定例社長会見2010年1月
<新年の抱負>
社内の新年祝賀会の挨拶では、毎年のように大変だ大変だ、厳しい厳しいと言い疲れてきたので、今年はもう、それを前提に何でも前向きにやろう、という話をしました。地上完全デジタル化まで実質残り1年。これは我々自身が変わる大きなチャンスなので、それを前向きにとらえて、前進するためにみんなで気力を込めて頑張ろう、と話しました。
営業の見通しは、そんなに甘くはないと思っています。民放連のシミユレーションでも、数年は相当厳しい営業状況が予想されるということですから、放送局のビジネススキームに、構造的な大きな変化があるということを前提に、経営のありようについて考えなくてはいけないわけです。
しかし、それはいい機会なのではないでしょうか。テレビ東京は去年、開局45周年を迎えました。これからステップを踏む50周年に向けて、いいチャンスです。大いに英知を集めて頑張りたい。そういう年にしたいと思っています。
<キッザニア東京へのパビリオン出展について>
子どもたちに人気がある職業・体験施設「キッザニア東京」に、「テレビ局」パビリオンを出展することにしました。2月1日からオープンします。「キッザニア」とは、子どもたちが仕事や習い事を体験しながら、社会の仕組みを学ぶことができるテーマパークです。昔は父親、母親の背中を見ながら、その仕事ぶりも見て、子どもは育っていったものですが、昨今なかなかそういう機会がないようです。「キッザニア」のような施設が、教育の場としても非常に貴重な体験ができる施設になると思います。
テレビ東京が、リアルな場で、子どもたちと触れ合う機会を持てるということは、いいことだと思っています。スタッフもいろいろと考えてくれました。子どもたちに向けて放送している実際の番組に即したものを、ということで、子ども向けバラエティ「ピラメキーノ」をアレンジした、「ピラメキッザニア」というオリジナル番組を制作してもらうことになりました。スタッフが大変熱心に指導をし、キッザニアの皆さんにも喜んでいただけたようです。今、最終調整をしているところだと思いますが、たぶんいいパビリオンが生まれるのではないかと思います。
この「テレビ局」パビリオンの特徴は、実在の番組そっくりの番組を子どもたちが作ることができることです。また、本物の放送機材を操作することもでき、しかも、その仕事ぶりを保護者の方々が観覧席で見ることもできます。なによりも、自分たちで作った番組をDVDで持ち帰り、その場にいなかった友達や、父親などの家族にも見てもらえる。それが、新たな家庭での親子の会話になってくれれば、と願っています。テレビ東京は、アニメも含めて子どもの番組をたくさん作っていますので、この「ピラメキッザニア」が、子どもたちとの接点になってくれれば、こんなにうれしいことはありません。ぜひ足をお運びいただければと思います。
なお、2月1日のオープンに合わせて、2月2日(火)と6日(土)に、朝の子どもゾーンで特別番組を放送します。
(辻取締役)
「ピラメキーノ」に関連した話題として、人気コーナー「ピラメキたいそう」「Onaraはずかしくないよ」の着うたが、1月25日終了時点で、累計42万ダウンロードという大変な数字を記録しています。また、2月10日にはCDも発売しますので、こちらも楽しみにしています。
「ピラメキーノ」と「ピラメキ」という言葉は、それぞれ商標登録していまして、今後、2~3月にかけて、文具類やトランプ等のグッズも出していく予定です。
<編成関連>
視聴率は、依然として厳しい状況が続いています。
10月クールの実績は、ゴールデンタイムが6.9%(前年比-0.8ポイント)、プライムタイムが6.5%(同-0.8ポイント)、全日3.1%(同-0.3ポイント)でした。GHは18年半ぶりに6%台に落ち、厳しい結果になりました。
いろいろ試行錯誤しながら、この苦しい局面をどう乗り越えていくかということだろうと思います。覚悟して作った番組もあるわけで、それについてこれからどうしていくかということです。
我々は他局と違った角度で、いろいろ番組作りについて考えていきたい。もちろん同じ土俵で勝負するものもありますが、それ以外にどうやって特徴を出していくか、どういうものに取り組んでいくか、そういうことをいろいろ今、試行錯誤しています。それがこのような視聴率の結果に表れていますが、それ自体が次へのステップになると僕は思っていますので、めげずに頑張りたいなと思っています。
