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第432回放送番組審議会報告 2018年11月9日(金)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(10月)

審議の主な内容

『ドラマBiz ハラスメントゲーム』
(2018年10月15日放送)合評

【委員】このドラマは現代版の時代劇だ。お家騒動があり、下々の騒動があるが、その2つを繋ぐのが「ハラスメント」というテーマであり、それを江戸町奉行が解決するかのようだ。しかし、勧善懲悪の予定調和ゆえに意外性がない。想定外の切り口から入ればさらに良くなって行くと思う。

【委員】定番としての良さがあり、視聴者も小気味よく感じていると思う。唐沢寿明さん演じるキャラクターは度が過ぎると漫画のようになってしまうと思うが、うまい按配になっており、深刻で重々しくなりそうなドラマを軽さのあるものにしている。癖のある悪役も緊張感を醸し出している。

【委員】ハラスメントは加害者側にはあまりその意識がなく、今日では本当に重要なテーマとなっている中、経済ニュースなどを扱うテレビ東京がこの問題に挑戦したのは大したものだ。しかし、タイトルに「ゲーム」という語があることで、ハラスメントの深刻さが伝わらないのではないか。

【委員】主人公の秋津が心で相手と向き合い、「人間力」でハラスメント事案を解決に導く姿が大変痛快だ。また唐沢寿明さんのユーモアで笑いもあり、台詞の1つ1つが心に響く。この手のドラマにありがちの家庭のシーンが邪魔にならずにむしろ活きており、全体を軽やかにしている。

【委員】タイトルに入るまでの物語の展開が秀逸。特に最後のシーンで主人公の秋津が不祥事のあった店の店長に「頑張れと言っても良いかな」と言い、不祥事を起こした主任にも「が・ん・ば・れ・よ」と背中越しに口パクで声をかけ、そこでコブクロの音楽が流れて来るところが大変感動的だった。

【委員】スポーツ界では選手を試合に送り出す際の「頑張れ」という言葉は緊張の極限にいる選手をほぐすためのものであり、時には尻を叩き、女性でも背中を叩いたりするが、難しい時代になったものだ。そうした中、主人公の秋津がドラマの最後で言う「頑張れよ」には大変重みがあった。

【委員】1話ごとに完結する物語と社内の権力闘争という大きな流れの2つの楽しみがある。唐沢寿明さんのコミカルさと情熱の混じり具合、石野真子さんの演技も非常に良い。ハラスメントは境界がはっきりしない部分が多々あり、その難しさも含めてドラマで世の中に伝えてほしい。

【委員】ハラスメントについて画面に出る説明の文字のレイアウトが素敵なように、細部にも非常に配慮が行き届いている。ただ、勧善懲悪のスタイルからするとモヤモヤする部分もあり、職場で同じような目に遭っている会社員が夜10時にそうした追体験をするのを果たして好むだろうか。

【委員】いかにも正義が勝つというようなスッキリするドラマであり、月曜日夜に相応しい。唐沢寿明さんのシリアスさとコミカルさのバランスと切り替えが絶妙だ。広瀬アリスさんたちとのコンビネーションも非常に良い。「クズ中のクズ」という台詞が流行語になることを期待する。

【委員】夜10時に自分がその日に会社で経験したようなことをまた見たいと思うだろうか。今の世は何でもハラスメントになってしまうが、物事は全てが白か黒かで分けられるはずもなく、間のグレーの部分もあるということを伝えるべく、テレビ局として是非問題提起を続けてほしい。

【局】タイトルにはハラスメントというものが勝者と敗者、白黒が一瞬にしてひっくり返るゲームのようであるとの思いを込めた。時代劇のようだとのご指摘を受けたが、まさにそれが我々の狙いであり、大岡裁きならぬ「秋津裁き」をいかに爽快なものにするかがドラマの肝だと考え制作している。

出席者

【委員】木村委員長、篠原委員、荻野委員、金子委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、矢田委員、萬田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、近藤常務、井上取締役、長田編成局長、加藤制作局長、草野スポーツ局長、田淵制作局ドラマ制作部統括プロデューサー、大岡番審事務局長

次回合評番組

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第431回放送番組審議会報告 2018年10月12日(金)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(9月) 、放送番組種別について(4~9月)、10月クールの番組種別について

審議の主な内容

『テレビ東京開局55周年特別企画
 ドラマスペシャル「Aではない君と」』
(2018年9月21日放送)合評

【委員】重いテーマに取り組んだことは評価するが、視聴者は相当辛いのではないか。佐藤浩市さんの起用は成功だが、天海祐希さんは「お母さん弁護士です」という登場からして違和感を持った。「心を殺すのは許されるのに、どうして体を殺しちゃいけないの」という言葉が物事の本質を突いている。

【委員】両父親とも息子に寄り添えなかったため、どちらの子供もいじめや殺人の加害者になり得た。視聴者が当事者意識を持って見られたのではないか。父親が段々と息子の心と向き合って行く過程、そして現実逃避気味の母親、お母さん弁護士、それぞれにリアリティーと人間的魅力があった。

