勝村コラム

2019年4月24日(水) 勝村コラム 番外編「松本山雅観戦記①」

突然ヒマな時間が出来た。

久しぶりのゆるいゆるいスケジュールだった。何にも考えなくていい。しあわせな時間。台詞を覚えなくてもいい時間は本当にしあわせだ。

だらしなく過ごすという、計画を立てた。

ダラダラしてたら、後輩が「兄貴、松本山雅観に行きましょう」と連絡がきた。

随分前から、松本山雅観に行きたいと言い続けてきたからだ。後輩は三浦あっちゃんとも仲が良く、松本山雅がホームで神戸と対戦するので、あつさんがチケット取ってくれました。

行っちゃいましょう。ってことになった。

松本山雅の監督は「知将」反町康治。おりと同い年の英雄の一人。選手でももちろん、監督として、新潟、湘南を率いて、松本山雅では、なんと就任8年目になったそうだ。反町監督と数年前に会った時に、必ず観に行きますよと言ってはいたが、なかなか松本に行くのは大変である。

様々な困難は、様々な偶然で、軽やかに乗り越えて行ける。

19時キックオフだったので、こりゃ泊まってしまえってことにもなった。20年くらい一緒にサッカーやってきている、FCトリプレッタというクラブチームを主催している、米原隆幸も参戦することになった。

連絡くれた後輩は、米原の明治大学サッカー部の後輩でもある、ジョージくん。おさるのジョージではない。ジョージのお母さんは、明治大学サッカー部の寮母さん。

佐々木則夫さん、木村和司さん、小林慎二などなどのレジェンドたちも、学生時代にジョージのお母さんの作ったご飯を食べている。

かくして、そんなサッカー愛に溢れたおっさん3人の、修学旅行のような観戦旅行が決まった。チケットは、三浦あっちゃんに取ってもらった。

車で行動するので、ジョージから「兄貴、駐車場なんとかなりませんか?反町さんに連絡してください」

有能な営業マンでもあるジョージは、交渉に寄り道はない。

「わ、わかったよ。久しぶりに反に連絡してみるわ」

断られたらどうしよう?

そんな不安が頭の片隅をかすめた。おりは普段偉そうにしているが、メンタルは弱い。恐る恐る、反町監督に連絡した。

「ご無沙汰してます。土曜日の神戸線を観に行きます。チケットは三浦あつに取ってもらったのですが、駐車場とか取れたりしますか?無理なお願いですが、初めての山雅観戦で不慣れなもので。パンダが頭下げてるスタンプを押した。あ、勝村です。笑っ」

見返してみると、サイテーで、媚びてるのを気づかれないように、誤魔化してる雰囲気が見え見えで、しかも神戸戦を神戸線と、漢字も間違えて送っている。

不安がそのまま文章に現れている。おりは普段偉そうにしているが、メンタルは弱い。しばらくして、知将から返信が来た。

もちろんですよ。OKです。

と。丁寧な返信があり、駐車場の場所の地図まで送られてきた。さすが知将。完璧。よかった。すこく安心した。そして急にドキドキしてきた。ようやく、あの山雅の試合を松本のホームで観戦出来る。


思えば長野と松本のクラシコの映画を番組で紹介させていただき、両チームのことを、歴史を知った。

松本山雅。

喫茶「山雅」の店主が山好きで優雅にと合わせた店名だそうだ。1965年にチームが発足。おりより二つも後輩。オリンピックの翌年に作られた地方のチームが、日本のプロリーグの最高峰J1にまで上り詰めた。すごいことである。

長野県選抜の選手たちのチームのたまり場だったのが、喫茶店の山雅だったそうだ。山好きの店主は、まさか自分の作った喫茶店の名前を冠したサッカーチームが、日本のプロリーグの最高峰のJ1にまで登るとは、想像もしていなかったのではないだろうか。

2009年の天皇杯で浦和レッズに勝利し、地域リーグが初めてJ1のチームを破ってその名を残し、夭折したレジェンド、松田直樹くんが入団して、山雅は全国区になった。

試合当日の土曜日、キックオフは19時。

11時に米原が家に来た。ジョージの車で出かけることになっている。

あれ?ジョージと一緒じゃなかったの?

え?いや、兄貴んちに集合でしょ?

うん。でも一緒に来るもんだとばっかり思ってたけど。しばらくしてジョージが来た。

あら?米さん何やってんすか!米さんの事務所に迎えに行くって言ったじゃないですか?

