勝村コラム
2019年5月 2日(木) 勝村コラム 番外編「松本山雅観戦記②」
ホテルから車で20分くらいだったろうか?途中で山雅のユニフォームを着て運転しているサポーターの後ろについた。少し混んでいた。その車は突然細い田んぼ道を曲がった。ついてってみるか?賭けに出た。その車をマンマークすることにした。
訳のわからない田んぼ道を進んでいくサポーターカー。大正解だった。
地元のコアな人しか通らない、田んぼ道をぐんぐん進んでいく。途中からグーグルマップにして、さらに近道を進んだ。周りは田んぼだけ。
スタジアムどこだよ?
何もないですねぇ?
あれがそうじゃないですか?
田んぼの奥の方に、うっすらと輝くスタジアムが見えてきた。おお!周りには何もない。驚いた。周りには何もないのだ。駐車場の入り口。若い守衛さんが、ええと、お名前は?
勝村です。
はい?
勝村です。
はつむらさん?
いえ、かぁつぅむぅらぁです。
はつむらさんね。ええ?と。
名前の書いてある予約票みたいのを見ている。
ええ?と。
勝村です。
あつむらさんね。ええ?と。
あの、反町監督に直接頼んであるんですが、、、
ええ!監督に!ええ?と、、、
勝村です。
あれぇ?
あのね、反町監督に直接頼んで、取っていただいているのよ。
そうなんですか。ええ?と。
名前見つからないの?
はい。
あのさ、ほら見て。
携帯を出して見せた。このライン!反町って書いてあって、駐車場の地図も送られてるでしょ!ここに止めてくれって。
へぇ?
あのね。名前書いてあるはずだから!間違いなく!
ええ?と。
勝村!監督に電話して聞いてもいいよ。
はぁ?
おりの顔見たことない?
はぁ。まぁ、よくわからないんですが、何か手違いがあったか。俺がポンコツなのかのどちらかでしょうねぇ?
絶対に名前あるから。怪しいもんじゃないから!
はいはい。わかりました。ようやく入れてもらえた。おりもまだまだがんばらねば。笑っ。
修行が足りませんなぁ。
関係者入り口に入ると、素敵なスタジアムの女性たちが、あ!いらっしゃいませ。ありがとうございます。と挨拶してくださって、チケットを渡してくれた。泣。よかった。ここでも「ええ?と」って言われたらどうしようと思ってたから。
サッカー専用の、素晴らしい雰囲気のスタジアムだった。すでに客席は満杯!サポーターの歌がスタジアムに響きわたっている。東京の仲間に松本山雅観戦に来たぞ!ってラインを送っていたら、東京の後輩から、今日は解説、宮澤ミシェルさんですよ!と返信が来た。
まぢか!
宮澤ミシェルもおりと同じ年のレジェンド。仲良しだ。勝手にブースに乗り込んだ。途中、警備の人に止められそうになったが、カツムラを止めるな!とばかりに笑顔で強引に、宮澤ミシェルの友達の勝村ですと言ったら、通してくれた。笑っ
突然の訪問にミシェルも喜んでくれて、夜、スタッフと飯食うんだけど、終わったら合流しようと言ってくれた。おお。反も終わったら会おうって言ってくれてるから、同級生で飲もうよ。って言ったら
ちょっと待ってくれよ勝っちゃん!あいつ俺にはそんなこと一度も言ったことねぇぞ!って笑ってた。
そりゃそうだろ!試合前の監督が、解説者に、試合終わったら飯行こうぜぇ!なんて浮かれて言うわけないだろ。笑っ
そりゃそうだわな。笑っ。ほな、後で連絡するわ。
おけ。
ミシェルとも久しぶりだったので、しあわせな気持ちになって一旦別れた。エレベーターを降りて、客席に向かおうとした瞬間、目の前に金子達仁さん。うそでしょ?
これはこれは。こんなとこで。笑っ。先日はありがとうございました。なんて挨拶を交わした。おりは、つい先日、久しぶりに金子さんと玉乃淳くんと飲んだばかりだった。
金子さんとも終わってから合流しようと約束して、一旦別れた。
おりのテンションもマックスだ!
