定例社長会見

2011年9月29日

島田社長9月定例会見

<編成関連>
7月クールの視聴率は、第12週終了時(4月4日~9月25日)で、GH5.6%(前年比-0.4ポイント)、PT5.2%(同-0.6ポイント)、全日2.5%(同-0.3ポイント)です。8月の後半に強化週を設定して、2週連続でGH6%台に回復しましたが、全体としては依然低迷し、厳しい状況が続いています。
『いい旅・夢気分』など、震災の影響を受けていた番組が力を戻しつつありますが、やはり全体として見れば厳しい7月クールです。レギュラーの2時間番組が低迷し、4月にスタートした新番組も期待通り行かなかったことが響きました。

そのため、10月クールは編成を大幅に見直しました。月曜22時の連続ドラマは一旦退却することにしましたが、4月クールに放送し、平均視聴率が一番低かった『鈴木先生』が、「2011年日本民間放送連盟賞」の「テレビドラマ番組」で最優秀賞を受賞しました。極めて痛快です。テレビ局が提供するドラマとして、社会派路線は「あり」と思っており、現場の頑張りが、この最優秀賞という成果につながったと思います。今回は一旦退却しますが、この路線は大事にして、いずれまた体力を回復させて、世に問う、問題提起をする、そういうドラマを作っていきたい。『鈴木先生』では、初めて放送期間中の配信ビジネスもスタートさせました。我々にとっては、新しい取り組みでも意味があったと思います。

10月クールは、長くテレビ東京を支えてくださった視聴者の基盤をもう一度きちっと築き、その上で横に広げていこうという意図で、いくつか新番組を立ち上げます。月曜22時は『未来世紀ジパング~沸騰現場の経済学~』をスタートさせ、水曜21時には『水曜ミステリー9』を復活させます。木曜の20時台は『木曜8時のコンサート~名曲!にっぽんの歌~』で我々の得意な歌の分野を展開させ、金曜19時は『~ペット冒険バラエティ~ ワンダ!』を家族みんなで楽しんでもらう。10月改編の謳い文句は「This is 7ch!」です。いろいろ試行錯誤してきましたが、ここからまた新しいスタートを切り、デジタル新時代へ7チャンネルの力を示していこうということです。改編率は、GH 18.3%、PT 23.3%、全日 49.9%です。
全日帯は、コンテンツビジネスを意識した番組を作ります。全日視聴率を上げたいという狙いもありますが、昼の時間帯を使って、いろいろなビジネスの実験をしていきたいと考えています。

(井澤昌平取締役)
全日の新番組について説明します。
『大人の極上ゆるり旅』(月~金・11:35~12:30)では、「NTTドコモ」「JTB」と共同開発した番組連動型公式アプリの無料ダウンロードサービスを行います。番組で取り上げたツアーをJTBで販売したり、ドコモ端末(スマートフォン・タブレット)専用のアンドロイドマーケットで無料ダウンロードを行ったりすることで、新しいビジネススキームを作ろうという狙いです。
もうひとつ、ご紹介したい新番組は『たべコレ』(日・11:55~12:20)です。番組では、有名人から一般の方まで、様々な人に聞いた「生涯一番だと思う料理」(最後の晩餐で食べたい料理)を紹介し、「ソケッツ」が提供するクチコミアプリ「たべコレ」と連動します。さらに、番組で登場した店情報をアプリにアーカイブするなど、連携を図っていく予定です。

(島田昌幸社長)
『開運!なんでも鑑定団』については、今田耕司さんに正式にレギュラーとして参加していただけることになりました。テレビ東京の看板番組ですので、内容を強化して、より一層磨きをかけていきたいと思っています。
またこの度、「7チャン ピカチュウ リモコン」というオリジナルリモコンを作りました。地デジ完了後も、引き続き7チャンネルを周知徹底するために製作したもので、7777名の視聴者にプレゼントすることにしました。中央の大きな7のボタンを押すと、「ピカチュウ」と音が出る仕組みになっています。

