勝村コラム

2023年7月 7日(金) クラブハウスにドキドキ

ようやくチェックイン。

ホテルは、なんだか幹線道路のすぐ横にあって、隣がおばあちゃんのロゴのレストランがある。それ以外周りには何もない。

参った。

どうやら、市内は有名なアーティストのLiveがあるのと、もちろんセルティックの最終戦があるので、どこのホテルも値段を跳ね上げさせているそうで、観光客も戻って来て、ホテルの数にも限界があり、部屋数も考えると、ここしかなかったらし。

参った。

いやいや、スコットランドに来れただけでもありがたい。

海外に来た時は、必ず時差ぼけで早く目覚めるから、おりには散歩が欠かせない。散歩すると街を覚えることができるし、観光客がいかないようなとこにも行けるし、街の朝の風景を見ることができる。貴重な時間なのだ。

もちろん、危険を孕んでいることは承知している。だから常に危険な匂いのする場所には近づかない。

でも、ここは散歩などできる気がしない。

参った。

仕方ないから、ストアに寄った時に買ってもらったワインを、ホテルでスタッフと飲むことにした。食事の時も、ビールとか、けっこう飲んだから、ワイン飲めばすぐに眠れるだろうし、酔っ払えば、出来るだけ長い時間寝られる可能性がある。

克実ちゃんたち撮影スタッフは、いろいろ準備あるから、それぞれ部屋に戻り、バリトン佐藤、ソノ、おりの3人で、誰もいないホテルの一階のテーブルで、勝手に飲ませてもらうことにした。

二人は眠そうで、そんなに飲みたくなさそうで、でも、開けたワイン残すのもなんかねぇみたいな感じだったけど、おりは自分の私利私欲のために、二人を帰さない!

だって、朝の散歩ができないんだから!

そしたら、あっという間に2本飲んじゃって、笑、他にやることないし、それぞれ部屋に戻った。

当然、シャワーしかない。

当然、シャワーの勢いがない。

このホテルには、シャンプーとボディシャンプーしか、置いてなかった。

髪を短くして来て、本当によかった。

シャワーから出ると、寒い寒い。

酔いが一気にさめる。

そして、髪の毛キシキシ。

海外シャンプーあるある。

海外硬水あるある。

ジャージに着替え、横になる。

テレビつけて、サッカーでも観ようと思ったら、まったくやってない。ヨーロッパ来て、こんなこと初めてだった。チャンネル回しても、(って、昭和だね)どこもサッカーやってないのだ。仕方ないから、そのまま寝ることにした。

けっこう飲んだからすぐに眠れた。

そして、すぐに目覚めた。笑

想定内のような想定外。

今回こっちで読むつもりで買った、村上春樹さんの単行本を、我慢できずに日本で全部読んでしまっていた。

読む物がない!

飲む物もない!

今から考えれば、このコラムをその時間に書いとけばよかったのだ。

後悔後を絶たずとはよく言ったものだ。(言わないし)

仕方ないから、横になったままで二度寝に賭けてみた。

当然、賭けに負けた。

とりあえず、外に出ることにした。

寒い。とにかく寒い。

ジャージの上に上着を着てくればよかった。隣のおばあちゃんのロゴのお店は、なんとなく灯りがついているが、当然誰もいない。

どんな店なのかなぁと、中を覗いていたが、明け方に変なアジアのおっさんが店を覗いてるのもいかがなものかなと思って、すぐに店から離れた。

周りには何もない。

幹線道路の近くに行ってみたが、数は少ないが、車ビュンビュン走ってるし、散歩なんてできそうもない。建物も見えるけど遠いから危ないし。

参った。

Google maps先生を開いて、場所を確認する。Google先生はいつも正しい方向に導いてくれる。

近くにサッカー場がある。サッカー場って言っても、一般の人が使うような場所みたいだ。

観に行くまでもなさそうなので、そのまま部屋に戻ることにした。

30分も経ってない。

仕方ないから、仕方ないが多いな。

仕方ないから、部屋で時間をつぶすしかない。朝食までは、まだ30分以上ある。Yahoo!はヨーロッパでは見ることができない。

日本の情報も入ってこない。

面白そうなテレビもやってない。

仕方ないから、窓の外をしばらく眺めてみる。

周りには何もない、人もいない。

明け方のホテルの部屋から、変な人がずっと外を眺めている、自分の姿を想像した。

ヒッチコックのサイコか!

お湯を沸かして、コーヒー飲んだり、テレビでラジオを聴いたり、笑、変だな、なんか。笑。

とにかく、テレビ回してると(これも昭和)、ラジオのチャンネルもあって、テレビでラジオの音楽も聴けるのだ。

なんか、音楽聴きながら、窓辺でコーヒーを飲むサイコ。

サイコはかなり苦しんだが、なんとか時間をつぶし、朝食開始の6時30分ピッタリに、一階のレストランに行った。お客さんはまだ誰もいない。

久しぶりの定番海外メニュー。

一通り見てみた。

太いソーセージ、分厚いハム、スクランブル風エッグ、オレンジ色のソースの煮豆。茶色いパン(トースト用)、ハンバーガー用みたいなバンズ、クロワッサン、シリアル数種類、白とピンクのヨーグルト、バナナとリンゴ。

飲み物は、オレンジジュース、アップルジュース、コーヒー、紅茶、エスプレッソの機械。

以上。

シンプル。

太いソーセージと分厚いハムは、目が覚めるほど塩分強い。

野菜もないので、シリアルを多めに食べた。

スタッフもチョロチョロ来始めた。

ドミやんだけは、相変わらずマイペース。楽しそうに、美味しそうに朝ごはんを食べてる。(別にいいじゃないか!笑)

今回は、ホテルの移動がないので楽だが、ここにずっといるのは参ったなぁと思った。

明日からの朝のサイコ時間が思いやられる。

そうこうしていたら、いよいよ出発!

