勝村コラム

2019年5月21日(火) 感謝

今回のブレインは、近藤岳登さん。

ヴィッセル神戸、水戸ホーリーホック、FC大阪と渡り歩き、今はお笑いの世界に飛び込んで活躍しているそうだ。今回はJリーガーのセカンドキャリアを考えるというタイトル。

番組のお目付役のような存在になった、スタッフ飯塚と飲みながら話した時に、お目付飯塚が、今回はセカンドキャリアの話しとは違うのではないか?と呟いた。しかも、最近コラムで僕のことを書いてくれなくなったとボヤいていた。

あほか!おどれのことなど、誰が書くか!

調子に乗りやがって。と、すでに、まんまと飯塚の事を書いてしまっているが、、、セカンドキャリアのことを番組では何度か取り上げた。セカンドキャリアは、怪我、病気、年齢、実力、などの理由で選手として、現役を続けて行くことができなくなった選手の、次の仕事。

コーチなど、スタッフで残ることがで選手は限られている。リーグが歴史を重ねれば重ねるほど、それは難しい。物理的に人数が多くなり、空いた場所がなくなるからだ。仕事がないからだ。なので、チームやリーグもいろいろ対処してくれている。

だが、現実は難しい。おりたち役者も同じことが言える。ずっと仕事があるわけではないのだ。芝居もスポーツも、生きるために直接必要ではない。

芸能界の露出で一番インパクトがあるのは、テレビに出ることである。まぁ、日本の場合と言っておきましょう。おりも、舞台をやっている時期に、「最近テレビ出ていませんねぇ〜」なんて近所の人に言われてしまう。

今年の頭も死ぬような思いで、4時間くらいの舞台やっていてもだ。

「今は舞台やってるんですよ」と答えても。

「また暗くて長くて、難しい奴ですか?年寄りには、明るくて楽しい舞台がいいんですよ」などと言われる。

失礼だぞ!まぁ、そんなものなのだ。テレビに出ていないと仕事していないと思われる。選手も同じだろう。試合に出ていないと、選手として扱ってもらえない。

以前コラムにも書いたが、フランスのアマチュアリーグでサッカーをやっていた後輩に、日本人に帰ってくると、「いつまでやってんだ?食えもしないのに。いい加減帰って来いよ」と必ず言われと嘆いていた。

もちろんバイトをしながら、サッカーをやっている。そのバイトで一緒に働いている仲間は、多種多彩な仕事をしていて、絵描き、役者など、いわゆるアーティストが多かったそうだ。彼らはみな、ちゃんとサッカー選手として扱ってくれて、バイトしていることなど、何も気にしていないそうだ。

「日本に帰ってくると、凹みます」とよく言っていた。で、近藤くん。昔からチームの中で、盛り上げ役を演じていたそうだ。サッカーを広めるために、サッカーを愛するがゆえに、自分の能力をいかし、お笑いの道に進んだ。

これを飯塚の言う、セカンドキャリアと呼んで良いのかと。さすが飯塚。おりも、番組のタイトルにいちゃもんをつけたい。どんなスポーツのアスリートも、同じことが言える。子供の頃から運動能力が高く、挫折感を味わったことがない。

だが、井の中の蛙大海を知らず。全国のレベルに目の当たりにして、人生初の挫折感を味わう。ならまだいい。そこではまだ潰しがきく。

だが、その先に進んで、潰しがきかない場所までたどり着き、挫折する選手。まだいいかも。年齢的に行けるから。またその先に進んで、年齢的にも無理な時期に差し掛かり、二進も三進もいかなくてなった選手。またさらに先に進んで、プロでそこそこ活躍して、怪我や病気や、戦力外と判断される。

完全に潰しがきかない。その間に、しっかりとコミュニティが築けている選手とそうでない選手は大きな差が出る。ブレインの近藤さんは、元々の才能をいかした職業に就いたのだ。

そして、結果を残しつつある。そう。つつある。

近藤さんは、芸能の世界に入ってしまった。サッカーの世界も、芸能の世界も同じくらい厳しい。先のことなどわからないのだ。Jリーグも四半世紀たち、年号も変わり、セカンドキャリアも改めて考え直す必要があるのだ。

これも以前コラムで書いたが、本田圭佑選手とオーストリアのホルンで話した時に、成功者のセカンドキャリアを考えていたことに驚いた。セカンドキャリアは、サッカーができなくなった選手のためのものだと思っていたからだ

本田選手たちのように、海外で成功した選手のセカンドキャリアは、やはり桁が違う。大きな資本をどのように運営していくのか?

これもまた、今後考えなければならない問題である。ブルガリア代表で、バルサや日本でも活躍したストイチコフは、牧場を経営しているそうだ。海外の選手は、牧場を経営する人がわりといる。

ブレインの近藤さんのように、まったく別世界に入り込んで戦う姿は、今後のシンボリックになるだろう。なんでもいいのだ。とにかく、戦う。

セカンドキャリアとは、やはり、「戦う」ということなのだ。

近藤さんの強いメンタルは、たくさんの扉を開く鍵になる。おりも30数年間、役者として戦い続けている。60過ぎて、バイトをしながら役者を続けている先輩もいる。

今回のブレインの近藤さんの存在が、たくさんの戦っている、セカンドキャリアで戦っている戦士たちの、大きな勇気になるでしょう。そして、世の中は甘くないということも、教えてくれた。

感謝。

ありがと、近藤さん。
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