Q.この時期にドラマを終了して、得意分野中心の編成に戻した理由は
A. ここ2年くらいは、M2・F2を拾うために試行錯誤してきましたが、BSの世帯普及が進み、むしろ、我々がこれまで一番の拠所にしてきたM3・F3が、他局やBSに流れ始めてきました。そのような現実を踏まえ、もう一回、自分たちの基盤を確立しようということになったのが、今回の10月編成です。3年後に迎える開局50周年への成長戦略を描く上で、この地デジ元年に一番の基盤を確立し、得意なジャンルで、我々の番組編成の特徴を際立たせようということです。

Q.『水曜ミステリー』の復活は、何に期待をするのか
A.非常に幅広いファンを獲得してきた番組で、いまだに日曜の再放送も視聴率が高い。視聴者の皆さんに定着した番組だったので、もう一度きちっと番組を提供できる体制にしたいと思います。各局、2時間ドラマを後退させていますし、我々は制作のノウハウ、土台がまだ残っています。いいタイミングでは、と思います。

Q.番組連動型のアプリによる企業コラボレーションは、番組制作上、難しい点もあるのでは。
A.主と従を間違えないように作ってもらいたい。番組として楽しんでいただけるものを作って、そこから次のビジネスが生まれるという順序です。
『いい旅・夢気分』や『土曜スペシャル』は、単なる旅情報番組ではありません。そこにいろいろなメッセージが込められているからです。こうしたことを大事にしていかないと、何のための番組か分からなくなってしまいます。そこは心得て番組制作をしていると、私は思っています。

<営業関連>
先月が休会でしたので、2ヵ月分の営業売上を報告します。
7月は単体の営業実績で、タイムが前年同期比-7.2%、スポットは同-4.8%、タイム・スポットの合計で同-6.5%、8月はタイムが同-2.5%、スポットが+1.0%、合計で-1.5%でした。タイムは前年あったサッカーW杯の実績を除くと、そこそこの水準です。スポットは、ここに来て少し勢いが戻り、8月は今年度初めて前年実績を上回りました。
9月もスポットは前年比で2ケタ増を見込めると思います。テレビ東京の場合、GRP不足で苦労はしていますが、年内は全体としてスポットの活況が続きそうです。タイムについては、体質強化の一環で通販番組をひとつ終了させました。この減収をスポットの活況でどう補っていくかが、下期の勝負だと思っています。
また、CMerTVとの業務提携によるCM配信サービスを10月3日から開始する予定です。クリエイターが作り上げるCMも文化であり、視聴チャンスを増やしたいと考えた上でのサービス。スタート時の素材数はさほど多くありませんが、徐々に広げていければと思います。

<アニメ関連>
(田村明彦取締役)
まず、アニメ番組のデータ放送積極活用について。
この10月から、GHで放送しているアニメ番組を中心に、リアルタイム視聴を促し、視聴者により多角的に番組を楽しんでいただくため、番組内容に連動したデータ放送をスタートします。すでに月曜19時の『たまごっち!』については、2年前からデータ放送を実施しており、視聴率の維持向上に一定の効果があると考えています。
まず、水曜の『イナズマイレブンGO』と『ダンボール戦機』の2番組で10月12日から開始予定。その後、月曜の『遊戯王ゼアル』、木曜の『ポケットモンスター ベストウイッシュ』『NARUTO疾風伝』と、順次拡大していきます。また、GHではありませんが、土曜10時の『プリティーリズム オーロラドリーム』についても10月中旬よりスタートします。

10月からは、SNSゲームと連動したアニメ番組『戦国☆パラダイス 極』(月・27:15~27:25)を放送します。すでに多くの会員を獲得している人気SNSゲームと連動したアニメを放送することで、テレビとSNSゲームの新たな楽しみ方を提案できると考えており、一方で、ゲームへの製作投資という新しい収益獲得モデル構築の試みでもあります。SNSゲーム内に登場する戦国武将たちが繰り広げるコメディーで、番組上で起きた出来事がゲーム上でも展開され、アニメ放送とゲームのプレイをシームレスに体感できる仕組みになっています。

Q.『たまごっち!』のデータ放送でみられた「一定の効果」とは
A.データ放送を実施して以降、『たまごっち!』の平均視聴率が、前年比0.4%プラスになりました。また、プレゼント応募の飛躍的な伸びからも、結果が出たと考えています。こうしたデータ放送の実施番組を広げていき、リアルタイム視聴を増やしていきたいと思います。