【委員】この重いテーマのドラマを金曜日の夜に見るだろうか。原作にもう少し脚色を加えても良かったのでは。テレビが高精細になり映像に奥行きが出、背景がぼけて手前の映像が張り付いたように見えるので工夫をすべし。佐藤浩市さん演じる父親の葛藤が外見にも表れているとなお良かった。

【委員】少年事件には正解がなく、少年には無事に更生する「可塑性」もある。私が弁護した事件においても、事件後に立派に立ち直り、今では弁護士となっている少年の例もあるから、ドラマで少年事件を扱う際も施設に入れるのか、保護観察か、成人として裁くのかといった視点なども持つべきだ。

【委員】天海祐希さん演じるお母さん弁護士役はドラマの中で救いの部分になっている。翼少年がチャーハンを作り父親と一緒に食べるシーンのBGMにも非常に感心させられた。「それでも人生の最後に、父さんはお前の幸せを願う。吉永翼、少年Aではないお前の幸せを」という台詞が印象的。

【委員】佐藤浩市さんの好演と天海祐希さんの明るさがこの重い番組に良いバランスを与えている。息子の年賀状を愛人が捨てていたために息子の転居に気付けなかったことなど、細かく複雑なストーリーが編み込まれていた点も非常に良い。こうした重いテーマのドラマへの挑戦を高く評価したい。

【委員】人間模様の濃いドラマだが、母親というものの存在が希薄過ぎたのではないか。母親の存在、夫婦と家庭などの要素ももう少し加えてほしかった。今後もこうした少年犯罪などのテーマを取り上げる際には、テレビ東京として社会に何か提案するものを作るように常に心がけて行ってほしい。

【委員】翼少年と親との間に何があり、藤井少年との間には何があったのかが突き詰めて描かれていないため、見終わって結局は何を言いたいのかが分からなかった。ただ、夫婦別れした2人の場面などは良く描けており、特に戸田菜穂さんの芝居は鬼気迫るものがあって圧巻だった。

【委員】台詞の余白に父としての苦悩を滲ませた佐藤浩市の演技は圧巻だった。「審判まであと何日」というカウントダウンが原作にはないスリリングな味わいを出していた。佐藤浩市、仲村トオルの髪型は決まり過ぎだろう。天海祐希がお母さん弁護士と自己紹介した場面は興ざめだった。

【局】少年犯罪を扱うドラマは父親不在のものが多かったため、今回は父親にスポットを当てた。ゆえに母親の存在感がやや薄くなってしまった。いかにも正解がないテーマで制作には苦労したが、罪を犯した側が決して幸せに終わることはできない点は忘れずに表現するよう心掛けた。

出席者

【委員】木村委員長、篠原委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、矢田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、近藤常務、井上取締役、長田編成局長、加藤制作局長、福田報道局長、草野スポーツ局長、稲田制作局次長兼統括プロデューサー、大岡番審事務局長

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第430回放送番組審議会報告 2018年9月7日(金)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(7・8月)

審議の主な内容

『昼めし旅~あなたのご飯見せてください!~』
(2018年8月13日、20日放送)合評

【委員】私も出演経験があるが、その時に行ったレストランがさらに流行り、家で出した料理のレシピを教えてくれという問い合わせもあるなど、テレビの影響力はやはり依然大きいと感じた。行ってみたくなる、作ってみたくなる、食べてみたくなるという「みたくなる」番組になっていると思う。

【委員】家族の温かさというものが非常に伝わって来て良い。色々な価値観、色々な生き方があるということも改めて教えてくれる番組だ。「あなたのご飯見せてください」という番組のキーワードは時にややきつい響きを感じる場合もあるので、テロップで出ているだけで十分ではないかと思う。

【委員】旅と現地のリアルな日常を楽しく見ることができる。番組ディレクターが自ら実家に帰省した際、家族皆が方言で話していたのが非常に新鮮であり、愛情が本当にこもっているように感じられて良かった。旅の中で今いる場所の地図が出て来るなど、見せ方も分かりやすく工夫されている。

【委員】タイトルを見ると既視感があるが、実際には非常に独自性のある番組だった。平均年齢が80歳を越えた漁師たちの仕事ぶり、ゲストの中西学さんの謙虚さ、海女の方の海の幸を取り過ぎない工夫などが印象深かった。テレビカメラを意識してか、料理をやや多く作り過ぎていた感は否めない。

【委員】番組のバラバラ感、無思想性、無政府状態、いい加減さが良い方向に作用している。食事とは「至福の時」であり、番組はその「幸せ」をお裾分けする役割を果たしている。食事や家族という「日常」と「幸せ」をうまく伝えられれば、そこにテレビの可能性が広がっているのではないか。

【委員】この番組には人生のストーリーやその土地ならではの観光や名物料理、視聴者にとっては「今日の昼ご飯は何にしようか」という際のヒントが詰まっており、他の番組とは一線を画している。ただ、お粗末な料理は見せず、是非作ってみたくなる、行ってみたくなるような料理を見せてほしい。

