勝村コラム
2018年8月11日(土) ブレイン・ミル
昔、メキシカンプロレス、ルチャリブレの英雄に、ミル・マスカラスという覆面レスラーがいた。名曲、スカイハイのテーマソングで登場して、まさにスカイハイそのままに空を飛ぶように戦っていた。余談だが、僕が芝居を始めた頃、新宿に高級な喫茶店、カフェ・ラ・ミルがあった。
コーヒー一杯千円近かった。オシャレで夢のような喫茶店だった。ミル。千という意味だ。千の顔を持つ男、ミル・マスカラス今回のブレインは、一秒間に、千コマの映像を作り出した男だった。
ブレイン・ミル。
とにかく誰もやっていない事を目指す、冒険する研究者だった。昔、村上龍さんが、もう新しいものはできない、これからは、組み合わせによってしか新しいものはできない。というようなことをおっしゃっていた。細かいことはごめんなさいね。
今で言う、ハイブリッド。20年以上前に、龍さんはハイブリッドを断言していた。すごいなぁ。
ブレイン・ミルは、組み合わせでは新しいものは生まれないと断言していた。すでにあるものとあるものとを組み合わせても、あるものにしかならないと。すごいなぁ。
なるほど、研究者目線ではそうなのでしょう。村上龍さんは、文学的な目線でおっしゃっていたのでしょう。科学と文学の真逆ハイブリッド。面白すぎる。人間には限界がある。システムには限界はないのだろうか?
ブレイン・ミルの作ったシステムを、人間とハイブリッドさせたら、人類はどうなるのだろう?
システムが進化を続けると、無人の物がどんどん増える。人類のために作られるものは、人類を必要としなくなるのか?
人類による、人類のための人類のシステム。なんか、昔、どこかの大統領が、人類のために残した言葉が頭をよぎる。人民のための政治は150年くらい経って、人民に何をもたらしたのだろう?
良かれと思ったことが、悲劇を生むのは物語の定石である。以前にも書いた。良かれと思ったことが喜劇を生む。これも定石である。命あるものは、産まれた瞬間に、死という時限爆弾のスイッチが入る。システムも、新しいものが産まれた瞬間に時限爆弾のスイッチが入るのだろうか?
影に潜んでいるものを白日の下に晒すのが科学なら、影に潜んでいるものを影のままに焦点を当てるのが文学なのかも知れない。全然違かも知れませんが。笑。
谷崎潤一郎の名作、陰翳礼讃。アメリカの文化が、影をなくした。明るく楽しい、陰りのない生活。影だらけの国の虚と実。高度成長時代、日本人のほとんどが憧れた。結果、八百万の神を、精霊の居場所を、豊かな世の中と引き換えに、ほとんどなくしてしまった。
すべては人類のしあわせのために。誰にもジャッジできない。しあわせは、個人で違うから。しあわせも、ふしあわせも、千ほどある。そして心は、千々に乱れる。ブレイン・ミルの冒険は、どこまで行くのか?
夢はどこまでも広がる。人類は、永遠の自由としあわせに向かって、夢をミル生き物なのだから。
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