勝村コラム

2019年5月30日(木) 親と子

おりには23才の娘がいる。

自分ではとてもいい子に育ったと思っている。まぁ、基本的に、どんな親でも自分の子供はかわいいし、いい子だと思っている。と思う。

親バカと言われようが、バカ親と言われようがどうでもいい。子供は宝だ。だが、よく考えてみると、外で自分の子供の自然な姿を見たことはない。

親の前で見せる顔。
他者の前で見せる顔。

親は知らない。他者に対して、どんな態度をとっているのか、まったくわからない。入ってくる評判ってのは、大抵いいことしか聞かないもんである。子供の情報を入れてくる人は、大抵知り合いだからだ。

だから、自分の子供が親の目を離れている時に、どんな表情をしているのか、わからない。

おりは地元のサッカークラブである、FCトリプレッタというチームで、幼稚園から、高校生くらいまでの選手たちと一緒に球を蹴っている。いろいろな世代の子供たちと接するのは楽しい。小さくなればなるほど自由である。

先日も、小学生のハーフの女の子が、おりと練習していると、「わたしは、こいつと組みたいの。あなたはこの子と組めばいいでしょ!こいつもあたしと組みたいの!」と友達に説明していた。三年生くらいかな?

みんなの前で、三年生の女の子に、55才の初老のおじさんが、何度もこいつ呼ばわりされている。可笑しくて可笑しくて、仕方なかった。一応、「大人をこいつと呼んではまずいかな」と説明したが、興奮しているので、聞く耳を持たない。

とにかく、下級生になればなるほど自由だ。興奮した子供の自然の姿がそこにはある。これが、中学、高校になってくると、様変わりしてくる。

社会性を持ってくるからだ。昔とは違う接し方になる。こちらのパーソナルも理解しているので、リスペクトが入ってくる。それでも、ちょっとした話し方や、何気ないそぶりで、その子の人となりがわかる。

それは、親の顔が見えてくるからだ。子供は、親の鏡だ。親の子供に対する接しかた、他者に対する親の態度が、そのまま子供の性格に反映される。

親に愛されて、ちゃんと大人にしつけをしてもらった子供、しっかり大人とコミュニケーションをとってきた子供は、雰囲気でわかる。もちろん、すべてではないが。

自由とは規制の中にしかない。子供を自由にするために、しっかりと規制するのが親の大切な役目である。今回のブレインは、テニス界のレジェンド、杉山愛さんとお母様の杉山芙沙子さん。

杉山愛さんの成績は書くまでもない。

テニス界のスーパースターレジェンドである。愛さんの誕生日は、なんと沢松和子さんが1975年に、ウインブルドンの女子ダブルスで日本人初優勝した日なんだそうだ

運命って奴はね。

神の子の親もまた神杉山家

ついつい川柳の一句も詠んでしまいますわ。おりの子供の頃は、親とスポーツと言えばスポ根ものだった。獅子は我が子を千尋の谷に落とす。それが基本だった。すごいでしょ?笑っ

何がすごいって、基本的に、親は自分を獅子だと思っていたってことだよ。笑っ

ふざけんな!

何様なんだよ。親も!笑っ 千尋の谷って何だ?

千と千尋と違うのか!違うよ!どこにあんだ?なににからんでんだろ?

まぁ、そんな完全なる誤解が、昭和の良いところでもあり悪いところでもある。スポ根漫画で一番メジャーだったのは、巨人の星であろう。考えてみれば、タイトルもすごい。完全に巨人。臆面もなく巨人。子供の頃は気がつかなかったが、そうゆうことだ。笑っ

ヤクルトとか近鉄では、絶対にダメだったんだろうなぁ〜。

ヤクルトの星

なんか、ヤクルトたくさん売る販売員さんみたいだ。笑っ

近鉄の星

すごい電車の運転の上手い人みたい。笑っ

今はオリックスだし。

オリックスの星。

しっくりこない。笑っ

んで、厳しく絶対的な父。母は美しいが、だいたいいない。なぜか。笑っ

おそらく、当時は母の存在が、息子を甘やかしてしまうとか、男同士の方がとかの曖昧なイメージだったのだろう。そして、献身的な姉。ここにようやく女性を投入する。母という母性を切り離し、甘えを消し、姉というポジションにすべてを見守る女神の役割を与え、家族を安定をさせ、不条理な親子のバランスを保つ、大きな存在にする。

見るものすべてが、姉に感情移入できる構図を作ったのだ。そして、いつも不条理な親子を陰から見つめ、涙を流す。典型的な昭和!

実際にこんな親子を見たことがないが、昭和は、日本中にこんな親子しかいなかったようなイメージになっている。笑っ

だが、最終的に根底にあるのは、愛。今回のブレインも杉山、愛。すまみせん。さすが、梶原一騎先生。しかも、巨人の星は、巌流島の宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘をベースにしているらしい

飛雄馬が武蔵。花形満が小次郎。

なるほど。日本中の男達が大好きな決闘が根底にあり、日本の様式的な?家族が根底にある。そして、おしんのように耐える登場人物たち。日本人が好きで好きでたまらないの要素の詰まった漫画だったのだ

さすが、梶原一騎先生。

川崎のぼる先生の作画も冴えわたっている。まぁ、昭和らしい、軍国主義的匂い、男尊女卑的匂いの残る作品である。巨人「軍」に入る話しだし。笑っ

水島新司さんは、巨人の星を批判的に語っている。そして、「ドカベン」という名作が生まれた。手塚治虫先生も、この作品の面白さを私に教えてくださいと言ったそうだ。悪意はなく。

結果、「巨人の星対鉄腕アトム」という企画が持ち上がったらしい。笑っ

もう、才能ある先生たちは、本当に面白い。文化とはこういうことなのだ。サッカーを文化にと語る時に、こうゆう巨匠たちの言動、行動が鍵になるだ。

功罪。

杉山さん親娘は、これまでの日本の親娘像を軽やかに壊し、進化させた。育てるということに真摯に向き合い、尊重して、結果を急がず、まず、子供のことを考える。基本的基盤が「愛」なのだ。

今回のブレインは、杉山「愛」さん。

もういいね。親とコーチのはざまに揺れて、静かに戦い続けた杉山お母様のすごさ。しかも、お母様はお母様で、自分の未来とも向き合い、戦い続けている。全てを娘に向けているが、全てが娘に向いてはいない。

子供も大切にして、自分のことも大切にする。生半可でできることではない。親が輝き過ぎれば子供は親を見失い、親に輝きがなければ子供は親を見失う。怖いくらいのバランスが必要なのだ。

そんなバランスな取れる人はそうそういない。

最高であって、最強のコンビ。世界最強の親娘ダブルス。お母様の話しを聞いて、親という生き方を考えた。子供との距離の保ち方。子供から教えられること。

価値観を押し付けない。愛と忍耐。などなど。杉山お母様に脱帽である。最後にお母様に、聞き忘れたことがある。なぜ、産まれた娘さんに、「愛」と名付けたのか?

またスタジオに来ていただき、いろいろなお話をしていただきたい。
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