【委員】食べ物の良し悪しよりもゲストの人柄や好奇心によって番組の出来、不出来が決まると思う。海女になった方は島の人々とも非常に濃厚な良い関係を築いているのでこれからも海女として頑張って行けるように感じた。ただ、番組本編に入る前のCMが長過ぎるので何とかならないものか。

【委員】豪勢なグルメ番組も良いが、ホッとさせてくれるのはこういう番組だ。「生きる」ことと「食」との密接な繋がりを感じた。登場する人物の生活ぶりはストイックに生きたり、サプリメントを飲んだりするより、ストレスなく自然に生きる方が大切だということを教えてくれている。

【委員】仕込みなどがないがゆえに面白い時もあれば面白くない時もあるが、そこが良い。宍戸開さんは取材対象者を外側から見ており、その宍戸さんを自分が見るような構図になっていたせいか、内容にあまり深く入り込めなかった。海女さん自身の話ももう少し深掘りができたのでは。

【委員】日本の原風景を楽しめて非常に良い。システムエンジニアから海女に転身した人を見て、地方活性化には自然が豊かな所に行きたいというだけではうまく行くはずもなく、地方で自分の生活をどうするのかを考えることも必要だと感じた。もう少し人を掘り下げてほしかった。

【局】「色々な価値観のある人生」についての認識はすでにスタッフと共有しているつもりだが、本日のご指摘で「幸せとはそういうことだったのか」と改めて思わされた。今後はその「幸せ」や「幸せのお裾分け」というキーワードもさらに意識しながら番組を制作して行きたい。

出席者

【委員】木村委員長、篠原委員、荻野委員、金子委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、萬田委員、矢田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、近藤常務、井上取締役、長田編成局長、加藤制作局長、福田報道局長、草野スポーツ局長、工藤制作局CP制作チームプロデューサー、大岡番審事務局長

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第429回放送番組審議会報告 2018年7月6日(金)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(6月)

審議の主な内容

『あなたの家にもお宝が! 突撃! しあわせ買取隊』
(2018年6月21日放送)合評

【委員】妻を亡くした男性が義父から「娘の遺品を処分するのも大事だ。何かを捨てることも大事だよ」という言葉をかけられたエピソードを語るシーンは胸に染みた。今後はお宝とはお金のことではなく、家庭が抱えた思い出や記憶そのものだということをもっと際立たせるべきだと思う。

【委員】「家、ついて行ってイイですか?」と「開運! なんでも鑑定団」が一緒になったような番組だ。色々な分野で査定のプロがいることに驚き、彼らがモノを見ただけで即座に価値を判断できることに感心した。査定された金額の多寡で一喜一憂する家族の雰囲気も表現されていて良かった。

【委員】モノを集め、モノが溜まるのはストレスや心の隙間を埋める意識が働くからだろうし、同時に人間はモノがないと生きられない動物なのだろうなどと色々なことを考えさせられる番組だった。事情があるにせよ、その表情を見たかったので、出演者の顔にモザイクが掛かっていたのは残念だった。

【委員】第三者にとっては「がらくた」と「本物」の違いは決して分からないことが良く描かれていた番組だと思う。鎌倉市の景観重要建築物に指定された洋館の建物も今の若い持ち主にとっては未練もなく放ったらかしにされていたが、いかにも今の日本の世相を切り取っている部分で良かった。

【委員】「開運! なんでも鑑定団」はモノにスポットを当てるが、この番組は背景の人生が見えるので良い。鎌倉市の洋館は玄関を入ると日本間と押し入れもあり、明治に建てられた入れ物の中に昭和の暮らしがあるのを見ている平成の今という構図になっていて、非常に興味深い作りだったと思う。

【委員】ゴミ屋敷を片付けるだけでなく、見出したリサイクル品を売ることで依頼人の清掃代負担を減らす人情ゴミ屋敷清掃人に感動した。できれば1時間番組くらいにした方が、視聴者もまた見たいと思うのではないか。ともあれ、コレクションとは人間しか行わない非常に文化的な営みなのだと思う。

【委員】持っていた人が亡くなると、モノもやはり死ぬのだと感じた経験が自分にもあり、妻を亡くして7年が経ったという男性の話には色々と考えさせられた。番組冒頭の「あなたの家にお宝はありますか?」という街頭インタビューはやや長いと感じたので必要のない部分だったのではないか。

【委員】人間はある程度コレクター的でモノに囲まれていないと安心できないような部分も持っているとは思うが、これからの時代は物質至上主義ではない社会になって行くと良いと番組を見て思った。モノを次の世代に繋げて行くことの大事さも番組から改めて感じ取ることができた。

【委員】「開運! なんでも鑑定団」のエピゴーネンであり、番組の独創性はB級だと思う。番組の成否を分ける鍵となるであろう驚きを与える「意外性」と、人生や家族の「物語性」という物差しで評価してもB止まりでしかなかった。しかし、色々な分野にプロの査定士がいることに驚いた。