年末年始で言いますと、新春ワイド時代劇「柳生武芸帳」も、視聴率は1ケタ(平均6.6%)でした。いろんな要因分析がありますが、徹底的に分析をして、来年にいかしたいと思っています。
「年忘れにっぽんの歌」も、NHKの「紅白歌合戦」と対照的に、ある層には訴えられる、差別化した番組になったと思っていますが、もうちょっと工夫の余地があるかもしれません。その点については、今後、もう少し手を入れるべく考えたいと思います。ただ、あの路線は堅持したいと思っています。M3・F3にどういう音楽番組を届けていくか、これは日々いろいろ工夫をしていかなければならないでしょう。
民主党政権誕生100日超ということで、大みそかに「ルビコンの決断」で、そのテーマを扱いました。視聴率的には惨敗しましたが、新政権のちょうど区切りの時に、それを総括するという番組を、敢えてそこに持ってきたわけです。その点で、一部では評価をいただいている面もありますが、視聴率的には惨敗という結果を踏まえて、こういう番組を年末のこういう時期に持ってくることについての考え方も、これからみんなで議論をしていきたいところです。今年は他局がレギュラー番組のワイド化に相当力を入れてきましたから、これから我々は、年末年始というものにどう対応していくかということです。
今年の4月改編は、このまま来年の完全デジタル化へ向けてのステップになりますので、そこで、これまでのいろんな試行錯誤の結果をどういかしていくか、番組をどう入れ替えていくか、今、最後の調整をしています。
1月クール(1月4日~24日)は、まだ3週が終わったところですが、ゴールデンタイムが7.2%(前年比-0.2ポイント)、プライムタイムが6.6%(同-0.4ポイント)、全日3.1%(同-0.5ポイント)です。新年の特番編成が終わったばかりで、そこそこ戦えているなという番組も一部ではありますが、まだ全体として、やはり苦戦状態が続いています。
私がかねてから申し上げている「ゾーン編成」という考え方があります。19時台のファミリーゾーン、20~21時台のエンタメゾーン、それから22~23時台の経済・報道番組を中心としたゾーン、それぞれのゾーンでどう番組を強化していくか、番組を入れ替えていくか。一部に金属疲労を起こしている番組もあるようですので、それをどう考えていくか。この状態を見極めて、4月クールからどういう番組編成をしていくか。今、編成が中心になって最終的な検討をしているところです。
Q.他局との差別化とは具体的に
A.ひとつは22~23時台。あの時間帯は、4月からニュース戦争になりそうな気配ですよね。我々は経済を中心とした報道番組と、「ワールド・ビジネスサテライト」を軸に形成しているわけですが、そこをもう少し鋭角な時間帯にして、差別化をもっともっと徹底していく必要があると思っています。視聴率を取る努力はしなくてはいけないのですが、こういう番組は、視聴率だけを追ってもらっても困る。報道番組として、やはり基本的な我々の意思の反映がないといけないので、そういうものをきちっと作る、ということです。テレビ東京の45年の歴史の中で培ってきた、テレビ報道を我々はこう考える、ということが背景にある番組を作っていきたい。そういう意味で、22~23時台を特徴にしたいと思っています。
バラエティについては、特徴的な番組を作ることで、存在感を示していくということが必要なのではないでしょうか。「開運!なんでも鑑定団」については、評価をいただいていますが、それに続く番組を作らなくてはいけない。少し疲れてきていますが、「いい旅・夢気分」はテレビ東京の癒し系のエンターテインメント番組としてひとつの存在感を示しているわけで、きちっとシャッフルしてそういう番組を育てたいし、「空から日本を見てみよう」という番組は、映像の新鮮さもあって好評をいただいていますが、こういう番組をどうやって作っていくかということ。完全デジタル化に向けて、映像の新鮮な驚きを取り入れながら、ハッとするような番組を作っていきたい。原点に帰って、やや野心的・冒険的・実験的な番組をどんどん作っていきたい。そういうふうに思っています。
