定例社長会見2009年5月
<2008年度決算・経営機構の変更について>
2008年度決算は、連結で初めての最終赤字、単体でも33年ぶりの最終赤字となりました。昨年度の出だしは、それまでの中期計画を見直して厳しめにスタートしたつもりでしたが、実体経済の落ち込みが想定以上にひどく、こういう結果になったということです。
去年11月に業績予想を修正しましたが、結果的に下期は、社員の相当な協力で経費を削減することができ、また営業も悪いなりに頑張り、想定をやや上回りました。しかし、有価証券評価損の特別損失計上や繰延税金資産の取り崩しを行ったことで、最終的には赤字決算という結果となりました。こういう状況の中で、いかに番組を強くして、テレビ局としての基礎体力を保ち、次へつなげていくかということを考えてきたつもりですが、それでも経済環境の悪さに追いまくられた一年でした。
2009年度はスタートから、テレビ業界をとりまく環境は昨年度より厳しいという前提で予算を組みました。アメリカ経済も日本経済もやや底打ち感が出てきたとはいえ、立ち直るにはまだ時間がかかるし、それが現れてくるまでさらに時間がかかるでしょう。何とかして今年を底にして次のステップにつなげたいと思っています。タイム・スポットとも昨年度を下回る予算です。それでも耐えられる体制を作っていこうということで、新年度が動き始めたところです。
経営体制についてですが、当社の売上規模からして、もともと取締役17名というのは多いな、という印象がありました。経営体制をもう少しスリム化し、また、こういう厳しい環境を受けて、より機動的な経営の意思決定をすることが必要でした。環境の変化が非常に激しく、スピードも速いので、それに負けないスピードを身につける必要がある。そのため、取締役の数を減らすことにしました。一方で、執行責任者に関してはきちっと処遇していく必要があります。監督と執行の責任の分離を図り、それを両方相まって実現したいということで執行役員制度を取り入れることにしました。経営体制をスリム化することで、より意思決定のスピードを上げたい。そのために、こういう制度を導入したということです。
<営業関連>
4月の営業実績はタイムが前年同期比-13.2%、スポットが前年同期比-14.2%、タイム・スポットの合計が-13.5%で、前年度2ケタ減となりました。
低い水準で設定した予算はクリアしましたが、やはり厳しい実態は変わらず、あまり喜んではいられません。第1四半期で予算を達成し、下期に向けて少しずつ足場を固めていけば見通しはつくのでは、と思っています。
<編成関連>
ゴールデンウィークに放送した「世界卓球2009」は、PT7試合平均5.8%と視聴率的には正直厳しい結果でしたが、いろいろな話題を提供できたのではないかと思っています。
視聴率が苦戦したのは、ゴールデンウィーク中の開催ということが影響しているのかもしれません。しかし、会場は相当な盛り上がりを見せ、イベントそのものは成功裏に終わったと思っていますので、そのお手伝いができたということの充足感があります。さらに今年は、石川佳純、松平健太といった次代を担うスターが誕生し、さらに、水谷隼・岸川聖也ペアは、銅メダルを獲得しました。そういう意味で中味的には成果があり、卓球というスポーツが非常にハードなスポーツで、スピード感があるということを改めて伝え、感動を呼ぶことができたのではないかと思っています。
テレビ東京としても、7名の女性アナウンサーが「ピンポン7」と称して、懸命に番組宣伝に努めましたし、「AKB48卓球部」も盛り上げてくれました。全社的に取り組むという成果も挙げられたと思います。卓球については辛抱強く長く取り組みを続け、この面白さを伝えていきたいと思っています。
4月クール(第8週・5月24日まで)の視聴率は、ゴールデンタイムが7.1%(前年比-0.6ポイント)、プライムタイムが6.7%(同-0.6ポイント)、全日3.2%(同-0.3ポイント)で、依然として苦戦しています。
4月クールでいくつか新番組を立ち上げましたが、「ルビコンの決断」は、まだ知名度がないということで、少し時間をかけながら内容を充実させつつ、定着させていきたいと思っています。「決着!歴史ミステリー」はなかなか厳しい状態が続いていますが、「たけしのニッポンのミカタ!」は非常に滑り出しが好調で安定した視聴率を獲得。従来のテレビ東京が得意とはしていなかったM2、F2に浸透しているという点で、期待をしています。
全体的に苦戦している要因の一つに、テレビ東京の得意とするM3、F3層が、BS・CSでのプロ野球視聴に流れていることがあるのかもしれません。特番の数を減らしているということも、全体的な視聴率に響いているのかな、という気もします。番組評価の大きな指標である視聴率の獲得は狙っていきますが、もう一方で、昨今、視聴率以外での番組評価という動きが出てきているようです。そういった意味でも番組の力をつけ、企業人にも訴えられるテレビ東京の番組を作りたい。放送ビジネスとして、新しい枠組みを作りたい。そんなふうに思っています。
今年のプロ野球中継は、2試合となりました。6月2日(火)「ロッテ-巨人」と、6月13日(土)「ソフトバンク-巨人」です。中継数は大幅に減りましたが、地上波での野球コンテンツというものを、もう少し長い目で見つめていきたいと思っています。