【委員】今は「メルカリ」なども流行っているように、不要なモノをうまく売るシステムなどは今後も増えて行くのだろうと番組を見て改めて思った。しかし、この番組は特殊な人を探し続けて来られないとなかなか成立が難しく、マンネリ化する危険があるのではないか。2時間の放送は長い。

【局】家の中の片付けをしてもらい、リサイクル品の処分で多少のお金も得られた結果、家族皆が笑顔になる、家族皆が前に向かって進めるようになるといった前向きな描き方を今後もして行きたい。また、視聴者を飽きさせないためにも面白いものは何なのかを常に考え、様々な工夫を施して行く。

出席者

【委員】後藤委員長、木村副委員長、荻野委員、金子委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、萬田委員、矢田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、近藤常務、井上取締役、長田編成局長、加藤制作局長、福田報道局長、草野スポーツ局長、村上制作局CP制作チーム・チーフプロデューサー、大岡番審事務局長

次回合評番組

『昼めし旅~あなたのご飯見せてください!~』
2018年8月13日(月)
2018年8月20日(月)放送

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第428回 放送番組審議会報告 2018年6月14日(木)開催

一般業務報告、役員の異動及び執行委員の異動について、平成30年3月期決算短信(抜粋)、2017年度年間大賞、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(5月)

審議の主な内容

『日曜ゴールデンの池上ワールド 池上彰の現代史を歩く』
(2018年5月6日放送)合評

【委員】ベルリンの壁の崩壊は様々な人たちが図らずも同じ方向に進み、一粒の水滴が奔流となるように歴史を動かした結果だと理解できた。池上さんの持つ解説用の鞄については今一つ分からない。池上さんの番組は多いためラ・テ欄で「池上彰」と見るだけで避けてしまう人もいないか心配だ。

【委員】現代史の現場に行くというスタイルは旅番組のようでもあり、ストレスなく見られた。ケネディの逸話、ハンガリー首相の役割、またピクニック計画の写真にメルケル首相も写っていたことなど、どれも興味深い話だった。池上さんの「歴史は人々の予想を超えて動く」という言葉が印象的だった。

【委員】封鎖されたベルリンへの連合国による物資の空輸作戦や脱出を図ったものの銃撃された遺体がまた東ベルリンに連れ戻されて行くような映像も非常にリアルで分かりやすいものだった。当事者たちの声もあったことで旧共産圏の諜報活動などの実態もとても良く理解することができた。

【委員】旧東ドイツの料理屋で食事をするシーンがあったが、当時の東ドイツの人々が安っぽいスプーンで美味しくない料理を食べていたことが見事にうまく表されていた。また、番組最後の池上クイズも興味深く、学校の先生もこの番組を授業で使ったら良いのではないだろうか。

【委員】池上さんが持って歩く鞄には紙芝居感もあり、映像と相俟って楽しく知識を得られると思う。旧東ドイツの料理が食べられるレストランでは、色々な言葉を発しながらも誰も「美味しい」とは言っていない。当時の東ドイツの生活レベルや現実というものが非常に良く伝わって来る場面だった。

【委員】一般人の視点で歴史を捉えており好感が持てる。メルケルが写った1枚の写真に彼女が難民の受け入れに寛大である理由を見たように思う。しかし、1989年が現代史というのは疑問だ。現在の世界情勢はすでに次のステージにあるのであり、1989年と今の世界との繋がりを見せてほしかった。

【委員】最初になぜ東西ドイツが分かれてしまったのかという点から説明した方が分かりやすい。鞄については池上さんを可愛らしく見せるし、NHK時代の同僚の宮本隆治アナウンサーから「池上くん」と呼ばれているのも良かった。池上さんの歴史についてのコメントにも感動した。

【委員】とても興味深い番組で池上さんの解説も分かりやすかった。ベルリンの壁が崩れた後に東西ドイツがどのようにして統一されたのかについて語られなかったので、自分で改めて調べざるを得なかったのが少々残念だった。今の韓国と北朝鮮のことを考えると非常に興味の湧く題材だったと思う。

【委員】ベルリンの壁の崩壊に向かった1つ1つのトピックが分かりやすく、「普通の人がとった行動の積み重ねによって歴史が動いた」という池上さんのコメントを実感できた。他方、閉鎖的な東側の状況からベルリンの壁崩壊までの30~40年間の変化があまり良く描けていなかったのではないか。

【委員】映像は流れて行ってしまうので、東西ドイツの中でのベルリンの位置を示す地図を少し長めに出すなど、視聴者の理解をより深める工夫が必要だ。戦争や紛争の多くは大国が勝手に国境線を引いたがゆえに続いており、それを指摘するのも番組の使命だろう。ただし、2時間は長いと思う。

【局】池上さんの持つ鞄の必要性や地図の出し方などについては今一度議論して行きたい。我々が現代だと思っているものはもはや現代ではないのかもしれないとのご指摘があったが、確かにいかに今と繋げて行くのか、いかにそこにあるギャップを埋めて行くのかを常に考えて行きたいと思う。

