定例社長会見2009年9月
<鳩山新政権について>
鳩山内閣の支持率が一斉に出揃いました。ほぼ70%台と非常に高い支持率は、新政権への期待の表れだと思います。政権移行して以降、鳩山首相をはじめ、それぞれの大臣が、きちっと発言したり行動したりされていて、変化の風が吹くのかな、と良い期待感が膨らんでいるのではないでしょうか。政権交代というのはこういうことなんだと、私を含め国民の皆さんが実感しつつある状況だと思います。
放送行政については、原口大臣が慎重な物の言い方をされていて、安定感を感じます。何より地上デジタル放送への移行については、何が何でも2011年の7月に移行するということをきっぱり言っていただいた。非常に心強いと思います。
民主党が「INDEX2009」で述べてきたことは、これから具体的な議論に向かっていくのだと思います。我々も真摯に対応していきたいと思いますし、新大臣がいろいろな放送行政について、表現の自由ということを基本に置いて物を言っておられるということに、非常に好感を持っています。
これからどのように放送・通信のあり方を考えていくのか。これまでも総合的法体系については、民放界としていろいろ意見を申し上げてきましたが、基本線が変わっているわけではありません。我々が意見を言う場があれば、改めて言わせていただきたいと思います。
<選挙報道について>
視聴率的には残念ながら期待通りにいきませんでした。正直なところ負けたと感じているのですが、テレビ東京が今、選挙報道をやるとしたらこういう形、というものは、提示できたのではないかと思っています。そういう反応もいくつかいただいています。「優良放送番組推進会議」で比較的好感を持って迎えられたというのも、そのような他局と違う番組作りをしたということが理由でしょう。
しかし、いい番組を作ったからといっても、やはり視聴者の支持を得なければなりません。今、編成、報道で引き続き総括をして、次の選挙報道をどうしていくかという検討を進めています。これからも選挙のたびに、日本の針路を左右する大きなテーマが出てくるわけですから、そのときにどういう報道をしていくかという点で、私としては大きな一歩だったと思います。反省すべき点は反省しながら次の一歩を進めたいと思います。
Q.「優良放送番組推進会議」の評価について
A.やはり今は、視聴率をベースにビジネスモデルが成り立っているので、あのような番組の見方は、我々にとって心強い手がかりを与えてくれています。いかに多くの人に見ていただけるか、それを提供してくれるスポンサー企業の手助けができる番組になっているかどうか、それが大事ですので、あのような評価をいただきつつ、それが広く届くように考えていかなくてはなりません。放送界にもある種、ひとつの変化の兆しがあるのかなという気がします。
Q.番組の質を重視したスポンサーが増えているという声を聞くが
A.声は聞きます。とはいえ、まだ実際には効率を重視しなければなりませんから、やはり視聴率を取れる番組も作らなければなりません。『ワールド・ビジネスサテライト』は、ビジネスマンに企業イメージを定着させるという意味で、それなりの支持を得ているということですので、企業の皆さんは、何を伝えるかによって使い分けを始めたということではないかと思います。テレビ局のビジネスの基本は、まだやっぱり視聴率です。企業トップの皆さんの意識の中で、少しずつ質を意識されるようになってきているというのは、それは一方で、どこも似たり寄ったりの番組だという批判と相まって、自分たちがどういう番組を提供するかということを、トップ自身が真剣に考えるようになったという始まりなのではないでしょうか。いただいた評価については、それはそれでひとつの手がかりですから、従来通りのビジネスをきちっとやりつつ、新しい基準に対応できるような番組を作っていかなければならないと思っています。
<地デジ推進・デジタル7chキャンペーン総括>
7月は、民放連の「地デジ推進キャンペーン」の担当月ということと、またテレビ東京の「デジタル7チャンネル」強化月間ということで、地デジ推進とデジタル7の両方のPRをさせていただきました。
「地デジ推進」についていえば、前回担当した2月に続き、15分以上のすべての番組に地デジ推進のテロップを表示したり、計41の番組で地デジ推進を絡めた企画内容を展開したり、様々な告知をしました。その甲斐あって、デジタル放送に移行することの認知度は、もう99%くらいまで行っているということです(テレビ東京独自調査)。PR活動が順調に行っているんだろうと思います。草彅剛さんも戻ってきて、出演する地デジCMも本日から流れるようになりました。一層の推進に役立ってくれるだろうと思います。
