定例社長会見2010年10月

島田社長10月定例会見

<動画配信について>
10月20日に「2012年度新卒採用 会社説明会」をUSTREAMで開催し、Twitterのコメント数が約1500件、延べ視聴者数が3160名と、なかなか反響がありました。海外や地方からアクセスしてくれた学生もいて、実数以上の広がりに注目したいところです。いまやネットの時代ですから、テレビ東京のことをよく知ってもらう試みとして、大成功ではないかと思います。
実際、これを採用活動につなげていくためには、いろいろな準備が必要です。海外や地方からアクセスし、テレビ東京に入社したいと思ってくれた学生たちのために、どういう工夫ができるか、入社試験の便宜をどう図れるか、そういうこともあわせて検討することが、これから必要です。
初回の手ごたえは十分でした。次の開催への要望もずいぶんあったため、12月中旬に第2回のUSTREAM会社説明会を開催することにしました。
それぞれの現場が、いろいろな工夫をすることが、テレビ東京全体のためになると思います。動画配信ではなかなか出遅れ感のあるテレビ東京ですが、ここへ来て、少しずつ具体的に動き出してきたということです。

番組関連では、『モリのアサガオ』『嬢王3』がGyaOと、『カンブリア宮殿』がテレビドガッチと、それぞれ外部サイトと連携した無料配信を実施しました。『モリのアサガオ』は、まだ具体的に番組の視聴率に結びついてはいませんが、こういうことを幅広くやっていくことが、番組の告知につながっていくと思っています。どちらかというとテレビ東京が弱かったそういう点を積極的に取り入れようと、現場は苦労しながら考え、いろいろなことをやっているようです。

従来から行っているアニメ関連の配信事業は、順調に進んでいます。資本参加しているアメリカのクランチロール社は、今年の5月に単月黒字になり、6月からスタートした『ブリーチ』も好評で、有料会員が先日3万人を突破しました。これを軸に、今後どういうビジネスに発展させていくかが、課題だと思っています。

Q.USTREAM会社説明会は、だいぶ反響が大きかったようだが
A.すでにエントリーはネットを利用しているのに、どうして今までこういう形に気づかなかったんでしょうね。とにかくやってみようという姿勢がいいです。この開催を通して、多彩な人材が入社し、会社を活性化してくれる効果を期待したいと思います。

Q.アニメ以外の分野では、まだ、ビジネスより告知ツールという位置付けなのか
A.今はそうですね。我々はあらゆる収入機会を見つけたいと思っていますが、自分たちで汗を流したコンテンツを、どう正当にビジネスにしていくかということも大事です。最初に安売りしてしまい、後からちゃんとした形でというのは難しい。そういうことも考えながら、私は戦略を立てたいと思っています。
これからいろいろなメディアが出てくると、今、テレビ受像機と私たちが呼んでいる機械が、将来的にテレビ受像機ではなく、「テレビも映ります」という機械になるわけです。そのときの放送局のありようを考えると、私たちが外部スタッフの方と一緒になって作っているコンテンツを大事にしていかないと、道を間違えるのではないかという気がしています。放送局のもうひとつの使命は、生番組をどう作って、どう放送していくかということですが、それもあわせて考えていかなければならない。目先のことも大事ですが、将来の展望を考えながらやる必要があるのでは、と私自身は思っており、そういうことをいろいろ議論したいと思っています。

Q.ニュース番組の同時再送信は考えているのか
A.ネットワークの問題などありますし、ケースバイケースで考えていくということになるでしょう。経済ニュースでは、日経の電子版にも協力していますから、それをこれからどうしていくかということ。スポーツも生の映像をどう処理して、どういうルートで流していくか、これからの課題ではないでしょうか。できるだけ多くの人に見てもらいたいという気持ちに変わりはありませんが、すべて割り切って考えるわけにはいきません。

<編成関連について>
10月クール第3週終了時(10月4日~10月24日)の視聴率は、GHが6.3%(前年比-0.7ポイント)、PTが6.0%(同-0.5ポイント)、全日2.7%(同-0.4ポイント)です。依然として厳しい状況ではありますが、少し歯止めをかけ、これから前進する構えになってきたかなと思います。
10月編成はだいぶ大幅な改編をしましたが、正直、それが全部うまくいっているというわけではありません。視聴率の構造そのものが厳しい状況になっていることに変わりはないと思います。