<事業・コンテンツビジネス関連>
(井澤昌平取締役)
10月1日(土)にさいたまスーパーアリーナで行われる、フィギュアスケートのシーズン開幕戦『木下グループカップ フィギュアスケートJAPAN OPEN 2011 3地域対抗戦』と、アイスショー『木下グループPresents カーニバル・オン・アイス2011』を、今年も主催します。
男女混合で日本、北米、欧州の3地域が争う『JAPAN OPEN』には、日本チームから、安藤美姫選手・鈴木明子選手・小塚崇彦選手・髙橋大輔選手の4名が出場します。5月にロシアで代替開催された世界選手権の男女金メダダリスト(男子:パトリック・チャン選手、女子:安藤美姫選手)の参戦も目玉です。安藤選手は今季グランプリシリーズの欠場を発表しており、 現時点で試合への参加は『JAPAN OPEN』のみ。初披露となる競技プログラムに注目です。
『カーニバル・オン・アイス』については、羽生結弦選手と庄司理紗選手、そして、世界選手権金メダリストのサブチェンコ&ゾルコビー組も出演します。

映画関連では、9月23日(金・祝)に公開を迎えた『モテキ』について。
初日からの3日間で動員約28万4,000人、興行収入約3億8,900万円と、好調なスタートを切りました。土日2日間の動員はランキング2位、興行収入ではランキング1位を獲得しました。昨日(9月28日)までの最新数字でも、動員が約41万4,000人、興収が5億5,100万円と、順調に推移しています。テレビ東京として、久しぶりに最終興行収入20億円が視野に入る映画ができました。ドラマ『モテキ』の放送時に続いて、今回も社内に「モテキプロジェクト」を立ち上げ、全社一丸となったプロモーションがうまく行ったのではと思います。
深夜ドラマの映画化は少しリスクがありましたが、他局との差別化をすれば、これだけ観客を動員することができます。私見ですが、深夜ドラマから、新しい映画の形やいろいろなビジネスを考えたいと思っています。ドラマ『モテキ』のDVDも追加発注が増えています。

また、『モテキ』と同じ「ドラマ24」の枠で7月クールに放送した『勇者ヨシヒコと魔王の城』が話題を集めています。非常にゆる~いドラマで、日本一予算の少ないドラマという冠をつけた作品で、視聴率はこれまでの作品とほぼ同じなのですが、他の作品と比べてC層の視聴が非常に多く、放送中のツイッターも『勇者ヨシヒコと魔王の城』の内容でトレンドランキングを独占する現象が起きています。DVDも予約だけで現在約1万本に達しました。「ドラマ24」初の見逃し配信も順調です。テレビ東京が苦手としている若い層に支持され、このような形で刺さっている。非常に良いことだと思います。

<『ありえへん∞世界』BPO意見書公表を受けて>
(島田昌幸社長)
『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』でBPOから意見書をいただき、さらに『ありえへん∞世界』で、また意見書をいただくことになり、大変申し訳ないと思っています。
今回の意見書も大変厳しい指摘です。故意の部分がある、ということです。我々も経過の詳細を調査した結果、自分たちの番組制作の隙というのを痛感させられました。今度の意見書をきっかけに、改めて番組制作現場に内容を周知徹底し、BPOから寄せられた「東海テレビ放送『ぴーかんテレビ』問題に関する提言」も含めて、現場でよく消化をして、番組制作に活かしていきたいと思います。
視聴者に対する愛が、番組作りの基本だと思います。そのことを外部スタッフも含めて徹底する。取材を受け入れてくださる方への愛、そして、番組をご覧になっていただいている視聴者に対する愛、これを、どう具体的な制作手順の中で作り上げていくのか、きちっと考えていきたいと思います。
ガイドライン(「番組制作ハンドブック」)については、『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』の審議入りをきっかけに、すでに見直しを進めています。BPOの委員に来社いただいて、放送倫理研修も行っています。「番組制作ハンドブック」を改訂するだけではなく、いかに意識を共有できるかがポイントですので、そのための仕掛けをしていきたいと思います。

