放送番組審議会委員(2018年9月~)

【委員長】 木村惠司(三菱地所株式会社 特別顧問)

【委員】 荻野アンナ(慶應義塾大学教授、小説家) 金子成人(脚本家) 北原照久(株式会社トーイズ 代表取締役) 城戸真亜子(洋画家) 坂井利郎(日本テニス協会常務理事) 篠原弘道(日本電信電話株式会社取締役会長) 芹川洋一(日本経済新聞社 論説フェロー) 萬田久子(女優) 矢田次男(弁護士) 〔五十音順〕


第432回放送番組審議会報告 2018年11月9日(金)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(10月)

審議の主な内容

『ドラマBiz ハラスメントゲーム』
(2018年10月15日放送)合評

【委員】このドラマは現代版の時代劇だ。お家騒動があり、下々の騒動があるが、その2つを繋ぐのが「ハラスメント」というテーマであり、それを江戸町奉行が解決するかのようだ。しかし、勧善懲悪の予定調和ゆえに意外性がない。想定外の切り口から入ればさらに良くなって行くと思う。

【委員】定番としての良さがあり、視聴者も小気味よく感じていると思う。唐沢寿明さん演じるキャラクターは度が過ぎると漫画のようになってしまうと思うが、うまい按配になっており、深刻で重々しくなりそうなドラマを軽さのあるものにしている。癖のある悪役も緊張感を醸し出している。

【委員】ハラスメントは加害者側にはあまりその意識がなく、今日では本当に重要なテーマとなっている中、経済ニュースなどを扱うテレビ東京がこの問題に挑戦したのは大したものだ。しかし、タイトルに「ゲーム」という語があることで、ハラスメントの深刻さが伝わらないのではないか。

【委員】主人公の秋津が心で相手と向き合い、「人間力」でハラスメント事案を解決に導く姿が大変痛快だ。また唐沢寿明さんのユーモアで笑いもあり、台詞の1つ1つが心に響く。この手のドラマにありがちの家庭のシーンが邪魔にならずにむしろ活きており、全体を軽やかにしている。

【委員】タイトルに入るまでの物語の展開が秀逸。特に最後のシーンで主人公の秋津が不祥事のあった店の店長に「頑張れと言っても良いかな」と言い、不祥事を起こした主任にも「が・ん・ば・れ・よ」と背中越しに口パクで声をかけ、そこでコブクロの音楽が流れて来るところが大変感動的だった。

【委員】スポーツ界では選手を試合に送り出す際の「頑張れ」という言葉は緊張の極限にいる選手をほぐすためのものであり、時には尻を叩き、女性でも背中を叩いたりするが、難しい時代になったものだ。そうした中、主人公の秋津がドラマの最後で言う「頑張れよ」には大変重みがあった。

【委員】1話ごとに完結する物語と社内の権力闘争という大きな流れの2つの楽しみがある。唐沢寿明さんのコミカルさと情熱の混じり具合、石野真子さんの演技も非常に良い。ハラスメントは境界がはっきりしない部分が多々あり、その難しさも含めてドラマで世の中に伝えてほしい。

【委員】ハラスメントについて画面に出る説明の文字のレイアウトが素敵なように、細部にも非常に配慮が行き届いている。ただ、勧善懲悪のスタイルからするとモヤモヤする部分もあり、職場で同じような目に遭っている会社員が夜10時にそうした追体験をするのを果たして好むだろうか。

【委員】いかにも正義が勝つというようなスッキリするドラマであり、月曜日夜に相応しい。唐沢寿明さんのシリアスさとコミカルさのバランスと切り替えが絶妙だ。広瀬アリスさんたちとのコンビネーションも非常に良い。「クズ中のクズ」という台詞が流行語になることを期待する。

【委員】夜10時に自分がその日に会社で経験したようなことをまた見たいと思うだろうか。今の世は何でもハラスメントになってしまうが、物事は全てが白か黒かで分けられるはずもなく、間のグレーの部分もあるということを伝えるべく、テレビ局として是非問題提起を続けてほしい。

【局】タイトルにはハラスメントというものが勝者と敗者、白黒が一瞬にしてひっくり返るゲームのようであるとの思いを込めた。時代劇のようだとのご指摘を受けたが、まさにそれが我々の狙いであり、大岡裁きならぬ「秋津裁き」をいかに爽快なものにするかがドラマの肝だと考え制作している。

出席者

【委員】木村委員長、篠原委員、荻野委員、金子委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、矢田委員、萬田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、近藤常務、井上取締役、長田編成局長、加藤制作局長、草野スポーツ局長、田淵制作局ドラマ制作部統括プロデューサー、大岡番審事務局長

次回合評番組

『土曜スペシャル
はじめて東京行ってみたら?
~3大秘境&離島から自分の夢を叶える
 ために本人が頑張る旅SP~』
2018年12月15日(土)放送

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