放送番組審議会委員

【委員長】篠原弘道(日本電信電話株式会社 相談役)

【委員】荻野アンナ(慶應義塾大学 名誉教授) 草野満代(フリーアナウンサー)島本理生(小説家) 杉山愛(スポーツコメンテーター) 野木亜紀子(脚本家)藤井彰夫(日本経済新聞社 専務執行役員論説委員長)夜久敏和(株式会社三井住友銀行 上席顧問) 吉野弦太(弁護士)〔五十音順〕


第482回放送番組審議会報告 11月17日(金)13:00~
テレビ東京 役員会議室
(対面・Zoomによるオンライン開催)

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(10月)、旧ジャニーズ事務所問題について

審議の主な内容

『ドラマ8 ハイエナ』初回スペシャル
(2023年10月20日放送)合評

【委員】駆け引きもあり、非常にテンポもあって映像も美しかったが、今回も過去を時系列で遡る形で謎解きがされるティピカルな手法がとられており、少々陳腐な印象を拭えなかった。法廷も以前のドラマと同じような気がしたし、大手事務所と小さい事務所の対立設定も似ていて残念だった。

【委員】キャスティングも各々の個性が十分に発揮され、オリジナル版を知る者から見ても成功していると思う。力のあるこうした脚本の作品はリメイクできるのならどんどんトライしてほしいが、金曜8時のドラマ枠に定着していた高齢層は少々置いてきぼりにされた感を抱いたのではないか。

【委員】最初は退屈な恋愛ドラマに見えたが、中盤からテンポが出て最後にどんでん返しがあり、続きが見たくなった。1時間10分も冗長にならないよい設定だが、無理のある場面が多くリアリティがなさ過ぎて、入り込めない感じもした。番組出演者がCMにも露出するのは少々いやらしい。

【委員】筋立ては面白いが、盗んだものを法廷での証拠に使うなど、ディテールで少々不自然に感じるところも多く、突っ込みどころは多々あった。最後のどんでん返しは興味深く今後の展開を期待したいが、篠原涼子さん演じる主人公の負った傷が何なのかを初回でも少し見せてほしかった。

【委員】テンポが悪い。オリジナル版のよい部分を単純化したうえに、昔からよく見る「ベタ」な構図に変えてしまっていて退屈だ。リメイクの場合、オリジナル版の何が面白かったのかをしっかりと考えないといけない。あまりにも認知度が低い放送枠なので宣伝などの仕掛けを考えるべきだ。

【委員】少々不自然なカオス感があった。韓国ドラマ特有の女性の強さやハチャメチャ感をそのまま日本人で表現すると違和感を抱く。最後に女性弁護士の幼少期のトラウマシーンが短く入ったのは唐突で、「児童虐待」をエンターテインメントとして安易に消費してしまっている危険を感じた。

【委員】前半は悲恋ものに見えたが、次第にテンポが上がり、意外な展開もあって楽しめた。前半で違和感や過剰さを覚えた部分が後半でうまく回収されていた。演歌のこぶしをきかせた感じの独特の間があるカメラワークもよかった。連続ドラマでこれだけ次が気になる作品は個人的に珍しい。

【委員】ストーリーはよいが、全体的に非常にステレオタイプに感じた。初めて会った人間と趣味嗜好があまりに一致しても怪しまない、知り合ってすぐの女性に高級時計を贈るような話をはじめ、書類のパスワード等に関しても不自然でリアリティのない点が多く物語に入っていけなかった。

【局】30~40代をターゲットにハードボイルドに寄せすぎない形にしたが、従来の高齢層も逃したくない思いからキャスティングも守りに入りすぎた所もあるかもしれない。リアリティに対する指摘については、こちらがエンターテインメント性を履き違えているかもしれず、今後に生かしたい。

旧ジャニーズ事務所問題に関する委員からの意見

【委員】特別番組でテレビ東京グループとしての見解を発信したことや、検証報告を文書で開示したことは評価できるが、第三者を関与させることで、より客観性を高めることは可能だったのではないか。

【委員】事前の放送告知があった方が良かった。

【委員】もっと早い段階で放送番組審議会で取り扱い、テレビ東京グループの考えを問うべきだった。

【委員】(11月9日にテレビ東京ホールディングスが設置した「人権委員会」について)他のマスメディア企業の状況を見ながらではなく、一般的な他の企業の状況を見ながら、進めていただきたい。

出席者

【委員】篠原委員長、荻野委員、草野委員、島本委員、野木委員、藤井委員、夜久委員、吉野委員

【局】石川社長、長田常務、加藤常務、髙野コンテンツ戦略局長、野口報道局長、内田制作局専任局長、清水制作局プロデューサー、椎原番審事務局長

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