の意向も踏まえながら、どういう形でやれるのか、BSの利用も含めてどういうふうにできるのか、今、現場で調整をしています。

Q.水曜アニメ枠の変更があると聞いているが、『毎日かあさん』の放送枠は変わるのか
(辻幹男 常務取締役)4月編成の詳細は、まだ発表前なのでお伝えできませんが、『毎日かあさん』については枠移行して継続します。

<営業関連>
12月単月では、タイムもスポットも前年をクリアできました。全体的には、タイムの落ち込みをスポットで補っていますが、デジタル関連企業の出稿が旺盛なことと、ここに来て自動車に少し動きが出てきたということです。視聴率の低迷による商品量の低下により、大きなスポットの回復の波には完全に乗り切れてはいませんが、それでもタイムの落ち込みを12月まではカバーできました。
1月もなんとかその基調で行きそうですが、2月は昨年のバンクーバー五輪の反動がありますので、カバーしきれないかもしれません。この2~3月で、商品力不足とタイムの落ち込みをどうカバーしていくか、正念場だと思っています。

Q.タイムは復調気配なのか
A.依然、タイムは前年比マイナス基調で、テレビ東京はタイムのウエイトが大きいので、それをカバーするのに相当厳しい戦いをしています。この傾向は、4月からの新年度でも続くと考え、対応しなければならないと思います。もちろん、いろいろな番組の提案をしながら、タイムのスポンサー獲得へ全力を挙げていきますが、市況全体がタイムからスポットへシフトという傾向は続いていますので、そういう傾向も直視しながら新年度の予算を組んでいきたいと思います。

<事業関連>
(井澤昌平 取締役)
映画『毎日かあさん』の公開が、2月5日(土)に迫ってきました。前売りなども好調で、認知度・意欲度データともにアップしています。シリーズ170万部を突破した西原理恵子さんの原作は、ダ・ヴィンチの「2007 Book of the Year 泣ける本」第1位にも輝きました。アニメの実写化というイメージを抱かれるかもしれませんが、中味は非常に泣ける映画になっています。
今回、小泉今日子さんと永瀬正敏さんが16年ぶりに共演ということもあり、この2人が非常に秀逸な演技をされています。小泉さんは、小泉さんなりに西原さんの世界を作っており、また、鴨志田さんを演じた永瀬さんも、特に修行僧のような最後の演技は、試写でもかなりの方の涙を誘うほどでした。

イベント関連では『ボストン美術館 浮世絵名品展 ~錦絵の黄金時代 清長、歌麿、写楽』を、2月26日~4月17日まで山種美術館で開催します。2年前の第1弾では、約20万人に来場いただきましたが、今回の第2弾は錦絵の黄金時代を描いた清長・歌麿・写楽となり、そのほとんどが、ボストン美術館から半世紀を越えた初めての里帰りとなります。音声ガイドの作品解説は、浮世絵の収集家としても知られる歌舞伎俳優の市川亀治郎さんが担当し、また、初日の2月26日(土)には『美の巨人たち』(22:00~22:30放送)でも、これらの作品を取り上げます。

<アニメ関連>
(田村明彦 上席執行役員 アニメ局長兼営業局担当補佐)
12月23日(木・祝)から公開した『劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来』が、当初の予想を大きく上回る大ヒットとなりました。1月23日までの興行収入は16億5800万円、動員が130万人です。メインターゲットの子供だけではなく、家族、女子中高生に至るまで幅広い層の方に見ていただいたことが要因です。


≪会見者≫
代表取締役社長 島田 昌幸
常務取締役 編成局、コンテンツ契約局、メディア・アーカイブセンター担当 辻 幹男
常務取締役 経営戦略局、広報局、新規事業推進室担当 三宅 誠一
取締役 コンテンツ事業局、デジタル事業局担当 井澤 昌平
上席執行役員 アニメ局長 兼 営業局担当補佐 田村 明彦
編成局長 多田 暁
広報局長 狐﨑 浩子