定例社長会見2012年1月
<年頭の所感>
去年は、東日本大震災や原発事故を通して、我々メディアの役割が改めて問われた年でした。今年3月には、東北3県の地上デジタル化が完了し、デジタル時代のテレビメディアをどう機能させるか、改めて問われる年になるだろうと思います。テレビのデジタル化は、視聴者にとって分かりにくい面があったと思います。画像が鮮明になるだけではない、デジタル化による変化を、視聴者に伝えていく努力が問われます。
去年の経験を風化させてはなりません。メディアとしてどうフォローしながら、かつ、冷静な議論をしていくか。東北3県の長く険しい復興への道のりに寄り添って番組を作ります。これは日本の復興そのものですから。そういった視野からメディアとして活動し、全国の皆さんにも共有してもらう。それがキー局の責任だろうと思います。
テレビ東京は、2014年に開局50周年を迎えます。さらに次の50年を展望できる局になるため、今年の春までに社内の議論を形あるものにまとめ、いろいろなプロジェクトを始動させたいと思います。
Q.再編などの大きな変化は考えていないのか
A.(外部環境は)いろいろな変化があるでしょうが、私たちはテレビ東京グループの中で、変化に対する備え、対応力をどうつけていくかだと思います。グループ内の連携を強化していくことで、生き残りの道を探ることが、当面の課題でしょう。
<編成関連>
年末年始(12月31日~1月3日)は、GH7.8%(前年比+0.7ポイント)、PT7.2%(同+0.4ポイント)、全日3.9%(同±0.0ポイント)という結果を残すことができました。試行錯誤してきた中で、ひとつの手がかりを得た年末年始だった気がします。
『第44回 年忘れにっぽんの歌』(12月31日放送・視聴率8.0%)が上昇傾向を見せ、『新春カラオケ★バトル8』(1月1日放送)は2ケタ10.1%を記録、"紅白の裏"で放送した『"THE BEST OF BEST"ボクシングWタイトルマッチ』は4.2%と、テレビ東京として手ごたえのある数字を取ることができました。『新春ワイド時代劇 忠臣蔵 ~その義その愛』(1月2日放送・平均6.4%)は期待通りには行きませんでしたが、『池上彰の世界を見に行く』(1月3日放送)が8.8%を獲得。番組編成が非常にうまく行き、また、それぞれの制作現場が持ち味を発揮してくれました。
1月クールは、第3週終了時(1月2日~1月22日)で、GH6.4%(前年比+0.2ポイント)、PT6.0%(同+0.1ポイント)、全日2.8%(同-0.1ポイント)です。テレビ東京を従来から支援してくださる視聴者向けの番組に戻そうと、10月クール以降、ターゲットを絞ってきましたが、その手ごたえが現れています。また最近は『ガイアの夜明け』や『ワールドビジネスサテライト』の視聴率も、少し持ち直してきました。嬉しいことです。このような番組が私たちのテレビ東京の特徴でもありますので、この特徴をさらに伸ばしていきたいと思っています。
3月25日(日)~4月1日(日)には、ドイツのドルトムントで開催される『世界卓球2012』を中継します。テレビ東京は2016年までの放映権を獲得していますが、とりわけ今年は「全日本選手権」で、福原愛選手の初優勝や、高校生の吉村真晴選手の大金星といった話題が続き、期待できる大会になりました。今年は、過去2大会で男女とも銅メダルを獲得している「団体戦」の年。テレビ東京は、ロンドン五輪でも「卓球」(女子団体1回戦・準決勝)を中継しますので、「卓球はテレビ東京で」と言われるよう、盛り上げて行きたいと思います。2014年に開催される「世界卓球」の東京大会に向け、"卓球ニッポン"をスポーツコンテンツの柱として育てていきたいです。
震災関連番組もいくつか予定しています。
3月4日(日)19:54~21:48には、「河北新報のいちばん長い日」をドラマ化した『それでも伝えたい...がれきの中の新聞社 ~河北新報のいちばん長い日~(仮)』を放送します。BSジャパンでは、3月11日(日)の放送です。
さらに、3月6日(火)22:00~23:24には、『ガイアの夜明け 復興への道SP(仮)』を、3月10日(土)12:30~13:23には、ドキュメンタリー『ここから始まる ~冬来たりなば春遠からじ~(仮)』を放送します。
2月には、地上波(テレビ東京)とラジオ(InterFM)の連動特番を予定しています。