<暴力団排除条例について>
テレビ東京グループの行動規範の中では「反社会的勢力との対決」を謳っています。「反社会的な団体・個人に対しては毅然とした態度で臨み、名目に関わらずいかなる利益供与もしない」と記載されており、この精神ですべての番組作りと事業を行っています。今回の施行を受けて、より一層、その精神を自分たちの番組作りや事業の中に活かしていく。それを社内に徹底していくということです。
条例の施行へ向けて、警視庁からは民放連に要請があったり、個々の民放とも具体的な質疑応答の場が設けられたり、いろいろな働きかけがあります。業界全体、つまり民放連、制作会社全体で取り組んでいくのが基本だろうと思います。民放連でも検討を始めていると思いますが、その大きな枠組みの中、我々は個々の局として、どういうことをやっていくか。これまでも行動規範の精神のもと、やってきているわけですが、改めて何か付け加えことがあるか。そういったことを検討しています。
今のところ、ごく例外を除いて、出演者と個々に契約を結ぶことはありません。その状況で、契約の中に織り込んでほしいという要請にどう対応するかは、少し時間が必要だろうと思っています。まずは、番組制作者が、あるいは事業を遂行する者たちが、この条例の趣旨をきちっと踏まえて、業務にあたる。そこを徹底するということです。

Q.これまでのテレビ東京の対応は
A.(行動規範に)明記して、それぞれの番組作りや事業の指針にしていますので、絶えず、その点検をしながらやっています。現実的に、僕ら(個々の局)が自分たちで確認できる範囲はそんなにないですよね。島田紳助さんも、そういうことが明らかになった以上、我々としては番組を放送できない、という対応を取った。何かが分かれば、ご遠慮願うという対応。従来そうしているし、これからもそういうことになるでしょう。業界全体として、きちっと話をしていくということになるのではないでしょうか。

Q.個々の局で何ができるのか
A.島田紳助さんの問題については、それぞれの局が対応をした。なかには番組を打ち切った局もあるし、代わりの出演者を立てて番組を残した局もあるでしょう。我々の行動規範に則って判断したということですから、これからも変わりません。
反社会的勢力がはびこらないよう、毅然とした態度を取るというのは、放送局も制作会社も同じでしょうから、大きな枠組みを、お互いに理解し合いながらどう作るか。その中で、個々の契約をどう工夫するかだと思います。
業界全体の問題を、個々の局としてどうブレイクダウンして、それぞれの番組作りの中に精神を徹底させるかということ。契約で縛られる部分がどの程度あるのか、ということも含めて、考えていかなければならないと思います。

<その他>
Q.7月24日のアナログ停波を機に、視聴者のテレビ離れは進んだと思うか。
A.東日本大震災を受けて、テレビの速報力と伝達力が改めて見直された。この夏の台風による大水害もそうでした。テレビの訴求力の強さは、改めて認識されたと思います。
若い世代がテレビを見なくなったのは、我々テレビ局の責任でしょう。若い人たちを惹き付ける番組をもっと作り、若い人たちの行動様式に合った見方ができる番組を考えていかなければならない。報道する、ドラマを作る、ドキュメンタリーを作る、いろいろな分野において、現在、やはりテレビは主たるメディアになっているし、これからもなりうると思っています。
(他メディアにないテレビの強みは)報道の同報性。災害を広く国民に即座に知らせ、対応を促すメディアは他にありません。ネットが流した細かな災害情報や安否情報は、テレビにできなかったじゃないか、というご指摘がありますが、それはメディアの違い。共存すればいいと思います。
我々テレビは、然るべく報道する、あるいは然るべき文化を作っていく。そうすれば、十分王道を歩けます。10月からBSの新チャンネルも増えますが、競争相手は多い方がいい。その中で、我々は負けないコンテンツをどう作っていくか。負けない報道をどうしていくか。その切磋琢磨がメディアを強くする気がします。


≪会見者≫
代表取締役社長 島田 昌幸
常務取締役 コンテンツ契約局、編成局、メディア・アーカイブセンター、制作局、ドラマ制作室担当
辻 幹男
常務取締役 経営戦略局、広報局、新規事業推進室担当 三宅 誠一
取締役 コンテンツビジネス局、事業局、ビジネス管理部担当 井澤 昌平
取締役 営業局担当補佐 兼 アニメ局担当 田村 明彦
編成局長 井上 康
広報局長 狐﨑 浩子
広報局次長兼広報・IR部長 澤田 寛人

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