向かったのは、セルティックのクラブハウス。

早くもセルティックの選手たちにインタビューと、練習を見学させてもらえるのだ。実は前日にセルティックはリーグ戦を戦っている。おりたちがエディンバラで撮影終えた後くらいに試合が行われている。

何気なく、試合観に行こうよって言ったら、バリトン佐藤が、いや〜、それは〜、予定に〜なくて〜、と、ミュージカルの俳優さんみたいな素敵な声で歌うように困っていた。

あんた〜そこに〜愛は〜あるんか〜い。

みたいな感じね。(どんな感じなんだ?)

とにかく、イレギュラー発言は却下された。

海外はイレギュラーが楽しいのに。ったく!

まぁ、ここでごねると、後で何を言われるかわからない。唇を噛んで我慢した。

話を戻さないと。

んで、一行は、セルティックの練習場を目指した。

車で1時間くらいらしい。

これが、走れば走るほど、どんどん街が無くなっていく。ずいぶんすごいとこにあるんだね?なんてみんなで軽口叩いていたら、なんか、エアーズロックみたいなのが見えてきて、一行は軽い不安を覚える。

ずいぶんな場所ね。なんて話してるんだけど、ドミやん、ソノ、ばーちぃ、克実、みんなそれぞれがGoogle maps先生を見ていた。

なんか、道に迷っているらし。笑

曲がる道がないとか、通り過ぎたとか、それぞれ言い合ってる。

ドミやんは、間違いを認めない。

スマートフォンで、みんな同じものを見ている。笑。でも、道がわからないほど、なんだか牧歌的な場所なのだ。牧歌的な場所ならわかりやすいものだが、なんだか、道がわかりにくい。

道を少し戻って、ようやく曲がる場所がわかった。それでもみんなスマートフォンを持ちながら、少し不安な表情をしている。

こんな時に、麦わら一味の航海士・ナミさんがいたらなぁ〜と思う。

航海士の大切さがわかる。

右側にはずっとエアーズロックが見え隠れしている。周りには本当に何もない。ここはサッカーに集中するには最適な場所である。練習場に入る鉄格子が閉まっている。守衛さんも誰もいない。少し不安になる。

海外ではよくあることだが、行ってみたら、守衛さんがきて、聞いてないとか、関係者以外は立ち入り禁止だとか、モメることも多いからだ。

が、車が近づくと、すーっと鉄の扉が自動で開いた。

簡単やん!

選手もスタッフもほとんど来ていなかった。クラブハウスはとても新しい。こじんまりしているが、機能的なデザイン、作りで、温かさを感じる。

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メディア対応の部屋に通されたが、室内にいるのもどうかと思い、外に出た。スタッフも人工芝のグラウンドで撮影の準備を始めた。

日本人あるある。

やることないと、すぐに働き始める。

まぁ、誰も来てないから他にやることもないしね。

セルティックのスタッフが来てくれて、何か飲み物はいかがですか?と聞かれた。なんて素敵な応対。

おりは温かいエスプレッソなんてありますか?と聞いたら、その男性スタッフは少し考えて、少し顔を曇らせて、okと言った。

たぶん普通にコーヒーのブラックを頼まれると思ったんだろう。笑

そしたら、うちのクルー全員が、じゃあ、僕も僕も、みたいなことになり、全員が温かいエスプレッソを注文した。

すみません、エスプレッソセブンだって。笑

スタッフは、笑いながら、バカやろこのやろみたいな感じで、(まるで昔の竹中直人さんの笑いながら怒る人みたいな感じね。わからないか。笑)いなくなった。

エスプレッソが来るまで、おりは一人で芝のグラウンドとか、建物の裏とか、勝手に散歩している。

なんか、やはりドキドキするのだ。

普段入ることができない場所。

選手たちは、前日に試合をしているので、試合に出場した選手はクールダウン的なゆったりとした練習で、試合に出場しなかった選手は別メニューの練習だった。

それでも、同じピッチ上で、プロの練習を見せてもらえるなんて、あなた、そうそうありませんぞ。

練習風景を一通り撮影して、選手にインタビューするのだ。

練習場にスプリンクラーが動き出し、水が撒かれる。

ドキドキ感が増す。

絶好調のチームと選手の話を聞く時ほどしあわせなことはない。

選手もスタッフも、気分がいいから、とても協力的になってくれているからだ。

準備は整ってきた。

そして、温かいエスプレッソはまだ来ない。

続く。

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