勝村コラム

2019年2月24日(日) 祝400回

フットブレインは、今回でなんと400回だそうです。9年目に突入。まさかの400回。たくさんの人に支えていただいて、ここまで来ることができました。本当にありがとうございます。

サッカー愛。

のみ。

よくぞここまで。たくさんのスタッフの皆様のおかげでございます。出演してくださったブレインの皆様のおかげございます。アナリストの皆様のおかげでございます。

何を言いだすかわからない私を、横で支えていただいた、杉崎美香様、皆藤愛子様、鷲見玲奈様、片渕茜様のおかげでございます。番組を支えていただいた、スポンサーの皆様のおかげでございます。

そして、亡くなられた岡野俊一郎さん、今もお元気で番組を見守ってくださっている、アナウンサーの金子勝彦さんのおかげでございます。

感謝感謝感謝です。

そして番組が長く続いていくと、うれしいことばかりではありません。こんな悲しい瞬間も目撃することになります。選手の引退を目撃してしまう。澤穂希さんの引退も衝撃でした。なでしこをワールドカップの頂点に導き、バロンドールまで獲得したレジェンド。

しかし、現在は結婚して、可愛らしいお子さんがいて、とてもしあわせそうです。そして今回、楢崎正剛選手、中澤佑二選手が現役を引退した。衝撃だった。Jリーグの歴史を、日本代表の歴史を、日本サッカーの歴史を作って来たレジェンドである。

始まりがあれば、必ず終わりは来る。

終わりが来れば、必ず始まりが来る。

シェイクスピアの史劇のようだ。うまく受け入れることは難しい。これほどの選手たちは、サポーターの身体の一部になっているからだ。二人の心情を理解することはできない。特別な場所にいた人たちを、普通の人間の感覚で捉えることはできない。

やはり先日引退した、野獣と呼ばれた、柔道女子57キロ級のロンドン五輪金メダリストの松本薫さんが、こんな衝撃的なコメントを残した。

私にとっての柔道は、教育柔道だった。キャプテン翼は、ボールが友達って言って、すごくサッカーが好きじゃないですか。自分の中でその競技を好きじゃなきゃ駄目だって洗脳があって、周りも好きで柔道をやってる。引退しても好きで携わっている人が多かったので、好きじゃなきゃ駄目なんだと。

私は柔道が好き。私は柔道が好き。ってずっと思ってきた。引退した今、柔道が好きか嫌いかというと、別に嫌いではないけど、好きってわけでもなかったということに気づきました。優先順位の1番が柔道より子どもになってしまった。体力もなく、結果も残せず、五輪は難しいなと思った。

闘争心がなくなっていて、試合中に、あ?もう勝ちたくないなと思ってしまった。勝負師として終わったと気づいた。ネットのニュースから引用させていただいた。そして、所属先の新事業のアイスクリーム店に勤務するそうだ。世界中の人たちがアイスを食べにきてくれたらうれしいと。

世界王者は、やはり常に世界を意識しているのも面白いが。この松本薫さんのコメントは衝撃だった。

特別な場所にいた人たち。

楢崎さんも中澤さんも、サッカーの世界からは離れることはないだろう。特別な場所に行けるのは、特別な人だけである。特別な能力。特別な才能。特別な身体。特別な思考。特別な努力。そして特別な場所から離れることがどういうことなのか、私たちには理解できない。

しかし、特別な場所にいた人たちの記憶は、死ぬまで私たちは忘れない。最高のフットボーラーたちは、生涯私たちを魅了し続ける。本当は、一人づつ来ていただき、それぞれのスタジアムのピッチの上で、選手の時代を振り返っていただきたかった。特に、楢崎さん、中澤さんは本当にストイックにサッカーと関わってきた。

選手たちのお手本になる選手だった。技術は教えることができる。選手も競って技術を高めていく。だが、プロとしての姿勢を教えても、実践することは難しい。当たり前の苦しいほどの繰り返しが、プロの世界だからである。

この偉大な二人の背中を直接見て育った選手は、その遺伝子を受け継ぐ。松本薫さんの最後の言葉。

柔道は目標であり、夢だった。柔道を通して成長することができた。目標は達成したし、悔いはない。今はすっきりしています。偉大な選手が、引退後の生活にどう対応していくのか、とても難しいことだ。

中澤さんは、酒を飲むのが怖いと言った。とても重い言葉だった。特別な場所の住人に必要なもの。特別な場所の住人に必要ないもの。楢崎さんのような常に日の当たる場所にいた選手と、中澤さんのような暗闇をがむしゃらに走ってきた選手。

それが同じ特別な場所にたどり着いた。そして、同じ日に引退を表明した。両極の二人。現役を離れた今は、長めの休みのようだと言っていた。泣きそうになった。二人は新しい戦いに向かう。また違った、特別な場所にたどり着くのでしょう。

近い将来、それぞれのスタジアムのピッチの上で、高級なスーツを身につけ、大きな声で選手に指示を出している姿が容易に目に浮かぶ。

この番組も、記念すべき400回。

もしかしたら、特別な場所にたどり着いたのかもしれない。まだまだそうではないのかもしれない。こんな素晴らしい方々が番組にいらしてくださるのだから、気を引き締めて、ストイックに、だらしなく、日本がワールドカップで優勝するまで、楽しくがんばって行きたいと思っております。

今後とも、皆様、よろしくです。

ページトップに戻る