席に行く前にまず売店に行った。番組でも紹介させていただきました、緑色の山雅ビールを頼んだ。松本の夜はまだまだ寒く、ビールを飲む気温ではなかったが、頼まずにはいられない。緑色の不思議なビールは、スタジアムにぴったりだった。
なんと席は前から二列目。山雅のベンチの上の方で、ここでもサポーターが熱く歌っている。ジョージ、勝村、米原の並び。山雅の応援に来たのだが、逆サイドには、イニエスタ、ビジャ、サンペールがいる。ついつい、イニエスタを見てしまう。
以前、番組でアウディカップを観戦しに、バイエルンミュンヘンのアリアンツアレーナに行った時に、練習場も見学できた。
ちょうど、バイエルンとバルセロナの練習が始まる時だった。おりたちの真横を、ペップや、バルセロナの選手が通って行った。泣きそうになりながら、いろんな選手と握手したり、写真を撮ってもらった。
それ以来のイニエスタ。
握手した時の、握力の強さが、右手に蘇る。一人当時を思い出し興奮していると、ジョージが、兄貴兄貴とおりを現実に戻す。選手の練習を観ながら、ジョージの後ろのサポーターのおじいさんは、興奮してジョージの席を何度も蹴っているらしい。笑っ
兄貴、なんとかなりませんかね?
我慢しろよ。笑っ
今度は米原が、兄貴兄貴と話しかける。米原の横の女性サポーターは、30センチはあろうかという、大きく長いレンズのついたカメラをパチパチ撮りながら、大声で歌っている。米原の顔面の前を、大きく長いレンズがぶつからんばかりに通過している。笑っ
兄貴、なんとかなりませんかね?
我慢しろよ。笑っ
二人は早速、熱いサポーターの洗礼を浴びている。笑っ
真ん中のおりは、何ごともなく、余裕で選手のアップを観ていた。試合が始まっても、山雅サポーターは歌い続け、叫び続ける。いいスタジアムに熱狂的なサポーター。
その応援に煽られ、ホームチームは先制し、追加点を挙げて答える。ハーフタイム少し前にトイレに行く。
おっさんはトイレが近い。
米原がずっと電話している。米原の帝京高校の同級生で、長野でサッカーの指導者をやっている仲間や、明治大学の同級生で、長野でサッカーの指導者やっている仲間が、何人もスタジアムに来ていて、米原に会いに来てくれている。
懐かしそうに、嬉しそうに、旧交を温めている。サッカーの上手い人たちは、様々なレベルでサッカーに関わっている。みんなおりにも挨拶をしてくれた。なんか、うれしくておりの胸が熱くなってくる。
後半が始まった。
ビジャが怪我で戦列を離れる。イニエスタは練習中と同じように、試合中も、ため息が出るようなトラップを連発している。イニエスタのトラップを観るだけで、松本まで来てよかったと思ってしまうほどだ。
桁違い。
山雅も粘り強く戦い続け、見事に勝利を収めた。スタジアムは大興奮。道が混む前にスタジアムを離れようとエレベーターに乗ったら、三浦あっちゃんがいた。
よお!今日はありがとう!