InterFMは1996年の開局時から、音楽の祭典「グラミー賞」授賞式の模様を首都圏独占中継していますが、今年は、InterFMでの授賞式中継(2月13日)に先立ち、テレビ東京で連動特番(2月11日)を放送します。地上波傘下にあるFM局という特徴を活かし、この連動特番を仕掛けました。
また、去年の10月クールから、アニメの番組連動型データ放送を順次拡大してきましたが、この1月をもってGH帯すべてのアニメ(6番組)へのデータ放送付与が完了しました。これによって、リアルタイム視聴を増やし、テレビの楽しみ方を変え、まず、子どもたちからそれを実感してもらいたいと思っています。去年から、ゴルフ中継でも連動データ放送を実施しています。デジタル時代のテレビの楽しみ方を、視聴者の意見も伺いながら充実させていきたいと考えています。
Q.震災関連番組全体を通したコンセプトは
A.私たちは、被災地に足場(系列局)を持っているわけではありません。地域の情報を地域に帰すことができない局ですので、今、立ち上がりつつある被災地の表情、意気込み、苦悩を全国の皆さんに知ってもらい、支援の輪をもっともっと固いものにしていただくための番組を作ります。国民の気持ちが風化しないよう、メディアとしてメッセージを伝えていく。復興は長い戦いですから、我々自身が風化してはいけないと思います。
Q.『それでも伝えたい...がれきの中の新聞社』の放送を決めた理由は
A.私は新聞出身ですので、原作(「河北新報のいちばん長い日」)を読んで感動しました。地域に寄り添うジャーナリズムのあり方を通して、被災地の人たちが大震災にどう対応したかを描けると思っています。
<営業関連>
12月が休会だったため、2ヵ月分の営業実績を報告しています。
11月は、タイムが前年同期比-3.0%、スポットは同+2.7%、タイム・スポットの合計で同-1.0%。12月は、タイムが同-3.1%、スポット同+7.6%、合計が同+0.3%と、スポットが順調に回復し、上昇傾向を維持しています。震災の爪痕をカバーできるくらいになってきました。
Q.録画視聴が伸びているが、将来の広告モデルをどう考えるのか
A.今の広告モデルを大事にしながら、少しずつ備えないといけませんね。
録画視聴や携帯端末視聴も含め、時代は大きく変わっており、かつ、テレビの受像機そのものの機能も変わってきています。私たちのビジネスモデルを一体どこに求め、どんな層にどれくらい到達しているのか、そんな尺度があるのかないのか。いろいろなことを考え、私たちなりに提案できるようにしておかないと、生き残れないと思います。
<事業関連・アニメ関連>
(島田昌幸社長)
まず私から、出資映画の受賞ラッシュという嬉しい話題です。
「第66回 毎日映画コンクール」で『モテキ』の森山未來さんが「男優主演賞」、『毎日かあさん』の小泉今日子さんが「女優主演賞」、『蛍火の杜へ』が「アニメーション映画賞」を受賞し、「第54回 ブルーリボン賞」では『モテキ』の長澤まさみさんが「助演女優賞」に輝きました。また「第35回 日本アカデミー賞」でも『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』の 三浦友和さんが「優秀主演男優賞」を、『モテキ』からも長澤まさみさんが「優秀主演女優賞」、麻生久美子さんが「優秀助演女優賞」、岩崎太整さんが「優秀音楽賞」、石田雄介さんが「優秀編集賞」をそれぞれ受賞されました。
去年は番組でも数々の賞をいただきましたが、出資映画の受賞ラッシュも大変有難いことです。おかげさまで『モテキ』は22億円を超える興収となりましたが、この流れを今年も継いで、頑張りたいと思います。
(井澤昌平取締役)
『LOVE まさお君が行く!』を、6月23日(土)から新宿ピカデリー他で全国公開します。
2000年10月から2010年3月までテレビ東京系列で放送されていた『ペット大集合!ポチたま』の人気コーナー「まさお君が行く!!ポチたまペットの旅」を映画化し、芸人 松本君、まさお君のキャラ、旅先でのエピソードをもとに、映画用のオリジナルストーリーを構築しました。実話をもとにしたフィクションです。キャストは、SMAPの香取慎吾さん、広末涼子さんほかにご出演いただきました。
『ペット大集合!ポチたま』は、系列局エリアだけではなく、ローカル局にも番組販売され、全国的な知名度を得た番組です。笑いあり、泣きありの作品に仕上がっており、ファミリー映画として楽しんでいただけると思います。テレビ東京としても、去年の『モテキ』に続き、全社的な横断プロジェクトを結成し、全社を挙げて盛り上げています。