動画配信でも触れた『モリのアサガオ』は久しぶりとなるPTのドラマですが、我々としては今の時代に問題提起をしたいという、少し振りかぶったくらいの気持ちで放送している社会派ドラマです。正直、視聴率的にはまだ苦しいですが、それはある意味承知の上です。ご覧になった方は、我々が放送している意図を分かってくれている手ごたえは感じています。
今の死刑制度のあり方については、いろいろな方面で議論が起こっており、昨今、裁判員制度の中で死刑求刑もあったように、タイミングのいい問題提起だった気がします。さらに内容を充実させ、視聴者に幅広く見てもらえるような努力をしたいと思います。

本社ビル1階にオープンした多目的スペース「7スタ」では、テレビ東京『7スタBratch!』と、BSジャパン『MADE IN BS JAPAN』を生放送しています。それぞれの放送時間帯には一般の方も多く訪れるようになりました。
視聴者の方が、テレビ局の番組作りにこうして興味をもっていただき、わざわざ足を運んでくださるということは、局にとって悪いことではありません。対応を十分しながら、もっともっと親しまれるテレビ東京にしていきたいと考えています。11月には、社屋にも入っていただけるようにしたいと思っているのですが、反響が想像以上に大きかったため、混乱が起きないようにしなければなりません。番組も生放送ですから放送事故につながるようなことも避けなければならず、オープンにするという趣旨との兼ね合いを、慎重に考えていきたいと思っています。

<『柔道グランドスラム東京2010』について>
『柔道グランドスラム東京2010』のMCを小泉孝太郎さんにお願いすることにしました。大橋未歩アナウンサーと2人でMCを務めていただきます。スタジオ解説は、吉田秀彦さんと谷本歩実さんです。谷本さんは選手育成に回られるとのこと。そういう観点から、解説をしていただきたいと思っています。
このところ、有力選手の引退等がありましたが、順調に新しい選手も育ち始めています。この『グランドスラム東京2010』は、2012年のロンドン五輪の代表選手選考に大きく影響する大会になりますので、有力選手が競うことになるだろうと期待しています。開催は、12月11日(土)~13(月)で、チケットの一般発売もスタートしています。

<プロ野球日本シリーズについて>
日本シリーズは11月3日(水・祝)の試合を放送します。順調に試合が消化されれば第4戦ですが、第3戦が雨で順延となった場合は、第3戦を放送します。もし、11月3日の試合が雨で順延となった場合、翌日はレギュラー編成を組みます。11月3日に行われる試合について、中継をするということです。
順調に第4戦だったときは、どちらかがパンパンパンと3連勝していれば、胴上げがかかった試合になりますね。ここ数年、それを期待して中継を予定しているのですが、なかなかこちらの思惑通りにはいかないですね。

Q.11月3日が雨天順延になった場合、なぜ翌日に放送しないのか
A.翌日に枠を出すのも難しく、11月3日の放送ということで話し合いがまとまりましたので。
今までは、第何戦かで契約していましたが、今回は、11月3日の放送枠で契約したということです。

Q.地上波の全国中継が行われない試合がありますが
A. BSでのプロ野球視聴は増えていますよね。だから、放送素材としては、依然として有力な素材なんです。ただ、地上波で放送する素材としては、率直なところ、なかなか難しくなってきました。
私が社長就任時から申し上げているように、「キセル視聴」というのは、いつまでも続かないのではないでしょうか。19時から地上波での放送を開始したときに、ほぼ試合の大勢がついてしまったり、反対に、さぁこれからというときに、これで放送を終わります、と言わなければならなかったり。一方で、BSは試合開始から終了まで放送が可能で、視聴者もそれを選択しているという現状があるわけです。
地上波という最大の影響力があるネットワークで放送するためには、お互いに工夫しないと難しい面があると思っています。スポーツの中には、視聴者が見やすくなるために、ルールを変えたケースがいくつかあるわけですよね。私たちが毎年中継している卓球などはそうです。野球は、そう簡単にはいかないでしょう。リーグ戦、クライマックスシリーズ、日本シリーズ、それぞれの性格ごとに、どのメディアで伝えるのが一番いいか考える、あるいは試合時間短縮のために、どういう工夫をするか考える。そういったいろいろなことをやってくれないと。
日本の野球というのは、リトルリーグから高校野球、大学野球、社会人野球、プロ野球と、こんなに層が厚いスポーツはないと思っています。そういう意味では、大事にしたいコンテンツなんですが、残念ながら非常に難しくなっています。工夫をして放送したいと思っていますが、なかなか難しい条件がありますね。