って挨拶したら、目を合わそうともせず、小さな声ですみませんとだけ言って、それ以上は何も言わない。負けたチームとは、こういうことなのだ。ヘラヘラ、挨拶などできないのだ。プロとは、そういうことなのだ。車でホテルに戻った。スタジアムの周りは真っ暗の田んぼ道。ハイビームにした瞬間、車の前を5、6人が歩いていた。
肉眼では全く見えなかった。笑っ
おりたちは、都会に慣れてしまっている。失礼な言い方だが、娯楽の少ない松本には、山雅の試合は本当に一大娯楽。大イベントなのだ。
海外のサッカーと同じなのだ。
だから、熱狂的なサポーターが育ち、自分たちのチームという愛が芽生え、誇りという感覚が芽生え、チームとサポーターが成長していく。今日勝利した山雅のサポーターは、次節まで最高の幸せに包まれる。
そしてまた次節、最高の幸せを求めにスタジアムに足を運ぶ。そして、勝とうが負けようが、引き分けようが、必ずこの町のチームを応援せずにはいられないのだ。
松本山雅は、自分たちの分身なのだ。山雅のサポーターの素晴らしさが少しわかったような気がして、うれしくなった。
ホテルに着いた。ホテルの従業員の方に、どんなお店がオススメか聞いてみた。従業員の方の名前は、ナポリさんというアメリカ人だった。うそでしょ?笑っ
ホテルの側に美味しいお店がありますよ。と、ナポリさんに教えていただいたが、敢えて松本駅の側の方が、みんな集まりやすいかなと勝手に考えて、タクシーで松本駅の繁華街に向かった。
実は、山雅行きが決まった時に、村井チェアマンに連絡したのだった。チェアマン。6日に松本山雅観に行ってします。と。村井チェアマンは、すぐに松本のおススメのお店を教えてくれた。
おススメの山雅サポーターが集まるお店を見つけたが、さすがにそこはと思って、その目の前の店に入った。
何故かそこは、神戸サポーターがいた。笑っ
美味しい料理を食べながら、3人でゲラゲラ笑っている時も、何故か、神戸サポーターが入ってくる。笑っ
なんだろ?この店は?笑っ
とりあえず、金子達仁さんに電話いれた。留守電だった。メッセージ入れといた。小一時間ほどしたら、反町監督から連絡がきた。11時に宿に迎えに行きます。慌ててホテルに戻ることにした。
そしてなんと、店出た瞬間に、ほかのスタッフと飯を食べにきた、三浦あっちゃんが目の前にいた。こんな偶然あるのか!
ここでもあっちゃんは暗かった。小さな声で、また連絡しますと言って、そのままいなくなった。厳しい世界だ。ホテルに着いた。まだ少し時間があったので、部屋に戻るのもなんだから、近くの店で一杯飲みながら待つことにした。
よさげな店がいくつかあったが、適当に選んで入って、飲み始めた。
監督から電話がきた。今どこですか?
ホテルの近くの居酒屋で飲んでます。
ええ!お店予約しちゃってるんだよね。
ええ!すぐにでますよ。近くに来たらもう一回電話ください。
いや、もうホテルよすぐそばです。
あらま、迎えに行きます。
ホテルの前で合流した。監督の声はガラガラだった。サポーターの大声援で、監督の声はまったく聞こえなかったから、反町監督は、冷静に指示を出しているのかと思っていたが、大間違いだった。声が枯れるほど、叫び続けていたのだ。
何処の店に入ったの?
そこ。すぐに出るから。
ええ?いや、予約したのその店なんだよ。笑っ。ここ美味しいのよ。嗅覚あるねぇ。笑っ
まぢか!笑っ
山雅のスタッフが後から来て、五人で飲み始めた。後から来たスタッフは、なんと明大サッカー部OB。米原とジョージの後輩だった。笑っ
こんな偶然あるのか?笑っ
初めましてと挨拶している。笑っ
大変だったが、素晴らしい勝利のおかげで、明るく楽しい飲み会になった。しばらくして、宮澤ミシェルが参戦。同級生が集まった。楽しくて楽しくて、ずっと笑っていた。
反とフリューゲルス時代の仲間で、やはり同級生で、韮崎の中田英寿くんの先輩の小林慎二の話になって、反に、実は慎二の息子と、おりの娘が小学校からの同級生なんだよ。慎二も、息子も別々にうちに泊まりに来てるんだよ。笑っ
ほんとかよ!
またみんなで笑って盛り上がる。
慎二に、今、反とミシェルと松本で飲んでるってラインしたら、犬と慎二のツーショット写真が送られてきた。
相当なアップの。笑っ
何考えてんだ?あいつ。笑っ
同級生がさらに盛り上がる。横では明大OBの3人が盛り上がってる。ベトナムのナショナルチームの監督だった、三浦俊也の話になった。
俊也も同級生。笑っ
あいつ今何してんだ?