実際の地デジ対応は、まだやっぱり一部で遅れているようです。特に首都圏では、共同住宅の対応が相当遅れているということで、これはどうにかして対応していただきたい。そのために、番組を通してどう力を尽くしていくか、それが大きな課題になると思います。もうちょっとピッチを上げないといけない、という気がしています。
「デジタル7chキャンペーン」については、8月に調査(テレビ東京独自調査)をした結果、7チャンネルの認知度が44.9%となり、前回3月の調査と比べて6.1ポイント上昇しました。とはいえ、過半数に達していないわけですから、7チャンネルのPRは引き続き強力に進めていかなければなりません。完全移行まで、あと2年を切りました。これから様々な局面でデジタル7の認知を高めていきたいと思っているところです。
<編成関連>
7月クールの視聴率(7月クール11週まで)は、依然として苦戦をしています。ゴールデンタイムが7.2%(前年比-0.7ポイント)、プライムタイムが6.8%(同-0.7ポイント)、全日3.2%(同-0.3ポイント)と、3部門とも前年を下回る状態が続いています。
HUTが低下しているという状況もありますが、テレビ東京として、新しい番組が必ずしも期待通りに行っていないということもあります。従来から当社のブランドを担ってきた番組が、若干の金属疲労を起こしているということもあります。その点については、もう少し手を入れていかなければなりません。
しかし、一部の番組では手ごたえも感じています。『出没!アド街ック天国』は、しっかりした視聴率を弾き出していますし、4月からスタートした『たけしのニッポンのミカタ!』は、金曜22時という時間帯で7%台をキープする健闘をみせています。従来にない新しい視聴者をとらえる番組として、着実に根を張り始めており、期待が持てるなと思っています。
『やりすぎコージー』については、「都市伝説」が高視聴率を獲得しています。テレビ東京が従来苦手としていた視聴者層をどう取り込んでいくか、番組と連動したいろいろな仕掛けをどう組み合わせていくか、もう少し模索をしたいと思っているところです。
また、ここに来てアニメの視聴率が少し上昇してきました。子供向けバラエティ『ピラメキーノ』も、比較的好調です。放送100回記念で「ピラメキたいそう」を私も踊りましたが、「ピラメキたいそう」は、けっこう流行っているそうですね。こうして、実りつつある番組もいろいろありますから、全体としては悲観ばかりしなくてもいいと考えています。このような手がかりを10月からの新しい番組にどう活かしていくかということを、前向きに考えたいなと思っているところです。
10月編成は、この試行錯誤の成果を番組として出すため、改編のテーマを「テレ東の原点回帰」としました。これは折に触れて言ってきた、我々のDNAをもう一回見直そうということの表れで、ゴールデンでは企画を重視した新番組を2本スタートさせます。ひとつは『ザ・逆流リサーチャーズ』(月・20:00)、もうひとつは『空から日本を見てみよう』(木・19:58)。いずれも特番で手ごたえを感じていますし、他にはないテイストの番組なので、自信を持って視聴者の皆さんにお届けしたいと思います。月曜に放送していた『和風総本家』は、木曜の21時に枠移行します。
金曜24:12からの「ドラマ24」は、番組スタート第一弾としてお送りした『嬢王』を、新たな作品『嬢王Virgin』として放送。アニメも新作を投入します。
また土日の『neo sports』は放送時間が繰り上がり、民放で一番早いスポーツニュースになります。ご期待いただきたいと思います。
Q."テレ東の原点"とは
A.知恵を出して汗を流して番組を作る、ということです。テレビの番組とは、何を伝えるかということ。バラエティ、ドラマ、ニュースなどの中で何を伝えるかということです。伝え手の意思がしっかりしたものを作りたいという願いがありますし、結局それがテレビ東京らしさということだと思っています。パッと見ただけではどこの局の番組か分からない、そんな番組ではなく、チャンネルを見なくても、これはテレビ東京の番組だと分かる番組を作りたい。しっかりしたメッセージが送れる番組を作りたいということです。そのためには、やはり人一倍努力をする、汗をかく、アイディアを出すということだろうと思います。
Q.経済番組については
A.『ワールド・ビジネスサテライト』を始めて21年ですから、ほぼ原点ですよね。ここからいろいろな番組に波及をしました。今年は『ルビコンの決断』をスタートさせましたし、去年は『田勢康弘の週刊ニュース新書』を始めました。これらの番組をどういうふうに定着させるかが重要です。
確かに視聴率的には苦労している面はありますが、ある意味、局のブランドを形成しているという面もあります。そのことを好感してくださるスポンサーも視聴者もいるということであれば、このような番組をどう成功させるかです。ここは、経営としても大事な要素だと思います。