<特別番組など>
開局45周年記念ドラマスペシャルとして、浅田次郎さん原作の「シューシャインボーイ」を3月下旬に放送します。出演は、西田敏行さん、柳葉敏郎さんほか。45周年記念番組のトリを飾る番組で、非常にいいドラマに仕上がっています。ご期待ください。
スポーツ関連では、バンクーバー五輪の開幕が近付いています。テレビ東京の番組コンセプトは、「感動ヒューマンドキュメント」です。中継種目は、「フリースタイル スキークロス男子 予選・決勝」「スピードスケート女子5000m決勝」「スノーボード女子パラレル大回転 予選・決勝」「フィギュアスケート エキシビション」を予定。なかでも、「フィギュアスケート エキシビション」は、日本人の上位入賞が期待されている種目ですので、是非メダリストの感動の余韻をお届けしたいところです。時間帯も日曜の昼(9:00~12:19)ですので、時差の影響も少なく、比較的ご覧になりやすいと思います。
テーマソングは、青山テルマさんの「Believe」。昨日から着うたが配信され、実は私も先ほど自分の携帯電話にダウンロードしたところです。
また、新たな野球解説者として今年から小宮山悟さん(元・千葉ロッテマリーンズ投手)に解説をお願いすることにしました。小宮山さんは、大リーグ挑戦の経験もあり、非常に幅広い観点から、解説をしていただけると期待しているところです。
<営業関連>
タイムの落ち込みが相当厳しく、スポットも依然として前年水準に届かないということで、12月の営業実績は、タイムが前年同期比-13.0%、スポットが-8.7%、タイム・スポットの合計が-11.7%となりました。
上期は2回に渡り、上方修正することができましたが、下期は想定をやや下回って厳しい状態が続いています。1~3月で盛り返すべく、今、努力しているところです。2月のオリンピックと3月の期末で、どれだけ頑張れるかにかかっていると思います。
<事業関連>
(辻取締役)
開局45周年記念イベント「ARENA DI VERONA & PLÁCIDO DOMINGO IN TOKYO 2010」が、2週間後に近づきました。プラシド・ドミンゴ氏が2月8日に、アレーナの楽団員は来週末に来日する予定で、準備は順調に進んでいます。チケットの券売も、13日(土)の「ガラ・ドミンゴ」は順調、14日(日)の「アイーダ」は最後のひと踏ん張りというところです。素晴らしい内容の公演ですので、ぜひご覧いただきたいと思っています。
豊川悦司さん、薬師丸ひろ子さん主演の「今度は愛妻家」が、1月16日から全国230館で公開しました。
昨日(1月27日)までの12日間の興行成績は、動員24万7000人、興収で2億8500万。当初の動員目標が56万人ですので、どこまで行けるか。まずまずの出足と見ています。
1月18日付の「ぴあ」の新作公開映画満足度ランキングで第1位、1月26日時点のシネマカフェのブログ話題度でも1位ということで、なかなか評判もいいようです。ロングランでヒットを目指したいと期待をしています。
先週末1月23日から公開した、テレビ放送10周年記念の「10thアニバーサリー劇場版 遊☆戯☆王~超融合!時空を越えた絆」も、好調なスタートを切っています。全国3Dシアター124館で公開し、昨日(1月27日)までの5日間で、動員11万9000人、興収は1億3500万円です。
1時間にも満たない作品ですが、もともとの根強い「遊☆戯☆王」ファンの後押しや、認知度の高さが好調の要因。観客層についても、10年前に見ていて、現在、お子さんをお持ちの方々、それから、現在のメインターゲットである小・中学生の皆さんが来ていただいているということです。
ゲスト声優として、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんに参加していただいており、露出機会の多さにも後押しされています。好調な推移です。
<その他>
Q.「田勢康弘の週刊ニュース新書」に関する岡崎市の件について
A.抗議文を出しました。
我々としては、きちっと取材をして、岡崎市にも取材をして、そのテープを保存してありますが、実際の本人の取材もきっちりやって、それを受けての放送です。岡崎市の抗議にあるようなことはありません。