実は、俊也もおりのうちに遊びに来てんだよ。笑っ。最近までベトナムのクラブチームの監督だったけど、帰ってきてるよ。って説明して、俊也に電話した。笑っ
みんなに電話かわって、懐かしそうに同級生が繋がって行く。調子に乗ったおりたちは、翌日に朝から練習があると反から聞いたので、おお、観に行くよ。なんかさ、おりたちも球蹴らせて。練習混ぜて。
と、酔いに任せて言い放った。反も、簡単にあぁ、いいよ。と言ってくれた。
そんなこんなで、楽しい宴は終わりの時を迎えた。じゃあまた。それぞれ別れた。おりたちは、川の字になってる布団に倒れるように寝た。
昼に寝た時にジョージは、二人とも信じられないくらいすぐにいびきかき始めて、うるさくてうるさく眠れませんでしたよ。と怒っていた。
そのジョージが、布団に入った瞬間にいびきをかき始めた。笑っ
8時くらいに目覚めた。まず、風呂に入ることにした。一人だけ宿泊客がいたが、すぐに出て行ったので、貸し切りになった。
朝湯。サイコー。和食のビュッフェに行き、まず、カレーを食べた。なんでやねん!
めちゃくちゃ美味しい野沢菜やら、納豆やら、新鮮な卵やら、どれも美味しくいただいた。
部屋に戻ると、金子達仁さんから連絡がきた。すみません。タクシーに携帯忘れてえらいことになってました。またよろしくお願いします。
旅慣れた人なのに。笑っ
連絡来なかった理由がわかった。笑っ
すでに10時近くになっている。すでに練習は始まっている。チェックアウトを済ませて、ナポリさんを探したが、朝はいなかった。ナポリさんという名のアメリカ人。シュールだ。丁寧でいい人だった。
練習場は、ホテルから20分かからないくらいのところ。ここも、周りには何もない。元々は池があった場所だそうだ。けっこうなサポーターが、練習を見学している。
昨日試合に出た選手は、軽く調整して、それ以外の選手が、熱く練習していた。となりの人工芝のグランドでは、高校生くらいの学生たちが試合をしていた。しばらく練習を観ていた。
失礼だが、有名な選手はほとんどいない。本当によく頑張っている。昨日の神戸戦。イニエスタ一人の年収で、この場所も選手も含めた、全てが簡単に買えてしまうだろう。
神戸は勝たなくてはならない。山雅も勝たなくてはならない。
同じことだが、まるで違う。同じJ1のチームである。知将・反町監督の手腕と、選手たちの奮闘、そして、サポーターの後押し。この三つがロータリーエンジンのように効率よく回り続けている。
松本山雅の底力を感じた。
そして、練習も終わりかけ、昨日の明治の後輩君が挨拶に来てくれて、もう少しで練習終わりますから、着替えをお持ちします。と言いに来てくれたのだ。おりたちのために、コーチとスタッフが、ミニゲームを一緒にやってくれるのだ。
もちろん、反町監督も。
練習を終えた選手が、キレイに整列して待っているサポーターに、サインしたり、言葉を交わしたりしている。
いい景色である。
おりたちは山雅の練習着に着替えた。スパイクまで貸していただいて、コーチ、スタッフと混ざって、遊びのミニゲームを始めた。残っていたサポーターが、近くに来て、珍しそうに見学を始める。スタッフやコーチは、猛者だらけ。きついミニゲームになったが、しあわせなきつさだ。取材を終えた反町監督も参加した。
7分を4回。きついきつい。ミニゲームを終えて、みんなで握手して別れた。
反町監督が、近くの日帰り温泉に連絡してくれた。車で少し走って、3人で温泉に入り、身体を洗った。温泉を出て、近くのお店でビールを買って、スタッフたちに届けた。
さてと、どうしよか?