え?だって11時に兄貴んちって。

その前に米さんの事務所に迎えに行ってから、一緒に兄貴んちに行くって!

まぁいいじゃないの。これから出かけるんだから揉めなくて。仲良くいこーぜよ。

バタバタのもめもめである。ジョージが、米さん最初に運転してくださいよと言うと、なんでだよ!お前が運転しろよ!いいじゃないですか!ここまで運転きたんだし、帰りは俺が運転しますから、行きは運転してってくださいよ!わかったよ!

この明治の先輩後輩どもは!バタバタのもめもめ。

米原は、帝京高校で10番を背負った天才である。同期には市船からフジタ、ベルマーレなどで活躍したレジェンド、野口幸司君や、ご存知秋田豊ちゃんなど。

野口幸司君と米原は、子供の頃から日の丸を背負うと言われていたそうで、野口幸司君はそのまま成長した。J1で、一試合5得点という記録は未だに破られていない。

米原は、明治大学に進学するも膝の怪我で、選手生命を断たれたが、指導者として、Jリーガーも育てている。日本中が期待している、FC東京の久保建英くんは、米原の元教え子でもある。そんなサッカーを愛し過ぎている兄弟のような、おっさん3人のデコボコ旅が始まった。

中央高速に乗った。

ジョージが、ユーミンの曲を流し始めた。中央フリーウェイ。ベタベタな昭和のおっさん。三人で歌を口ずさみ始めた。ベタベタな昭和のおっさん。

どこで休もうか?

出発したばかりで、もう休むことを考えている。とりあえず、最初の大きなサービスエリアで止まってなんか買おうってことになり、談合坂に入った。家を出て、それほど経っていないのに、三人は黙ってトイレへ。

おっさんはトイレが近い。

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飯も食べよかってことになり、松本では蕎麦を食べないとね。って話していたのに、ラーメンが美味しそうなので、三人でいきなりラーメンを食べる。何やってんだか?昭和のおっさんたち。食後にジョージが言った。

やっぱりこーゆーとこでは、ソフトクリームを食べるべきじゃないですか?

そうかな?まぁ、そうか。

買いましょう。兄貴ジャンケンしましょ。
兄貴ジャンケンとは、とんねるずの番組でやってた、ジャンケンで勝った者が、すべて支払うという、恐ろしいゲームだ。一発でジョージが勝った。

大爆笑。

ジョージ兄貴は、桃の味が食べたかったのだが、売店のお姉さんに一番人気を聞いたら、生乳ソフトクリームが人気ですと言われ、三つ頼んだ。

ジョージ兄貴が支払った。

不機嫌なジョージ兄貴は、これじゃないんだよなぁ〜食べたかったのは。やっぱ桃のソフトクリームにすればよかったなぁ〜と、愚痴っている。

それでもサービスエリアが楽しかったので、おっさんたちは、大きなサービスエリアでは全部止まって休もう。と、笑顔で頷きあった。サービスエリアは本当に楽しい。車に戻り、ユーミンをかけた。そして、双葉のサービスエリアで止まった。

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三人はまずトイレへ。おっさんはトイレが近い。なんか買おうかと言うと。ジョージが、桃のソフトクリーム食べましょうよ!さっきのは納得できなかったから。兄貴ジャンケンしましょうよ。と不機嫌が続いている。

おりも米原も、もうソフトクリームは食べたくないと言うと、不機嫌なジョージは一人で桃のソフトクリームを買った。

そして出発するも、諏訪湖サービスエリアで止まる。そして同じことを繰り返す。

なんか、地元の有名人の絵の描いてある看板で、顔がくり抜かれてて、そっから顔だして写真撮る奴あるでしょ。笑っ

あれを全部写真に撮った。そして4時間くらいかけて、ようやくホテルにたどり着いた。チェックインして部屋に入った。大きな和室が一つ、中くらいの和室が一つ、小さな和室が一つ、洗面台が二つ。ここに三人で泊まる。

すぐに大浴場へ。貸し切り状態。泳いだり、お湯かけあったり、ただの子供だ。湯上りにビールを飲む。ここだけ大人だ。ジョージは運転があるから飲めない。部屋に戻り、爆睡する。

体調を整えて、山雅のホームスタジアム、サンプロ・アルウィンへ。・・・


つづく


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