勝村コラム

2019年3月24日(日) Jリーグ観戦マニュアル

人間を観察することは、役者にとって大切な訓練である。

私も若い頃は、師匠の蜷川幸雄さんに言われて、銀座の交差点のガードレールに長時間座ったり、駅の改札の近くで降りてくる人を観たり、山手線にずっと乗ってたり、何時間も人を観察した。

面白い人ってのは、やはり癖が強い。

歩き方、咳払いの仕方、新聞の読み方、鞄、眼鏡、ネクタイ、ベルト、ハンカチなど、いわゆる小道具の使い方。上下、年齢、男女、長く観ていくと、その人の性格などがなんとなくわかってくる。

相手に対する気の使い方、態度で上下がわかり、年齢でも、普通は上司と部下の関係だけじゃなく、取引先の相手が年下とかで関係が逆転していたり、男女では、仕事だけの間がらや、一緒にいる女性に好意を持ってるとか、人間観察はとても不思議で面白い。

まぁ、今ではそんなことしてたら、通報されたりしてしまうかもしれない。困ったもんだ。

たくさんのキャラクターを自分の中にインストールする。数年すると、自分でも理解できないハイブリットなキャラクターが出来てたりして、驚くこともある。観察していて不思議なのは、輝いている人だ。時々いるでしょ?なんか、輝いてる人。

輝きは表現できない。

個人の輝きは、理由がわからないと理解ができない。個人の物語は、観察では読み取ることはできないからだ。

結果は表面に出るが、過程が表面に出ることはない。家がいい。親がいい。頭がいい。容姿端麗。語学力がある。性格がいい。

いろんな理由があるのだろうが、おそらく、私が感じる輝いている人ってのは、常に目的を持って、努力を怠らない人なのだろうと思う。

そして、その努力が報われている。今回のブレインは、私のライン友達である、Jリーグの村井満チェアマンと事業・マーケティング本部、柳田早由合さん。このお二人は、みょうに輝いている。村井チェアマンは、普通のおじさんだ。失礼だどけど。笑っだが、普通のサラリーマンとは雰囲気が違う。

理由はいくつかある。一番は、凄まじい努力を続けているからだろう。しかも、その努力が結実している。そして、信頼できる仲間がいる。仕事を任せられる部下がいる。その仲間であり、部下が柳田早由合さん。

柳田さんも輝いている。理由はチェアマンと同じだろう。凄まじい努力を続けている。その努力が結実している。信頼できる上司がいて、仲間がいる。仕事を分かち合える。Jリーグは2017シーズンに営業収益が史上最多を記録した。

正直意外だった。

Jリーグ開幕当初の頃の盛り上がりを考えると、開幕した頃の方が上なのかと思っていたからだ。

Jリーグバブルが弾け、有名外国人選手は減り、給料は下がり、スター選手、若手有望選手は海外に戦いの場を求め、日本から離れる。代表やワールドカップの試合は盛り上がるが、メディアでも、Jリーグは他のスポーツに比べ何故か地味な扱いを受ける。

それなのに、Jリーグの営業収益は右肩上がり。それは、選手、スタッフ、関係者、サッカー協会、そしてJリーグのみなさんの努力の賜物である。Jリーグの観客動員の平均は、19000人。これは素晴らしいが、もちろん足りない。だから、さらなる努力が必要になる。

浦和のスタジアムは5万人収容、マリノスのスタジアムは6万人収容。これらのスタジアムで2万人入っても半分以上空席になってしまう。国際試合では、5万人収容のスタジアムでも小さいと感じる。舞台でも、昔の劇場は、いわゆるなんでもできる大きなホールが多かった。

特に地方はハードがあってもソフトが少ない。東京の作品を地方に買っていただき、公演を打つ。東京で500人の劇場で作った作品が、地方では1000人とかの劇場で行うことがある。下手すると、数千人規模の劇場でやることもある。1000人お客さんが入っても、空席が目立ってしまったりする。それでも商売にはなっている。

困ったもんだ。

芝居も変わってしまう。なんとか劇場に合わせて形にするが、違和感は否めない。大きな劇場だし、まぁ仕方ないと、どこかで妥協する。集客することは本当に大変なのだ。最近は地方でも、それほど大きくない芝居専用の劇場が増えてきた。ありがたいことだ。

サッカーも同じ。

専用のスタジアムが増えている。3万人規模のスタジアム。スタジアムはほぼ埋まって見える。選手もサポーターも気合いが入る。それでも、満員にするために、たくさんの人たちが努力している。チェアマンは、ほぼ毎試合スタジアムに通っているそうだ。

平日はJリーグ関連の仕事で朝から晩まで。休日はスタジアム。奥様ともほとんど会えていないような状態だそうだ。チェアマンの家庭の危機が、日本のサッカーのしあわせに近づく。笑っ。笑ってる場合ではない。まるでシェイクスピアの喜劇のようだ。

喜劇かよ!

Jリーグアウォーズの時に、奥様を紹介していただいた。着物姿の笑顔の素敵な女性だった。家庭の危機など、起こりえない奥様だった。先日は、浦和で、私の高校の同級生がやっている、レッズのサポーターの集まる飲み屋に出没して、同級生とチェアマンのツーショットの写真をラインで送ってくれた

こうして、全国でも同じように地元の店に足を運んで、サポーターとの交流をしているのでしょう。一人でもスタジアムに足を運ぶお客さんが増えるように。チェアマンは偉いのに。こんな輝きを放つ人を役者が観察しても、何も理解出来ない。

だが、チェアマンを映画化した時には、たくさんの役者がその役をやりたがるでしょう。こんなに盛りだくさんな人生には、なかなかお目にかかれない。役者がどんなに役作りしようと、本物には敵わない。本物のチェアマンは、柔軟でフットワークが軽く、止まっていない。背中しか見えないからだ。

チェアマンは埼玉出身。こんな偉大な人が地元の先輩。また埼玉を自慢出来る。最新のチェアマンのラインは、「翔んで埼玉」面白かったです。世界埼玉化計画!なんだそれ?笑っ

だが、チェアマンの書くことは、全て実現するような気がする。来期はさらに観客動員が増えるのでしょう。
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