定例社長会見2011年3月
<震災報道について>
拠点(系列局)のない地区の災害というハンディキャップを背負うなか、非常に厳しい取材、報道活動でした。すぐに被災地へ駆けつけましたが、あのような状況で移動にも時間がかかり、一番乗りしたのは翌朝の5時です。系列局もいろいろな地域からアクセスし、記者の派遣やSNGの出動協力をしてくれました。そのような状況で、我々テレビ東京系列としては、体力の限界に近い、精一杯の取材、報道活動ができたのではないかと思います。
取材陣が被災地に入るまでは、現地のプロダクションや通信社等に大変お世話になりながら、情報や映像の入手努力をしました。地震翌日の3月12日時点で現地入りしたのが44人、15日時点で総勢67人となり、今日時点では26人が仙台と岩手に常駐する体制を維持しています。
地震発生直後から、ノーCMの緊急報道特番を、BSジャパンもサイマルで33時間1分放送しました。テレビ東京の災害報道としては、これまでで最長の放送です。3月12日(土)23時55分までこの緊急特番を放送し、それ以降、順次レギュラー番組を通常放送に戻しました。
このような決断をした理由は、現場の緊張感が相当高かったため、取材の長期化に備えて少し余裕を持たせたかったこと。そして、子供たちが楽しみにしているアニメ番組を放送する意味があると考えたことです。徐々にレギュラー番組に戻しましたが、特番、速報、L字体制は維持しています。
現在、基本的に通常放送に戻ってはいますが、すべての番組で内容チェックはしています。視聴者に日常性を取り戻してほしいという願いを込め、通常のエンターテイメント番組も必要だろうと思う一方、被災者の方々に配慮した上で放送しています。
レギュラー放送に戻した際には、視聴者からお叱りもいただきました。数ではお叱りの方が多かったと思いますが、一部では有難かったという声もいただきました。そのすべてのご意見を受け、この選択はありだったと、今、私は感じているところです。
Q.被災地に系列局がないというのもレギュラー復帰の理由のひとつか
A.全員が土地勘のない混成部隊ですので、取材活動自体が危険を伴っているということがあり、長期戦に備えた体制に徐々に切り替えていこうと考えました。
当社が番組を制作して放送することで、系列外の友好局に被災地の状況を伝えるという責任も負っていますので、刻々と変化する情勢を伝える体制を取り、その責任はある程度果たすことができたと思います。近畿地区の友好局からは、きちっと放送してくれて大変有難かったと言っていただき、結果として、我々としては体力いっぱいのことはできたかなと思っています。
Q.他社に比べてレギュラーに戻すのが早かったが
A.一般市民の支援を長続きさせ、できるところから日常を取り戻すためにも、放送局はレギュラー番組に依拠した番組を作って届ける必要もあるだろう。放送局にはそういう選択があっても構わないだろう。私はそう思っています。
自分たちの取材体力を見ながらできるだけの報道をしつつ、そこに通常の番組を入れていくことで、放送局としての使命を果たしたいと考えました。通常番組を望んでくださっている視聴者もいるということを踏まえ、通常番組に切り替えました。
Q.レギュラー復帰に対する視聴者の意見の割合は
A.お叱りが9割。よくやってくれたというのが1割です。
(多田編成局長)
レギュラー復帰した12日、および13日の件数ですが、電話とメールを通して、抗議が約600件。普通の日常を待っていた、応援していますという声が約90件でした。
<業績への影響>
約33時間、ノーCMで特番を放送したため、減収はあります。ほか、関連会社への影響などもあるため、具体的な数字は集計中ですが、3月期決算自体はなんとか乗り切れそうです。
Q.ACへのCM差し替えについて
A.(CM料金については)スポンサーの中には相当甚大な被害に遭われたところもありますので、そういったことも考慮しながら、考えていきたいと思っています。
(4月以降の素材は)スポンサーのご意向を踏まえながら考えたいです。ACは今よりは徐々に少なくなっていくと思います。
<支援>
子供たちを元気にしたいと考え、2つの取り組みを実施することにしました。
ひとつは、アニメ番組(現時点で17番組)や『ピラメキーノ』等の放送前に、「元気」をキーワードにした5秒スポットを放送する取り組みです。4月いっぱい放送する予定です。
もうひとつが、YouTube内テレビ東京チャンネルで『ピラメキーノ』内のコーナーをネット配信する取り組みです。被災地の子供たちにも見てもらい、元気を出してもらおうと考えました。こちらは4月4日(月)から3ヵ月程度実施したいと考えています。
<プロ野球中継への影響>
4月は、BSジャパンで2試合の中継を予定していました。
4月5日(火)予定だった「ソフトバンク-日本ハム」は、試合がなくなったため、7月の別カードに変更することになります。4月12日(火)の「ロッテ-楽天」は開幕戦ということになりました。BSジャパンで放送する予定です。
Q.完全地デジ化への影響は
A. 7月24日の地デジ完全移行に対して、この震災の影響がないとは言いません。しかし、我々としては、これから日本の新しい国作りが始まるという復興大事業の情報インフラとして、地デジを完遂しておきたい。民放連も総務省もそういう方針で動いていますので、我々も粛々と進めたいと思います。
Q.停電への対応は
A.今の計画停電は緊急避難的なものだと思います。夏場のピーク時にあわせて、これから相当深刻な事態になることが予想されますので、その時に当社としてどう対応していくか、どういう計画を作るかということです。
私たちとしては、あらゆる節電の努力をして、いつでも必要な情報を視聴者の元に届けられる体制を継続しておきたい。そのことが今、一番必要だろうと思っています。危機はいつどういう形で来るか分かりませが、そのためのインフラとして、放送業務はとても大切だと思います。放送を続けることが我々の義務であろうと思っています。
Q.震災報道のネット配信については
A.検討し、準備もしましたが、結局見合わせました。被災地に系列局がないテレビ東京の場合、初期の映像は外部にお世話になったため、権利関係の処理等もありました。ただし、情報を広く早く伝えるため、これからのテレビ放送とネット配信は、そういうことが随時検討されていい時代になったと、今度の震災をきっかけに思いました。当社も絶えず準備をしておかなければならないと思います。
テレビ東京グループでは、傘下にあるインターFMがラジオで災害情報を流しました。インターFMは、災害時に在日外国人向けの放送をするということが認可条件でしたので、英語、中国語、韓国語で災害情報を流しました。現在も、中国語と韓国語のできるスタッフが24時間体制で泊り込み、放送を続けています。
Q.4月編成への影響は
A.ドラマのスタート日に影響があります。撮影の遅れにより、月曜22時の『鈴木先生』のスタート日が、4月11日から25日に変更となりました。金曜24時12分の『マジすか学園2』も、前作が休止で1週押したこともあり、当初予定より1週遅れの4月15日スタート予定です。
≪会見者≫
代表取締役社長 島田 昌幸
常務取締役 編成局、コンテンツ契約局、メディア・アーカイブセンター担当 辻 幹男
常務取締役 経営戦略局、広報局、新規事業推進室担当 三宅 誠一
取締役 コンテンツ事業局、デジタル事業局担当 井澤 昌平
上席執行役員 アニメ局長 兼 営業局担当補佐 田村 明彦
編成局長 多田 暁
広報局長 狐﨑 浩子
広報局次長兼広報・IR部長 澤田 寛人