出席者

【委員】後藤委員長、荻野委員、金子委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、萬田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、武田常務、近藤常務、大島取締役、長田編成局長、井上制作局長、吉次報道局長、草野スポーツ局長、鈴木報道局報道番組センタープロデューサー、大岡番審事務局長

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第427回 放送番組審議会報告 2018年5月10日(木)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(4月)

審議の主な内容

『ドラマBiz 「ヘッドハンター」』
(2018年4月16日放送)合評

【委員】印象論だが、「暗い」「重い」「静か」の3要素が視聴者にとってもくたびれるものになっているのでは。黒澤たちヘッドハンターの物語とヘッドハントされる側の物語の2つの点のある楕円構造になったドラマであり、視聴者はどちらに感情移入すべきか少々迷うのではないか。

【委員】「転職、それは人生のサスペンス」とのサブタイトル通り、随所にミステリアスなシーンがあって良かった。ただ、テレビドラマには悪役がいると視聴者も惹き付けられるものだが、ライバル会社の小池栄子さんにはそれほどの憎たらしさはなかった。全体的に見やすいドラマではある。

【委員】ヘッドハンティングの際に説得する相手の背景にある情報を徹底的に調べ上げ、相手の信頼を得る方法は自分の検事時代の取り調べの手法と重なって見えた。しかし、月曜の夜10時からこのようにしっかりとしたドラマを腰を据えて見ようという気になる視聴者は多くないのではないか。

【委員】ヘッドハンターがどのように対象にアプローチして行くのかが良く分かった。ドラマには縦軸と横軸があり、横軸の謎めいた部分も楽しみだ。ただ、現実世界がこれだけ厳しいのだから、ドラマでさらに厳しいものを見せられるのは重過ぎると感じる視聴者もいるのではないか。

【委員】転職する人間の悩み、ヘッドハンターが彼らの背中を押す過程もリアルに描かれていた。最後は上司、部下共に見事に転職したが、元上司だった男が「給料はお前の半分だ」などと言うシーンでも卑屈さなどがなく、本当に好きな仕事をプライドを持ってできる喜びが良く表されていた。

【委員】細部を大切に積み重ねる演出は非常に面白い。自分たちの工場の生産ラインを自らで壊す場面には胸が痛くなり、「ものづくり」の悲哀と喜びが良く描かれていたと思う。主人公黒澤がどういう人物かにも興味が湧くし、癖のある人物が登場して黒澤と対決するような話も見てみたい。

【委員】視聴者の意見にも「最近のドラマは刑事か外科医といった権力を笠に着たドラマばかりで嫌になる」とあるように、今、こうしたドラマはとても新鮮なものに思われるだろう。中年男性は月曜日は週初めゆえに元気の出るドラマを期待しているとの声も聴く。最終話まで期待している。

【委員】「あなたの値段知りたいと思いませんか?」をはじめとした数々のヘッドハンターの言葉は身につまされるものだった。「本当は自分に自信がないのではないですか?」という台詞にも色々と考えさせられた。ドラマゆえに自らの経験に照らしながら楽しめるべきもので良いと思う。

【委員】地に足の着いた真摯なドラマ作りに感心した。良い脚本と良い役者が揃えば良い作品になるという見本。演技も演出も抑制が効いていて好感が持てる。唯一、大事な話をするシーンが喫茶店などの他の客にも聞こえてしまうような場所で行われていたことが気になった。

【委員】転職で悩む心の葛藤が良く描かれ、会社の環境や人間関係、家族のことなど、共感を覚える視聴者も多かっただろう。ただ、あれだけ恩義を感じていた先輩の頼みを断り、転職という選択肢が勝ったのはなぜか。その決断理由が一番重要なだけにもう少し丁寧に描くべきだったのでは。

【局】刑事や医者を中心に据えるドラマを作りがちな風潮の中、ビターエンドなテイストも含め、異なるジャンルに挑戦した。一方、それは視聴者が望んでいるものではないかもしれないとも感じ、葛藤の中でもがいている。皆様のご指摘を活かし、視聴率も取れる作り方を再考する。

出席者

【委員】後藤委員長、荻野委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、萬田委員、矢田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、武田常務、近藤常務、大島取締役、長田編成局長、井上制作局長、草野スポーツ局長、稲田制作局ドラマ制作部チーフプロデューサー、大岡番審事務局長

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第426回 放送番組審議会報告 2018年4月6日(金)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(3月) 、2017年度下期・2018年度4月クールの放送番組種別について

審議の主な内容

『土曜スペシャル 坂本竜馬が目指した明治維新への道 伊豆・下田街道101.3キロ』
(2018年3月10日放送)合評

【委員】番組が明らかにタイトル負けしている。坂本竜馬に関するエピソードも検証されたものではない。キャスティングについても3組目のスギちゃんと把瑠都を除いては味わいがない。スタジオ解説もピンとこない。以上4点をもって、この番組は失敗作と断定せざるを得ない。

