勝村コラム

2019年10月25日(金) 共存

最近会ってないけど、おりの人生の師の一人、ファッションデザイナーの中野裕通さん。
舞台でおりの衣装を作ってくださったのが縁で、随分仲良くさせていただいた。ヒロミチ・ナカノのショーに出演させてもらったり、考えられないことだけど、ヒロミチ・ナカノのショーのキャスティングまでやったことがある。

うそでしょ?笑っ

今考えると、自分でも信じられないが、笑っ、ほんとなのだ。キャスティングしたモデルさんを紹介します。笑っ

当時、一緒にサラリーマン金太郎というドラマをやった、高橋克典ちゃん、恵俊彰ちゃん、羽田美智子ちゃん、あと、まだあんまり売れてなかった宇梶剛士ちゃん、高橋克実ちゃん、他にもたくさん俳優仲間、ミュージシャン、プロボクサーなど、ファッションショーではあり得ないメンバーだった。笑っ

もちろん、ちゃんとしたモデルの方たちはナカノさんがちゃんと呼んでいたけど。笑っ

やはり、問題が起こった。宇梶ちゃんとか克実ちゃんは、デカくて重い。笑っ。ナカノさんの服が入らない。笑っ。ナカノさんのコンセプトとは、真逆のメンバーを集めてしまった。笑っ

一番忙しいショーの前日に、そんな真逆のメンバーのために、新しく服を作ってくれた。本当に申し訳ないと思ったけど、ナカノさんは笑って喜んでくれた。ショーもそんなメンバーだらけだったので、アナーキーなものになってしまった。笑っ

昔、中野さんと飲みながら話してる時に、人間に必要なのは、衣食住。役者なんて、人が生きるためには必要ないんですよね。なんて何気なく言ったら、中野さんは、ほんとはね、衣もいらないんですよ。雨風しのげる場所あれば、裸ですごせるんだから。

驚いた。

おりの、なんかちょこっと本読んだり、人の話し聞いたりして、カッコよさげの知識を、自分の意見みたいに話していた、若気の至りの頃である。恥ずかしい。今も変わってないか。笑っ

中野さんはもちろん、そんなこともわかっているけど、真摯に受け止め、答えてくれる。まぁ、確かに、暖さえ取れていれば問題ない。衣を生業としている人から、こんな言葉を聞くとは思わなかった。結局、僕らの仕事は余裕の産物なんだなと。

だから、みんな命かけてやらなければいけない。みたいな話で、その宴は終わったと思う。笑っ

昔、師匠の蜷川さんがよく使っていた言葉に、そんなのファッションなんだよ!と叫んでいた。蜷川さんよく出てくるなぁ。笑っ

まぁ、役者の演技が、表面的だってことを言っていたのだが、なんか、響きがカッコよくて、おりも日常でよく使っていた。蜷川さんはファッションにすごく拘っていた。いつもシャレオツな服を着ていた。埼玉出身のクセに。笑っ

蜷川さんは埼玉の川口出身で、おりは隣の蕨出身だから、入った頃はよく埼玉と呼ばれた。昔、池袋に買い物に行くために、蕨のGP-5(洋服屋さんね)で服を買った。よくわからんけど、笑っ。

当時、京浜東北線沿の埼玉からの、最初の東京の入り口。それが池袋。なんか、翔んで埼玉みたい。笑っ

東京でファッショナブルな服を買い物に行く服を買ってから、出かける。笑っ。中途半端な田舎者。笑っ。なにが、ファッショナブルだよ。笑っ

蜷川さんはジャージを嫌っていた。当時も今も、小劇場の舞台の稽古着は、ジャージと決まっていた。伝説のつかこうへい劇団は、上下ジャージを着て、首にタオルが定番だった。めちゃくちゃカッコよかった。

これが今も、小劇場の役者たちのブランド、概念になっている。つか劇団では、そのまま舞台衣装の芝居もあった。だが、蜷川さんはジャージで稽古することを嫌悪していた。

もちろんアップの時に着ていても怒ったりはしない。あくまでも芝居の稽古の時である。何者でもないから。それが舞台の稽古で、ジャージを着てはいけない理由だった。スポーツメイクの時も書いたが、一人のキャラクターを作るときに、全員ジャージを着ていては何も成り立たない。

手術の時に、医者や看護師全員がジャージっておかしいでしょ?笑っ

服装も、キャラクターを作る上でとても大切なのだ。王様が稽古場でジャージ着て民衆に語りかけても説得力はないでしょ?