<営業関連>
7月の営業実績は、タイムが前年同期比-13.6%、スポットが-11.4%、タイム・スポットの合計が-12.9%です。8月も、全体としてほぼこのような傾向です。
厳しく見た予算設定をしていましたし、第1四半期は予算をクリアしました。しかし、前年比でみると相当に厳しい状態が続いており、実態は相当厳しいということです。飲料、食品、不動産、自動車、情報、電気、金融、なかなか去年の水準を回復できません。家電もエコポイント効果でずいぶん売れているそうですが、CM出稿的にはまだまだ厳しいものがあります。新政権が景気対策をどのようにしっかりやっていただけるか、それによって、徐々に上向いてくるかどうかということではないかと思います。
<事業関連>
(辻取締役)
夏のアニメ映画の興行成績の報告から。
『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール「アルセウス 超克の時空へ」』は、今年で12作目となりますが、直近のデータで動員が440万人、興行収入は45億2400万円というところまで来ています。12作中6番目の成績ということです。440万人の動員を加え、12作累計の動員数は5000万人を突破、累計動員で5241万人となりました。
『劇場版NARUTO-ナルト-疾風伝「火の意志を継ぐ者」』の直近の数字は、動員90万9000人、興行収入は9億9400万円、これは6作中5番目の興行収入ですが、まずまずの成績だと思います。
10月3日(土)に、さいたまスーパーアリーナで行われる『木下工務店カップ フィギュアスケートJAPAN OPEN 2009 3地域対抗戦』については、北米チームの出場選手に一部変更がありましたのでお知らせします。エヴァン・ライサチェク選手がスケジュール変更により不出場、代わりに現全米チャンピオンのジェレミー・アボット選手が出場します。女子では、長州未来選手から出場辞退の申し入れがあり、代わりにベアトリサ・リャン選手が出場することになりました。
今年の大会は、バンクーバー五輪を控えたシーズンの開幕戦と位置づけられており、それぞれの選手が、フリーで勝負プログラムをいち早く演技する点に注目です。
また、同日夜に行われるアイスショーの特別協賛スポンサーが決定し、『かぶちゃん農園 presents Carnival on Ice 2009』という公演名になりました。こちらのアイスショーには、バンクーバー五輪へ向けた注目の日本人選手が、ほとんどフルメンバー出演します。怪我から復帰したばかりの髙橋大輔選手をはじめ、安藤美姫選手、織田信成選手の追加出演が決まり、浅田真央選手、中野友加里選手、小塚崇彦選手とあわせて、五輪代表の有力候補がすべてそろう形の豪華メンバーになりました。
また、2010年2月13日(土)・14日(日)に行う 開局45周年記念イベント『ARENA DI VERONA & PLÁCIDO DOMINGO IN TOKYO 2010』の見どころを、二つお伝えします。
まず、日本の国内では楽曲のみを歌うコンサートをオペラ・ガラと呼んでいますが、今回はそれぞれのオペラ「オテッロ」「シラノ・ド・ベルジュラック」「カルメン」の、それぞれ4幕目を演じきる、本当の意味でのオペラ・ガラとなります。これはあまり国内では例がないと聞いています。
もうひとつは、セットの背景をCGの映像を使ったものにするということです。これはヨーロッパで注目されている演出方法だということで、1日目の「ガラ ドミンゴ」には、今年7月にイタリアのヴェローナで上演された、CGの映像を背景に使った形をそのまま持ってきます。2日目の「アイーダ」は、今回の映像演出を使った上演は、世界で初ということになります。
<その他の質問>
Q.アニメ局設立から半年経ったが
A.『毎日かあさん』などは、ここに来て視聴率も上向いておりますが、それは番組の良さがだんだん定着してきたからだと思っています。番組作りのいろいろな工夫が功を奏したのかもしれません。アニメ局を作ったことによる成果は、むしろこの10月クールから試されると思います。来年1月からは「アニメノチカラ」というプロジェクトが気鋭のクリエイターと組み、原作のない作品を放送します。こういうところで試される。これからだと思っています。
(広報・IR部まとめ)
会見者: 代表取締役社長 島田 昌幸
常務取締役 編成局、制作局、ドラマ制作室、報道局、スポーツ局担当 兼 BS業務推進本部長補佐 藤延 直道
取締役 コンテンツ事業局、デジタル事業推進局、アニメ局、コンテンツ管理センター担当 辻 幹男
上席執行役員 経営戦略局長 兼 関連企業統括室長 三宅 誠一
編成局長 多田 暁