ナポリさんという名のアメリカ人に、美味しいお蕎麦屋さんの場所も聞いていた。そこは日曜日は14時に閉まると言っていた。閉店20分前。ちょうど間に合わない。せっかくだから蕎麦を食べたい。車を止めて歩く。
昨夜タクシーの運転手さんが教えてくれた、観光スポットに行くことにした。昔ながらの佇まいの店が並ぶ。なぜかカエル関連のグッズばかり売っていた。あとは古物商。
なんでだろ?
よくわからないが、鯛焼きを食べてる人がたくさんいたので、おりたちも鯛焼きを買って食べることにした。米原はどうしても松本城に行きたいと言っている。
松本城のそばで蕎麦を食べることにした。松本城の入り口にあるお店に入った。米原はビール飲みましょうと言う。
仕方なく、生ビールを頼んだ。おりは、ご飯の時とかお酒は飲まない。もりそばの大盛りを三つ頼んだ。観光地の蕎麦屋さんの盛りは少ないと踏んで、敢えて大盛りにしたのだ。
生ビールが来た。切り干し大根みたいなお通しが出てきた。もりそばも出てきた。かなりの量だった。泣
完全に読み違えた。おりは56才になろうとする、食の細いおじいさんだ。だが、残すわけにはいかない。しかも、鯛焼き食べてる。死ぬ気で食べた。
生ビールは、米原に半分飲んでもらった。苦しくて苦しくて仕方なかったが、56才になるフードファイターは、命をかけて頑張った。
完食。
自分で、自分を褒めてあげたい。店員のおばさまがお茶を運んでくれるついでに、あのぉ?、芸能人の方ですよね?と聞いてきた。
あ、はい。
あのぉ?、サインとかしていただけますか?
あぁ、もちろんです。
ありがとうございます。
色紙を持って来てくれたので、サインを書いた。お愛想しようとしたら、あの?、サインのお礼に、これ、召し上がってください。と言って、わさびがのった、ざる豆腐が出てきた。
クラっときた。
米原が、ドリンク感覚で飲むと思えば行けるんじゃないすかね?と言った。一口食べた。濃厚で、ずっしりとした、美味しいお豆腐だった。ドリンクではなかった。お腹がいっぱいでなければ、どれだけしあわせか。
なんとか食べ終えた。
すると、あの?、これもどうぞ。と、どんぶりに入ったすいとんみたいな食べ物を持って来てくれた。
3人の目は点になった。残すわけにはいかないからな。米もジョージも涙目でうなずいてる。美味しい。たが、無理だ。しかし、残すわけにはいかない。負けられない戦いがここにもある。
死ぬ思いで食べた。すべて。3人は泣きながら完食した。お会計の時に、店主が、ありがとうございました。いや、テレビとは違って、、、
これもよく言われる言葉なのだ。テレビよりもいい男ですねぇ?。わははは。みたいな。
店主は続ける。
テレビとは違って、ヒゲが白いんですね~。
ばかやろ!ほめてねえよ!白ヤギさんじゃねえよ!心の中で店主に突っ込みを入れた。
美味しいお店でした。そしていよいよ松本城。入場料は、なぜか米原が積極的に払ってくれた。まるで松本城の城主のように。
天守閣は、20分待ちになります。と書いてあった。とりあえず城の近くに行った。桜が綺麗だ。ジョージは、米さん、天守閣いかなくてもいいんじゃないですか?外から眺めるだけで。
なんでだよ。
だって、自分たちのペースで見たいでしょ?並んで見るのはめんどくさいすよ。ばか、城に来たら、天守閣見ないと。やめましょうよ。なんてもめてたら、城にすぐ着いた。
50人くらい並んでいる。もめながらも、行列の最後尾に並んだ。そして、3人は嬉しそうに写真まで撮っている。
松本城の天守閣に登るのは二回目だ。以前来た時は、屋根の修理をしていた。平日だったので、ガラガラで、貸し切りみたいな状態だったから、城主になった気分を味わうことができた。
お城の中は、階段が急なので、登るのに時間がかかり、すぐに停滞してしまうことがわかった。天守閣の上から下を見ると、すでに行列はなくなっていた。おりたちの時が最高に混んでいたのだ。なんだそれ!