そのキャラクターが着るであろう服をイメージして用意する。だけどさぁ、、、

金の問題。

とか思うかもしれないが、アイデアで乗り越えられる問題なのだ。勘違いしてほしくないんだけど、蜷川さんは、つかさんのこともちゃんとリスペクトしていた。つかさんの芝居にはジャージが必要だから、ジャージを着ることに、蜷川さんは違和感を持たなかった。

ジャージが必要な役ならば、稽古場で着ていても問題はない。ということ。アプローチってのは、難しい。なにから最初に作るのか?

サッカーでチームを作る時に、どんなコンセプトでどんなシステムで、どんな選手を集めて、どんなチームを作るのか。いいチームには、すべてが揃っている。いつ揃ったのか?いつ揃えたのか?

それは、哲学に集約される。哲学さえしっかりしていれば、そこに人は集まり、機能する。

んで、今回のブレインは、「BALR」を扱うセレクトショップ「バランススタイル」の代表取締役・高畠侑加さん。おりのサッカー仲間の妹さんでもあった。笑っ

昭和は力がモノを言う時代でもあった。それはいい意味で普遍である。だが、当時の人気あるスポーツは、強ければ、強いだけでよかった。昔のタイガーマスクの唄そのまま。笑っ

申し訳ないファッションの例だが、昭和の金持ってるスポーツ選手は、パンチパーマに今で言う反社的なファッションで、金の太いネックレス、時計、セカンドバック、、、いたでしょ?笑っ

だが、アメリカのラッパーが太い金のネックレスや、指輪、サングラスかけてのパフォーマンスは、痺れるほどカッコよかった。

何が違うのか?

それは、哲学なのだと思う。金があるので、これ見よがしに高いゴールドを買って身につける。

のと。

このゴールドのアイテムを使うことで、自分のパフォーマンスを最も輝かせる、相乗効果を発揮するものである。この違い。日本人は、共存が苦手であると思う。極東の島国、正確ではないが、単一民族。この国でしか通用しない言語。様々な理由があるのだろうが、人とも、物とも共存することが苦手。

サッカーだけがセンスがいいとは、もちろん言わない。

Jリーグ開幕当初は、急な成金くんたちは、昭和のセンスそのままの人ももちろんいたが、笑っ、海外の選手やスタッフが多く、その影響も大きかったと思うけど、金に物言わせて、笑っ、ショーケースで飾ってあるままのファッションだったりではなく、生活に必要だったり、自分の思考がしっかりいかされているファッションセンスを持った人が多かったのも事実である。

あ、海外の人でも、センスがない人はたくさんいますよ。笑っ。ただ海外にかぶれているわけではないかんね。もちろん、時代や、情報が大きい。だが、流行は作られるものである。

パンクファッションを作った、セックス・ピストルズだって、仕掛けたのは、マルコム,マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドである。

すべてが揃って、一つの大きなムーブメントを起こす。現代は基本的に大きなムーブメントは起きている。そこに付加価値をつけることが重要なのだ。高畠さんの放送は終わっているけど、このコラムを書いているのは、ラグビーのワールドカップで日本がベスト8をかけて、南アフリカに敗れたばかりである。

中竹さんの放送も終わっているが、中竹さん、ラグビー関係者、もちろん世界中でも、日本がこんなに強く、こんなにラグビーが盛り上がるとは、誰も考えていなかったろう。

中竹さんは前回、ワールドカップで南アフリカを破り、突然明かりが当たったラグビーのその後の凋落を嘆いていた。それを踏まえると、高畠さんのやっていることの素晴らしいアプローチが見えてくる。ファッションから、選手やサポーターを盛り上げ、センスを磨いて行く。

センスのいい人は、センスのいい人を呼ぶ。何かが足りない時は何かで補う。中野さんは、骨董に興味を持ち、茶人にもなった。

センスとは、そういうものなのだろう。
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