勝村コラム

2018年8月18日(土) 地球平和

今回はサッカーボールの革命児。

以前、コラムにサッカーボールのことを少し書いた気がする。定かではないけど。1970年のワールドカップメキシコ大会で、テレビ中継での見やすさを考慮した、五角形の黒12枚、六角形の白20枚の皮を縫い合わせたボールが作られた。

テルスター。

アディダス製だが、日本のメーカーである「モルテン」の技術が元になっている。インドやパキスタンはサッカーボール製造が盛んな地として知られている。インドはヒンズー教なので、牛の皮は使えないが、パキスタンはイスラム教なので、牛の皮が普通に使えた。

しかも、牛が多い。問題はいろいろあったが、人件費も安い。パキスタンがサッカーボールシェア世界一の理由も頷ける。国と民族と宗教が絡み、まさにサッカーそのものっていうのも面白い。

世界でも、もちろん日本でも、サッカーボールを作っている。世界大会で使われるボールは決まっている。巨大な有名メーカーである。そんな世界に殴り込みをかけた日本人が、今回のブレインである。

しかも、FC琉球の社長でもある。今流行りの二刀流。だか、この二刀流、同じ畑のようで、まったく違う畑である。ブレインは、挑み方がおかしい。ありえない。

そこ、行ってはいけないって場所ばかり選んでいる。ように見える。だか、以前お世話なりました、メルカリの社訓の一つ。大胆であれ。能力が高く、大きな成功を収めている人は、戦い方が似ている。やってはいけないことを、平気でやる。

昔、義経という、大河ドラマに出演させていただきました。清盛の長男の重盛という役でした。世界中の歴史は、勝者の歴史である。だから、正確な歴史なんて基本ありえない。勝者が書き換えるからだ。

学生時代、日本史で平家を倒した源氏の歴史を教わった。元々日本の歴史は、西にあった。それを、何もなかった東に移した。勝った源氏が正しくて、負けた平家は悪い。だから、学生は基本的に、頼朝側からの歴史を強く覚えていく。

だが、大河ドラマのおかげで、敗者の平家側から、勝者の源氏を見た。コペルニクス的転回。いや、腹が立つ腹が立つ。特に天才と言われた義経。しかもドラマのタイトルロールにもなっている。その世界を、真逆から、見たのだ。有名な、一ノ谷の戦いでは、野生の鹿しか、鹿しか、一応、2回書いときましか。

鹿しか通らない、平家が陣取った裏側の山から攻め込んだ。平家は、裏からの襲撃など想定していなかった。壇ノ浦では、まず漕ぎ手を矢で射ったのだ。壇ノ浦に行ったこともあるのだが、壇ノ浦は渦が多数あり、漕ぎ手がしっかりしていないと、渦に巻き込まれる。

当時、漕ぎ手を狙うのは反則技だったそうだ。兵士は20キロくらいの鎧を身に纏っている。海に落ちれば、二度と浮かび上がることはできない。義経は、容赦なく漕ぎ手を狙い、殺した。漕ぎ手をなくした船は、渦に呑まれ転覆する。

汚い野郎だ!

平家側から見た感想である。だが、日本の歴史の中で、最も大きなターニングポイントが、壇ノ浦の戦いだったのだと思う。もっと詳しく書きたいが、長くなるから我慢する。そう、大きなターニングポイントに関わっている人は、ありえないことを平気で行う。

もちろん、新しいサッカーボールを作ることや、FC琉球の社長になることは、反則技ではない。だが、そこに挑む勇気を持っている人は、皆無と言っていい。身動きが取れなくなるからだ。

だが今回のブレインは、ダブルの皆無を背負い、歩き、今や普通に走っている。只者ではない。傾奇者である。サッカーボールと地球は似ている。ただ丸いからではない。

サッカーというスポーツも常軌を逸している。手を使わないで、足を使う球技。自由を奪われたことで、自由を獲得する。ほかのスポーツでも、丸いボールを使うが、地球規模のスケールはない。サッカーは、代理戦争である。武器を使わず、平和に戦う戦争である。

ブレインの作るサッカーボールをよく見ると、一枚一枚に、模様が印刷されている。しかも、子供に害がないようなインクを使用している。その模様は、まるで、地球に生きる、歴史を作ってきた、人類の営みのように見える。サッカーボールに生きる人類は、地球に生きる人類と同じように戦わずにはいられない。命がけの平和な、戦争である。

今回のブレインは、平和な戦争を最前線で戦う、最強の平和な兵士なのだ。ブレインが、地球に似たサッカーボールを、戦いながら作る。ブレインが戦えば戦うほど、世界は楽しく、平和になる。

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