【委員】タイトルには確かに惹き付けられたが、もう少し歴史についての深掘りをするべきだろう。出演者たちが我々の知らない険しい裏道を歩く大変さは十分に伝わって来たが、やや長く感じた。また京都から3週間をかけて伊豆・下田まで歩いて来るような旅人もいる話には驚かされた。

【委員】街道歩きと歴史とを融合させようとしたのだろうが、中途半端。番組から視聴者が歴史を感じるには「ああ、ここにその片鱗がある」とじっくりと味わえなければいけないと思うが、体力自慢のような番組のテンポでは無理だろう。出演者にも視聴者にも不完全燃焼感があったのでは。

【委員】タイトルと番組内容が合致していない。歴史を探る部分があまりに物足りず、ただひたすら歩くだけの番組にしか見えなかった。ただ、「ガチンコ」の企画で把瑠都が険しい山道を分け入って行くところやスギちゃんが地元のおばあさんと抱き合うところなどは新鮮で良いものだと感じた。

【委員】我々は車や電車で移動するので場所を点として意識しがちだが、今回のように出演者に歩いてもらうことで面や立体として感じられるので新鮮だった。歩いている場所のアップダウンを示す地図が示されていたのも親切。作り方によっては今後十分に面白い番組になって行くとは思う。

【委員】タイトルに騙されたと感じた。歴史的な情報が足りず、キャスティングも疑問。出演者が「しんどい」を連発すると、視聴者までしんどい気分になる。竜馬の話に時間を割こうとした結果、食べ物に関する紹介などが少なかったのも残念。ロケ・スタッフの映り込みも少々目障りだった。

【委員】明治維新150年の今、竜馬がどのような思いで伊豆を目指し、また帰路についたのか、その道は今どうなっているのかと興味津々で番組を見たが、結果はうるさいタレントの山歩きでの体力具合と行き当たりばったりの宿探しだけだったと感じた。竜馬の世界観はほとんど何もなかった。

【委員】地理的には箱根、伊豆の自然の厳しさと温泉などの「癒し」も番組ではよく描かれていた。歴史的には史実として竜馬は海路で下田に来たのだし、下田街道を通ったというエビデンスは番組中にも何もなかったのでいかがなものかと思った。体育会系の人たちの我慢比べのようで残念。

【委員】タイトルや謳い文句が内容に沿っておらず、裏切られた思いだ。スタジオのアナウンサーの実況と解説者の存在には意味がない。この急峻をこうして登ったということが分かるカメラワークになっていないために、ただ出演者が「大変だ、疲れた」と喋るだけの平坦な番組になっていた。

【局】長く続く「街道歩き」をより良いものにすべくチャレンジし、今回は坂本竜馬の情報を散りばめながら作ろうとしたが、結果としては反省点も多い。編成としても「何かを変える」こと自体が目的にならないように、皆様からのご意見を十分に踏まえながら今後の企画開発に取り組みたい。

出席者

【委員】後藤委員長、木村副委員長、荻野委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、萬田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、武田常務、近藤常務、大島取締役、長田編成局長、井上制作局長、吉次報道局長、草野スポーツ局長、高橋テレビ東京制作制作センタープロデューサー、大岡番審事務局長

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第425回 放送番組審議会報告 2018年3月6日(火)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(2月)

審議の主な内容

『ワールドビジネスサテライト』
(2018年2月6日放送)合評

【委員】トップニュースの日米同時株安、確定申告に合わせた仮想通貨取引への課税、クレジットカード会社が商機と捉えていた平昌五輪、東京マラソンに合わせたシューズ開発の話など、いずれも時事問題をいかにもこの番組らしい目線で取り上げていた。すでに完成されている番組だと思う。

【委員】日経平均株価の大きな変動があった日でも、不安を煽ったりすることなく、アメリカでも日本でも冷静な現状分析をしていて良かった。仮想通貨取引に関する確定申告はタイムリーで非常に良いテーマだったと思う。情報は盛り沢山だが、テンポも良く安心して見ることができる番組だ。

【委員】「白熱ランキング」のワカサギ釣りや犬ぞり体験、「トレたま」の「採寸データをスマホに送るメジャー」の話の他、電波の届かない地下で活躍するドローンの特集などもあり、情報満載で良かった。キャスター、コメンテーターも安定感がある。他局と違う視点を日々打ち出す苦労を察する。

【委員】コーナーは長くても10分で主に3分から5分程度のものが多く、流れとテンポが非常に良いと思う。天井の高いスタジオもインパクトがある。すでに固定したファンがいるのだろうから、経済に特化した姿勢を今後も貫いて行って欲しいと思うが、4月のリニューアルも楽しみにしている。

【委員】ニュースの差別化という点で他局の同時間帯のニュース番組とは一線を画しているように思う。「白熱ランキング」や「トレンドたまご」などのコーナーにもそうした志が示されているのだろう。大江キャスターがとても丁寧に分かりやすく話していると改めて感じた。