Q.系列局のテレビ愛知が放送する10月30日の第1戦は放送しないのか
A.テレビ愛知から直前に相談はありましたが、テレビ東京としては、11月3日に決まったコンテンツとして考えていましたので、遠慮することにしました。
中日ならテレビ愛知、ソフトバンクならTVQ九州放送、日本ハムならテレビ北海道といったように、それぞれの系列局にとっては非常に強いコンテンツです。放送をしたいそれぞれの局のために、私たちキー局はどういう手助けができるか、編成はいつも考えています。今の野球が、地域に根付いたコンテンツになってきており、そこに放送の形態が伴っていないということでしょう。

Q.横浜ベイスターズ売却問題について
A.その点についてはよく分かりませんが、オーナーとしてうまく利用しているグループもあるわけですから、それぞれの事情での判断だろうと思います。
プロ野球の球団経営が以前に比べて相当厳しくなっているのも事実でしょうし、我々放送局の経営が厳しくなっていることも事実です。それぞれ本拠地のある地方では圧倒的な人気があるわけですから、それはそれなりのいろいろなやり方があると思います。

<営業関連>
単体の営業実績は9月までの累計で、タイムが前年同期比+0.4%、スポットは+3.5%、タイム・スポットの合計で+1.3%でした。第2四半期の業績については11月2日(火)の決算発表で詳細をお伝えします。
上期は、スポットの回復基調に完全に乗れたわけではありませんが、その回復基調に支えられて、予算をクリアしました。タイムのプラスはサッカーワールドカップの特殊要因によるもので、レギュラーベースでいくとマイナスです。
下期については、スポットは地区全体としては、依然順調に来ているようです。ただ、テレビ東京は、タイムの比率が高いため、タイムの落ち込みの影響を強く受けます。各社よりも相当慎重に見ていかなければならないと思っています。
したがって、上期は少し上ぶれしますが、通期予想は厳しめに見ています。スポットが回復基調にあるので、これを取り逃さないためにも番組を強化して視聴率を上げ、総GRPを増やしていかなければなりません。10月改編の効果がこれから出てくることを期待したいところです。

<事業関連>
(井澤昌平 取締役)
フィギュアシーズンのオープニングとして、10月2日(土)に『木下工務店カップ フィギュアスケート JAPAN OPEN2010 3地域対抗戦』と、アイスショー『木下工務店プレゼンツ カーニバル・オン・アイス』を開催しました。
特に夜のアイスショーは、これまでで最高となる約13,000人の動員を記録。『JAPAN OPEN』も約15,000人を動員しました。バンクーバー五輪で活躍した髙橋大輔選手、浅田真央選手らの存在もあり、スケート人気は衰えていないと思います。
この勢いを買って、来年の1月8日からは『スターズ・オン・アイス』というアイスショーを公演します。1月8日(土)・9日(日)に大阪で3公演、1月15日(土)・16日(日)に東京で3公演です。こちらは、バンクーバー五輪の男子金メダリストであるエヴァン・ライサチェック選手や、同女子銅メダリストのジョアニー・ロシェット選手なども加わり、豪華なメンバーが集まります。見どころある公演になると思います。

Q.放送局にとってフィギュアスケートはどんなコンテンツか
A.(島田昌幸社長)
男女とも日本選手が国際的な舞台で活躍していますし、村上佳菜子選手といった新しい選手も出てきて、選手の育成がうまくいっています。見ていて楽しいし、美しいし、非常にいいと思います。スポーツの中でも3Dに適した素材かもしれません。