3月10日(土)からは、『おかえり、はやぶさ』を全国で3D/2D同時公開します。「はやぶさ」の実話を題材にした作品は3作あり、公開時期は最後になりますが、こちらの作品は「3D映画」「オリジナルドラマ」というのが特徴です。
(川崎由紀夫局長)
アニメでも、現在、2本の劇場版作品を公開しています。(※興行数字は1月23日現在)
『劇場版イナズマイレブンGO 究極の絆 グリフォン』は、12月23日(金・祝)から3D/2D同時公開し、興行収入が約11億円、動員は約90万人となっています。商品化も含め、マルチ展開している作品で、映画公開後、トレーディングカードゲームの売り上げが、大きく伸びるという現象が起きています。
もう1本は、1月7日(土)から公開しているオリジナル映画『マジック・ツリーハウス』です。原作は、世界で約1億冊を売り上げている児童小説ですが、全世界を通じて初の映画化となりました。興行収入は約3億4000万円、動員約30万人。幼稚園や学校でのクチコミを期待して、この時期に公開しましたが、その効果で非常に人気を博している作品です。3月までのロングランを目指していきたいと思います。
また、去年の4月から放送中の英語教育番組『Hello!毎日かあさん』(月~金 6:40~6:45)から、英語吹き替えのDVDと解説教材のセットが発売になりました。1月20日(金)から全国の書店に並んでおり、価格は1,890円(税込)です。
Q.アニメの海外即日配信の進捗状況は
A.(川崎由紀夫局長)
2009年1月からアメリカのクランチロール社と世界展開をしておりますが、加えて去年12月1日からは、中国の動画配信サイト「土豆」(Tudou)と一緒に、中国で即日配信を始めました。現在7作品を配信しています。きれいな映像で、かつ、日本の放送後すぐに見られるため、中国のリアクションは非常に良いと聞いています。
一方で、中国の他の投稿サイトや広告会社に対する海賊版対策にも乗り出しています。結果、「優酷」(Youku)では『NARUT-ナルト-疾風伝』『BLEACH』などの違法ファイルが削除されました。
<「キッザニア東京」テレビ東京パビリオンのリニューアルについて>
(島田昌幸社長)
「キッザニア東京」で出展しているテレビ東京パビリオン「ピラメキッザニア」を、3月1日(木)からリニューアルすることになりました。出展から2年経ったこともあり、「ここだけの話アンケート」を「だるだるイングリッシュ」にコーナー変更します。
テレビ東京パビリオンは、おかげさまで高い人気を保っているそうです。我々にとっても、子どもたちと直接触れ合ういいチャンスですので、さらに内容を充実させるため、今回のリニューアルとなりました。
<その他>
Q. 3Dテレビについての考えは
A.私たちテレビ東京は「ポケモン騒動」で教訓を得ていますから、3Dも健康上の問題が完全にクリアされない限りは難しいと申し上げ、非常に慎重な立場を取ってきました。健康上の問題はまだクリアできておらず、個人的には、当面は高精細テレビの方向に行くのでは、という気がしています。
Q.ソーシャルメディアについては
A.共存しなければいけない。それが東日本大震災の教訓のひとつだと思っています。ソーシャルメディアをどう取り込み、その力を番組の中でどう活用していくかがテーマです。
日本テレビ『家政婦のミタ』は、「見ておかないと明日の話題に困る」という視聴者の気持ちから、高視聴率を記録したのだと思います。このような番組が久しぶりに生まれたことで、テレビにはまだ可能性がある、と示していただいた。私たちにとっても、非常に嬉しい出来事でした。やはりテレビは、そういうものを巻き起こすことができます。
ソーシャルメディアとうまく共存することで、こうした番組を作っていくことを、もっともっと考えていいと思います。番組制作の現場は、私以上にいろいろなことを考えているでしょうから、その成果をどこかで出してほしいです。
≪会見者≫
代表取締役社長 島田 昌幸
常務取締役 コンテンツ契約局、編成局、メディア・アーカイブセンター、制作局、ドラマ制作室担当
辻 幹男
常務取締役 経営戦略局、広報局、新規事業推進室担当 三宅 誠一
取締役 コンテンツビジネス局、事業局、ビジネス管理部担当 井澤 昌平
編成局長 井上 康
アニメ局長 川崎 由紀夫
広報局長 狐﨑 浩子
広報局次長兼広報・IR部長 澤田 寛人