【委員】今の世の中には欠かすことのできない大切な番組で、何の心配もせず見ていられる。経済の話を扱う堅い番組にもかかわらず、大江キャスターの声や雰囲気にとても癒されると同時に興味深い話題が盛り沢山で大変勉強になる。ニューヨークからの中継に出る森田アナウンサーの声も良い。

【委員】完成された番組ゆえにぶつかる壁も高い。それをどう打ち破って行くかが改編のポイントだろう。ニュース解説における「なぜ」の部分が足りず、総花的であるがゆえに中途半端であり、放送時間も少々遅過ぎるのでは。視聴者のライフスタイルを考えると開始時間変更の英断も必要だと思う。

【委員】視聴者の多くが翌朝も仕事を控えたビジネス・パーソンであることを考えると、放送時間が遅過ぎる。番組自体は世間に迎合せず、ワイドショー的な覗き見趣味などもないので歓迎すべきものだ。ただ、「トレンドたまご」はもう少しビジネスマンにとって見応えのある内容にして欲しい。

【委員】冒頭に株価急落について伝えた上でのトレーダーへの半日密着やダウ平均のPER変動の解説が分かりやすく良かった。仮想通貨の投資先としての株式との違いもよく分かり、IoTが注目される中、クラウドファンディングでの商品化の話も興味深かった。マンネリ化を防ぐ改善を期待する。

【局】マンネリ化、完成されているがゆえの壁という課題は日々我々も感じている。「なぜ」の部分を突き詰め、より充実した解説のある番組にしなければならないと認識している。リニューアル後は伝統を守りつつも驚いてもらえるような番組になるよう、議論をより活性化させて行きたい。

出席者

【委員】後藤委員長、金子委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、萬田委員、矢田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、武田常務、近藤常務、大島取締役、長田編成局長、井上制作局長、吉次報道局長、草野スポーツ局長、野口報道局ニュースセンター・チーフプロデューサー、大岡番審事務局長

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第424回 放送番組審議会報告 2018年2月6日(火)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(1月)

審議の主な内容

『今夜解禁! アスリート運命の一日』
(2018年1月10日放送)合評

【委員】ストーリーを絞り込んだ作りが良かった。テレビが「記録のメディア」になるべく挑んでいる点も評価したい。松坂や村田のような進行中の話はレギュラーの『SPORTSウォッチャー』で扱う方が良かった。「ドーハの悲劇」のパートはテレビ東京の宣伝色が濃過ぎたのではないか。

【委員】大変感動させられたが、スキー選手の竹内択が病気を克服した話などは五輪直前の今放送していれば、競技を見る際の視聴者の思い入れも変わっただろうし、視聴率ももう少し取れたのではないか。『SPORTSウォッチャー』で蓄積された財産を機会あるごとに番組にして欲しい。

【委員】スポーツの「光」と「影」をしっかりと描けていた。スキーの竹内、マラソンの糟谷両選手の想像を絶する過酷な闘病生活には驚かされ、病気を克服した姿に大変感動させられた。長嶋茂雄というスーパースターにさえ挫折のようなものがあったこともよく分かり、良い番組だった。

【委員】あのような一流アスリートたちの特別な1日に焦点を当てて番組を作る作業は制作者としてはさぞ興奮するものだろう。見る側も十分に楽しめる良質な番組だった。ただ、まだその時点で結果の出ていない松坂や村田の話はやはりこの番組のテーマにそぐわなかったのではないか。

【委員】この番組を見た人にはアスリートが試練を克服した姿に自分を重ね、助けを求めたいというような思いもあったと思う。「ドーハの悲劇」を放送したテレビ東京内に当時用意されていた寿司桶の映像などは面白かった。それぞれのアスリートや周囲の人の輝くような一言に魅了された。

【委員】2時間を飽きることなく楽しんだ。「ドーハの悲劇」、「10・8決戦」では選手たちがやはり色々なものを背負っていたことを感じさせられた。「ドーハの悲劇」の経験が日本をW杯常連国にしたわけだが、番組を見て人間は悔しさから多くを学ぶことが出来ることに改めて気付かされた。

【委員】「ライブを編集したドラマ」に自然に涙した。それぞれに心を打つ言葉があったが、当時は気に留められずさらりと流れてしまっていたものもあるだろうから、このように改めて紹介されると映画の台詞やシーンのように心に残って良い。貴重な歴史を振り返ることのできる番組だった。

【委員】アスリートの闘病からの復活は自身の努力に加え、周囲のサポートによる部分も大きく、決して1人での偉業ではなかったことが良く伝わり、感動した。松坂や村田の話は取り上げるべきではなかった。全体の構成がバラバラな感じで1つ1つの話の焦点ももう少し絞った方が良かった。

【委員】下手な役者を使って再現ドラマのような作りにせず、選手とその両親や夫人、婚約者など全て本人が出演していたところが非常に良い。ただ、視聴者ターゲットの絞り込み、番組宣伝、若者も惹き付けるような番組導入部分での工夫については今後改めて考えた方が良いのではないか。