<その他>
Q.完全地デジ化によって、テレビ離れなどの影響はでると思うか
A.ある意味、テレビ離れはすでに始まっていて、完全地デジ化によって、それが"ある形"をとるのではないでしょうか。以前もお話したと思いますが、家族の団欒を大切にするために「ノーテレビデー」を作った三朝温泉の話は、極めて現在のテレビ界の状況を表していると思います。テレビというのは、家族の団欒の中心にあるものと私は思ってきたので、こういう形でテレビ離れが進んでいることに、とてもショックを受けたわけです。このような傾向があるからこそ、我々は地デジ化を武器として、もう一度お茶の間にテレビを復旧させよう、そうしないと駄目だ、と社内で言ってきたつもりです。
一方で、地デジ化によるテレビの大型化はチャンスです。大型テレビを居間に置く、そこにみんなが集まってきて番組を見て会話をする、そういう意味では、家族の視聴に耐えられる番組を作らないといけない。画面は格段に良くなるのだから、それはチャンスにしないと。その考え方は変わりません。
テレビはメディアの王様だと主張しても、この変化をうまく自分たちで利用できなければ駄目だと思っています。番組を作っている現場とも、問題意識を共有してやっていきたいと思います。
一部では確信的に、テレビを買い換えない、と声を上げている人もいるわけです、残念なことですが、一方で、新しいテレビの視聴者を獲得する、そのための番組作りをしていかなければ、と思っています。
(完全地デジ化でさらに視聴率が下がるといった心配は)していません。そういう影響まで私は考えていません。情報入手手段としてのテレビの有効性は、国内外でいろいろなことが起こっていればいるほど、大事になるだろうと思っていますから。我々が、その基本を忘れなければ、テレビ離れは進まないと思います。
すでにそういう動きが始まっている、と社内で言っているのは、我々が番組作りという基本を忘れると、視聴者からそっぽを向かれる、と伝えるためです。それがひとつの運動(ノーテレビデー)として現れたということですから、少し神経質になって見ていかないと、と思います。

Q.新しいBS放送会社が認定されたが
A.有料のものもあり、直接的な競争相手になるわけではありませんが、視聴時間をそれだけ取られるということは、テレビ東京を見てもらうチャンスがそれだけ少なくなるということ。それがジワジワと我々のビジネス環境を侵食してくるでしょう。
やはり番組固有の力をつけ、この時間にこのチャンネルをどうしても見たいという視聴者を増やしていかなくてはならないと思います。我々にとって、構造的な環境は厳しくなっています。広告収入面だけではなく、メディアが多様化している影響もこれから効いてくるだろうと思います。

Q.BSジャパンのオリジナルコンテンツ比率は
A.徐々に増えています。もともと、1局2波という形でしたが、BS自体がメディアとして認知されていくに従い、固有のメディアとしての魅力をもつ必要が出てきました。そこをホールディングスのスキームの中で強化していくということです。
今までも、テレビ東京が編成上の責任を負ってきましたが、今度は、ひとつのコンテンツをより多く見てもらうためにどういう工夫をするか、BSジャパンという固有のメディアの魅力をどう高めていくか、そのために独自コンテンツをどう作っていくか、それを総合的に考えるということです。
(オリジナルコンテンツと、サイマル・ディレイ放送の)バランスですよね。オリジナルコンテンツは少しずつ増やしていかないと。それは地上波で見たからいいよ、というのではビジネスにもつながりません。一方で、地上波の全国カバー率の低さをBSで補いたいという考え方があって、その考え方はなくなったわけではありません。
もっとメリハリをつけて考えなくてはいけないと思います。例えば、『ワールド・ビジネスサテライト』は、なるべく多くの人に見てもらいたいため、ディレイにして全国で見てもらえる工夫をしました。また、テレビ東京では少し金属疲労を起こした番組をBSで衣替えして、BSコンテンツとして再活用したものもあります。番組ごとにいろいろなやりかたがあるでしょう。
これから、BSはそれぞれコンテンツ競争になるでしょう。受信端末の世帯普及率も相当高くなってきましたし、独自のいいコンテンツを持っていることが大切になってきます。それをホールディングスというスキームの中で、どう作っていくかだと思います。

Q.BSジャパンで先に放送するという方法もあるのでは、
かつて放送していた『女と愛とミステリー』は、BSと共同制作して、BSが先行放送し、後から地上波で放送していました。以前から、どちらが先でもいいじゃないか、お互いに利用し合おうとやってきたわけです。
今度は、ホールディングスという形でより一体化したので、そこを総合的に考えるようにしようということです。いろいろなやり方が可能になるでしょう。ただし、BSも認可を受けている固有のメディアですから、やはり固有の媒体としての機能、責任、そういうものを果たせるだけの条件を持っていなければならないと思います。

≪会見者≫
代表取締役社長 島田 昌幸
常務取締役 編成局、コンテンツ契約局、メディア・アーカイブセンター担当 辻 幹男
常務取締役 経営戦略局、広報局、新規事業推進室担当 三宅 誠一
取締役 コンテンツ事業局、デジタル事業局担当 井澤 昌平
上席執行役員 アニメ局長 兼 営業局担当補佐 田村 明彦
編成局長 多田 暁
広報局長 狐﨑 浩子