放送番組審議会委員(2020年1月~)

【委員長】木村惠司(三菱地所株式会社 特別顧問)

【副委員長】篠原弘道(日本電信電話株式会社取締役会長)

【委員】 荻野アンナ(慶應義塾大学教授) 草野滿代(フリーアナウンサー)国分太一(タレント) 島本理生(小説家) 杉山愛(スポーツコメンテーター) 芹川洋一(日本経済新聞社 論説フェロー)野木亜紀子(脚本家)吉野弦太(弁護士)〔五十音順〕


第453回放送番組審議会報告 1月15日(金)13:00~ (ZOOMによるオンライン開催)

一般業務報告、特別番組編成、視聴者対応報告(11月・12月)

審議の主な内容

新春ドラマスペシャル『人生最高の贈りもの』
(2021年1月4日放送)合評

【委員】涙なしには見られない番組だった。去年は他局の人気ドラマで顔芸というのが非常に話題になったが、今回はバラエティ的な顔芸ではなく、本当に人の気持ちをストレートに表現していて感動した。この重いテーマを新春で取り上げた意図を聞きたい。

【委員】非常に感動的な映画を見た気分。感動的でよいドラマであったが、掴みが弱かった印象。テレビは受動型のメディアでその特性、性格を考えると1月4日の午後8時からは重すぎないか。また、病気で人を泣かせようとする魂胆が見えて、それでいいのかと指摘したい。

【委員】このドラマは人が死ぬことで涙を誘うドラマではなく、父と娘の気持ちの交換が泣けるドラマだった。今の時代だからこそ、悔いのない毎日をというポジティブなメッセージを与えるドラマだった。タイトルが非常にありふれすぎていて、もっと他にいいタイトルはなかったのだろうか。

【委員】父とのギクシャクした関係を何とかか取り戻したいという娘の気持ちや、料理を通してわだかまりが少しずつ取れていく様子が上手に描かれていた。特に寺尾聰さんの演技がとても味わい深くて素晴らしかった。お正月に家族のあり方を考えさせられるいい時間をもらった。

【委員】懐かしい王道のホームドラマという印象。病気を扱ったものでありながらそこが見せ場ではないところがとても良かった。シリアスなテーマだが、全体がゆっくりとしたペースで、あたたかい気持ちで見られた。娘が父親と夫に敬語で話している場面が随所にあり、少し違和感があった。

【委員】映画のような質感で、映像に出てくる街並みがどこか懐かしく、目に優しい風景になっていて非常に良かった。BGMだけでの演出がところどころにあり、どれも温かく感じられた。娘と父親の距離がどんどん近づいていくのが、台詞ではないところでわかったのも楽しかった。

【委員】寺尾さんの沈黙の演技というのが絶妙だった。これは大人のメルヘンなのだろうが演技はリアリズムだった。がんの描き方はもう少し説得力のあるやり方があるのではないか、父親が料理を完璧にこなしているのにイモが剥けないなど、メルヘンとリアリズムのせめぎ合いなのだろう。

【委員】冒頭で寺尾さんが「言葉の余韻とか含みが大切」「少ない言葉に奥行きがある」などと言っているが、作り手の思いを台詞などを通してエクスプリシットに伝えるのではなく、映像を通してインプリシットに伝えているので、いろいろな受け止め方ができる作品になっているのでは。

【委員】親と子の関係をどういう方向で構築していけばいいのかを、この家庭ドラマの中で、視聴者に多少とも提示したのでは。また、日常生活のありがたみや家族の大切さを再認識するということが一番の大きな要素だと思う。そういった意味で非常に尊い良い作品だった。

【局】作品内容はわかった上で、良質な作品を家族、親子で落ちついた時間に見てもらおうと考え、この放送日時とした。病気の描写のリアリティについて、あえてぼかすことでファンタジー性を出そうと考えた。映像は全てカメラを固定したことにより落ち着きが出たのではないかと思う。

出席者

【委員】木村委員長、篠原副委員長、荻野委員、国分委員、島本委員、杉山委員、芹川委員、野木委員、吉野委員

【局】小孫会長、石川社長、松本常務、加藤取締役、髙野総合編成局長、野口報道局長、髙瀬制作局長、松下スポーツ局長、田淵制作局統括プロデューサー、川口番審事務局長

次回合評番組

『日本全国ドラレコ旅』
2021年1月28日(木)放送

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