【委員】「難病もの」は感動ドラマの定番であり、何か異なるアプローチが欲しい。「運命の一日」を感じさせてくれたのは落合のエピソードだが、落合がどういうつもりで「今中のカーブなら打てる」と言ったのか、今中はそれをどう受け止めたのかなど、もう少し深く掘り下げて欲しかった。

【局】放送終了から今日まで、どのようにしたらもっと見てもらえたのだろうとの思いを強く持ち続けて来た。GH帯のスポーツ特番で成功するにはどうすれば良いのか、テレビ東京らしさとは何かについて常々思い悩みながら制作している。本日のご指摘を今後の制作に是非とも活かしたい。

出席者

【委員】後藤委員長、木村副委員長、荻野委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、萬田委員、矢田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、武田常務、近藤常務、大島取締役、長田編成局長、井上制作局長、吉次報道局長、草野スポーツ局長、村上スポーツ局スポーツ情報部プロデューサー、大岡番審事務局長

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第423回 放送番組審議会報告 2018年1月10日(水)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(11月・12月)

審議の主な内容

『緊急SOS! 史上最大の池に異常発生!
怪物10000匹!? 池の水ぜんぶ抜く大作戦5』
(2017年11月26日放送)合評

【委員】大人も子供に戻ったような気持ちになれ、家族で安心して見られる番組だ。出演する芸能人も前向きに取り組んでおり、生物の専門家にも非常にタレント性がある。今回は「to be continued」という終わり方が続いたので消化不良だったが、やるからには徹底的にやって欲しい。

【委員】地域の観光課など池を守る側の人たちからの自然体系の変化を改めて確認し、浄化したいとの意見の下に水を抜いているということなので、安心して興味深く見られた。地域への貢献度も高い。ざっくばらんな中に真剣さも感じられるが、費用がどのくらいかかるのかが心配にもなる。

【委員】アイディアは非常に素晴らしい。ただ、やはり何があってもタイトル通りに池の水は「全部」抜くべきではないか。ほとんどが池の中の生物の解説中心になってしまっている感もあるが、視聴者はそれだけではなく水を全部抜いたらそこには何があるのかを楽しみに見ているはずだ。

【委員】泥遊びという人間の本能に訴える面白さの一方で生態系についての啓発の側面もある。しかし、ライギョを駆除する際に「憎きライギョ」「怪物」と呼ぶシーンなどでは、人間に勝手に連れて来られたライギョへの同情を禁じ得ない。抜いた大量の水がどこに行くのかも知りたい。

【委員】「作り物」ではない面白さがある。既存の番組を破壊し、新しいものを創造するテレビ東京は「トリックスター」と言えるが、すでに他局に真似され始めたものも多く、今や既成の側に回ってしまっている面もある。常に「トリックスター」でいるにはどうすべきかを考え続けて欲しい。

【委員】普段見えない所が見えるという「覗き見」のような面白さがあるのだろう。それを番組として成立させたことがすごいと感じた。しかし、この企画は何度もやればやはり視聴者の中に既視感が出て来てしまうだろう。そうならないためにどうしたら良いのかを考える必要があると思う。

【委員】最初は「泥だらけで汚い」という印象だったが、あっという間に「楽しそうだな」と思わされた。「汚い神秘性」「汚いファンタジー」とでも呼べるのでは。環境が良くなると同時に、例えば高齢者が参加すればリハビリにもなるだろうし、可能性はますます広がって行くのではないか。

【委員】反響の多さ、シリーズ化されていることも納得できる面白さが十分にある。何が出て来るかというワクワク感もあり、同時に知的好奇心をも満たしてくれる番組で高く評価したい。発想が素晴らしく、番組の地域貢献度も高い。また登場しているタレントが一生懸命な所も評価に値する。

【委員】アイディアが素晴らしい。老若男女全てに受ける番組だろう。あえて苦言を言うならば、魚などの駆除のために蓮の葉を切るなど、他の生態系を壊してしまっているのではないか。また、「外来種が悪で在来種が善」といった単純な二分法の感じがやや強過ぎるのではないか。

【委員】「かいぼり」をこのような面白い番組に仕立て上げたことに感心させられた。しかも大きなブームになり、環境にも良い影響を与え、社会貢献になっている。しかし、内容のマンネリ化や他局から真似される心配もあるので、今後新たな工夫が必要になって来るのは間違いないだろう。

【局】マンネリ化してしまう危険性については、対策を今後十分に検討して行きたい。番組を制作しながら、なぜこれほど多くの人が集まるのかと考えさせられることも多く、そこに何かしらのヒントがあるのではないかと思う。周辺住民の気持ちに寄り添いながら今後も番組を展開して行く。

出席者

【委員】後藤委員長、木村副委員長、荻野委員、金子委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、萬田委員、矢田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、武田常務、近藤常務、大島取締役、長田編成局長、井上制作局長、吉次報道局長、草野スポーツ局長、伊藤制作局CP制作チーム・プロデューサー、大岡番審事務局長

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