まぁ、より観光気分が出たから、逆によかったのかも。
さてと。
次の予定は、喫茶山雅に行くのだが、ネットで調べたら、2時から5時まで休みとなっていた。参ったなぁ。5時までどしよ?とりあえず散歩しますか?
泊まっていたホテルがすぐだったので、その辺りをぶらつくことにした。通りに書いてある地図を見つけて場所を確認した。ナポリさんに聞いた美味しい蕎麦屋を見つけ、行ってみようよってことになり、向かった。
ジョージが、喫茶山雅も調べればよかったじゃないですか?という。その通りだった。そりゃそうだな。まぁ、まだ開店まで時間あるから、いいじゃん。
ホテルの横の道を入った。ジョージが、また、あれ?っという。ジョージは周りがよく見えている。あそこ、喫茶山雅じゃないですか?ほら。やってますよ。普通に開店してる。
ネット情報で、予定を決めていたおりたちに、衝撃が走った。うそでしょ?
時間潰さなくてよかったんじゃん!
なんて言ってたら、喫茶山雅の目の前が、ナポリさんという名のアメリカ人が紹介してくれた佐々木という蕎麦屋さんだった。こちらは情報通り、昼で閉まっていた。もちろんお腹ははち切れんばかりだから、場所だけ確認しといた。
次はここにこようと約束した。そして、喫茶山雅へ。
目の前が広いスペースで、外でも楽しめる。秋田豊ちゃんがパフォーマンスしてた、ヘディングと卓球が一つになった、ヘディポンがある。笑っ。誰もやっていなかったが、なんか笑えた。
ヘディポン。
喫茶山雅は、2015年にチーム発足50年の記念事業の一環として復活したそうだ。チームのグッズを売っていたり、とてもいい雰囲気の店だった。そしてまた、コーヒー代金をかけた、負けられない戦いが始まる。
公式グッズに、エンブレムの入ったけん玉があったので、けん玉の先に入らなかった奴がコーヒー代金を払うゲームにした。
一人目ジョージ。見事に一発で入れた。
二人目米原。ポストを叩いて外す。
三人目勝村。緊張感の中、見事に決める。
米原が支払っている間に、喫茶山雅のマークの入ったコーヒーカップとソーサーをお土産に買った。素晴らしい時間は、終わりの時を迎えた。いよいよ松本ともお別れである。
高速に乗った。みんな無口だ。
松本山雅の観戦旅行の余韻に浸っている。ジョージは運転している。気がつくと米原が眠っていた。
こら!
バックミラーで気づいたジョージが、窓を開けた。冷たい空気を入れて、米原を起こす作戦に出たのだ。笑っ
知将、ジョージ。米さん、何寝てんすか?次に寝たら降りてもらいますよ!何言ってんだよ!寝てないよ。考え事してたんだよ!
相変わらずもめている。
帰りは談合坂まで、サービスエリアに入らなかった。談合坂サービスエリアで、まずトイレを済ませて、お土産を買い、普通に車に戻った。お祭り気分は終わっている。
ジョージが運転しながら、兄貴、次はいつ行きましょうか?と聞いてきた。前回は大宮に観戦に行った。明治OBで、蕨の先輩である、佐々木則夫先輩さんにお世話になったのだ。
せっかくだから、大宮の観戦記もそのうち書くか。このロードムービーのような観戦旅行は、日本全国どこでも行ける。
この観戦旅行には、どうやら続きがありそうだ。だが、どんな観戦旅行にも、おりの横にはジョージがいる。頼もしいジョージ。ジョージは、介護のつもりらしい。どっちにしろ、ジョージは頼もしい。
年号が変わろうと、平成の観戦ドンキホーテは、令和の観戦ドンキホーテとなり、日本全国を旅してまわる。
そして、ちみたちは、この長くて長くてしょうもない、観戦旅行コラムを、また読むことになる。
ざまあまろ。
勝村コラム 番外編「松本山雅観戦記①」はこちら
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しあわせな地獄【後編】
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しあわせな地獄【前編】
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勝村コラム 番外編「松本山雅観戦記②」
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