なお、6月2日には球団のご好意によって、デジタル7チャンネルと背番号7・西岡剛選手とのコラボレーションが実現しました。試合当日、バックスクリーンに西岡選手による「7チャンPRオリジナル映像」を映し出しますので、中継もデジタル7も盛り上げられれば、と思っています。
7月クールの番組については、放送時間を13時に繰り下げ、視聴率的にも手ごたえを感じ始めている「Lドラ」が、沖縄を舞台にしたドラマ「かりゆし先生 ちばる!(仮)」になります。主演は国分佐智子さん、MAXが約11年ぶりに連ドラの主題歌を努めます。
ドラマ24は、「怨み屋本舗REBOOT(仮)」が、3年ぶりに帰ってきます。
また、6月24日・25日には、2夜連続スペシャルドラマ「命のバトン~最高の人生の終わり方」を放送します。主演は小林稔侍さん。"人が生きる"ということの意味を改めて考えるスペシャルドラマです。
Q.「優良放送番組推進会議」の発足について
A.これまで2度の調査結果「報道番組部門」「ドキュメンタリー番組部門」で、それぞれテレビ東京の番組を1位、2位に評価していただいたことは、非常に有難いことだと思います。視聴率を軽視しているわけではありませんが、今、いろいろな見方が、視聴者の中にもスポンサー企業の中にもあるということだと思います。その一つ一つに丁寧に答える努力を番組作りの中でしていかなければなりません。
Q.新たなビジネスモデルのイメージとは
A.個々の番組がビジネスとして成立しているかということを、もう少し丁寧に考えていこう、ということです。高視聴率を取ることは、会社の基礎体力を作るということになりますが、番組が赤字では不満足でしょう。それだけの評判を得る番組であれば、ビジネスが成り立つような仕組みを作っていかなければなりません。
マルチユースという点から考えれば、番組を作り、放送して、評判が上がることで、次のビジネスの力になるというトータルプランが必要ではないでしょうか。4月クールからアニメ枠を増やしたのは、アニメの視聴者層に対してビジネスが成立すれば、それ自体放送局の体力をつけることになるのでは、と考えたからです。平日22・23時台の番組も、対象となる視聴者にきちっと届いているということを我々もスポンサーも実感できれば成立するのではないでしょうか。そういうことを、少し大事にしてもいいのでは、と考えています。
<事業関連>
(石川常務)
5月16日から松竹系で公開された「60歳のラブレター」ですが、公開1週目の動員が20万人、興行収入2億2,000万円、先週末を入れると動員26万人、興収2億8,000万円という成績で、狙い通りの非常に堅調な数字で推移しています。"60歳"という年齢を題材に盛り込んだ熟年ターゲットの映画でも、団塊の世代にプロモーションが届けば、かなりの動員ができるということだと思います。特に週末だけではなく、ウィークデーにも強いという傾向が出ており、今後、ムーブオーバーにも期待している状況です。ただ、エンタメ業界全体としては、新型インフルエンザの影響がどう広がっていくのか、という点が心配されています。
6月6日(土)からは、役所広司初監督作品「ガマの油」が公開されます。日本を代表する映画俳優・役所さんが、52歳にして初めてメガホンを取るということで、現在、パブリシティが盛り上がっているところです。特にテレビ東京では「ガイアの夜明け」の案内役を長年務めており、この番組の中で3回に渡って役所監督本人によるPRを行い、また、5月30日の「ミューズの晩餐」にもゲスト出演する予定です。52歳という年齢は、人間としての円熟味が増してくる良い年代だという気がします。番組でも非常にお世話になっているだけではなく、昨年の「パコと魔法の絵本」のヒットで貢献していただいた方でもありますので、テレビ東京として盛り上げていきたいと思っています。
<地デジ普及について>
1月調査の普及率が49.1%と低すぎたので心配していたのですが、3月調査で60.7%となり、やっと普及が進んできたなという感じです。ただ、想定からするとまだちょっと低い気がします。エコポイントにより、テレビの売れ行きが相当促進されているようなので、普及は急速に進みつつあるのかもしれません。私たちとしては、2011年の7月にどうしても完全デジタル化を成し遂げなければならないので、いろいろな形で地デジの普及を訴えていきたいと思います。
テレビ東京は2月に地デジのキャペーンを担当しましたので、そのキャンペーンが相当普及の促進剤になったという手ごたえは感じています。この7月も、地デジとデジタル7チャンネルのPRをあわせて行う予定で、去年発足した社内横断キャンペーンチームが、いろいろな試みについて検討しているところです。新聞のテレビ欄も、日経と朝日はデジタル順に変更していただきました。ここで一気に普及を目指したいところです。
(広報・IR部まとめ)
会見者: 代表取締役社長 島田 昌幸
常務取締役 コンテンツ事業局、デジタル事業推進局、コンテンツ管理センター担当 石川 博
常務取締役 編成局、制作局、報道局、スポーツ局 兼 BS業務推進本部本部長補佐 藤延 直道
常務取締役 経営戦略局、関連企業統括室、コンプライアンス統括室担当 兼 ネットワーク局長 深沢 健二
取締役経営戦略局長 三宅 誠一
編成局長 武田 康孝