むしろ、そういうふうに言われるのは心外です。むしろ謝罪をしていただきたい。こういうことを一方的に言われることについて。弁護士と相談して、そういう文書をお送りしました。向こうからはそれに対して、納得できないという返事をいただいています。今のところそこまでです。
私たちはいろんな番組で行き届かないところもあることはあると思いますが、聞かれたことについて、不当なことについてはきちっと申し上げることは申し上げたいと思います。岡崎市に、取材もしていないと言われたのでは、こういうことを黙っておいたのでは、看過できないということで、きちっとそれは申し上げました。
しかも、ホームページにコメントの掲載をする前に、我々には電話1本で「掲載しましたから」とあっただけで、事前に何もないわけです。このやり方自体も納得できない。それで、抗議をいたしました。この姿勢については、今も変わりません。
向こうが挙げられることについて、いちいち反駁をして抗議をしたということです。
きちっと本人に取材をしました。無料低額宿泊施設に入居されていた方が、きちっとした綿密な日記をつけておられまして、そういうことも我々としては記録を取ってあるし、それに基づいて確認取材もしているし、それをもって担当者の率直な意見も聞いています。
抗議をした入居者についての要望書を業者に渡したわけですね。そのことについて、その後、岡崎市は処分をしているわけで、それは事実を追認したことだと、僕はそういう認識をしているし、僕らの報道の取材の仕方について問題はないと確信をしています。
今のところは、抗議文です。12月に出しました。本当はきちっと向き合って話し合えばいいんでしょうが。岡崎市からは、年明けに納得できないと返ってきました。この件について我々は、弁護士も含めて、きちっと対応したいと思っています。
Q. 小沢幹事長をめぐる報道に関して、原口総務大臣が「関係者」という表現を「不適だ」と発言したことについて
A.原口総務大臣は、その後釈明されているので、そういうことだと受け止めればいいのではないかと思います。我々の報道の基本姿勢というのは、全く変わっていないし、変えるつもりもありません。基本的には取材経路については明示することが望ましいという上で、取材源の秘匿については徹底的に大事なことだから、場合によってはそういう表現をすることがあります、ということを、実際の取材にあたってやっているわけです。それでそういう表現になっているということは、原口大臣も承知しておられるはずです。どういうことでああいう発言をされたのか、分かりませんが、後で釈明されたということですから。我々がそれで表現を変えることはないし、これからも原則的には取材経路について明示できる、そういう努力をしていくことが望ましいと思います。必要に応じて取材源の秘匿ということで、そういう表現を用いることがある。この姿勢は今後も変えるつもりはありません。
Q.原口総務大臣の「クロスオーナーシップ」に関する発言について
A.どういうことを考えられているのか、いろんな要素が入って、という気がします。基本的に報道の多様性、言論の多様性ということを大事にしたいということから、このような発言になったのだと思いますが、中身について分かりづらいところがあるので、これはもうちょっと議論してみたいと思っています。
原口大臣は、去年の民放大会の時、ご自分のいろんな体験を踏まえて、報道の自由こそ大事だということをおっしゃっていました。そのために今、いろんな政策を考えている。これは我々としても、一緒に議論したい、一緒に議論をするべきテーマだろうと思っていますが、ちょっと分かりづらいところがあるので、冷静に行く末を見ながら、議論に参加していきたいというところです。
日本版FCCに関わる有識者の会合の議論も始まったようです。そういうことも絡めて、これからいろいろ具体的な中身が出てくるでしょうから、そういうものを見ながら考えていきたいと思っています。
(広報・IR部まとめ)
会見者: 代表取締役社長 島田 昌幸
取締役 コンテンツ事業局、デジタル事業推進局、アニメ局、コンテンツ管理センター担当 辻 幹男
上席執行役員 経営戦略局長 兼 関連企業統括室長 三宅 誠一
編成局長 多田 暁