勝村コラム

2019年3月 3日(日) 限界と未来

いよいよ来年は、東京オリンピック・パラリンピックある。

私が1歳の時の東京オリンピック以来だから、56年ぶりになる。生きているうちに東京でまたオリンピックが開催されることは、非常に感慨深い。私はオリンピックと言えば、1984年のロサンゼルスオリンピック。

なぜかわからないけど、高校のサッカー部の仲間の家で開会式を観た記憶がある。なんだか、人が飛んで、明るく、たのしそうで、エンターテイメントなんて言葉はよく理解出来なかったが、心がワクワクしたのを覚えている。

後でわかったことだが、オリンピックを金銭面で大改革した、オリンピックの歴史が変わったオリンピックだったのだ。税金を使わず、巨額の放映権料を科し、スポンサーを絞り、入場料を取り、多くのグッズを販売した。つまり、多くのお金を生み出したオリンピックだったのだ。

オリンピックは、いろいろな意味で曖昧だったのだと思う。アマチュアの祭典。参加することに意義がある。アマチュア選手とプロ選手のラインも曖昧だったのだろう。

美しい言葉として、学校の先生もよく使っていた、「参加することに意義がある」

これもウィキくんによると、1908年のロンドンオリンピックの陸上競技では、アメリカとイギリスとの対立が絶え間なく起こり、両国民の感情のもつれは収拾できないほどに悪化していました。その時に行われた教会のミサで、「このオリンピックで重要なことは、勝利することより、むしろ参加することであろう」というメッセージが語られました。

とある。

なんでもかんでも、美談として伝えられていた、私の子供の頃の言葉を、覆し、洗い流してくれた大会でもあったのだった。いい意味でも悪い意味でも。大きなイベントは、大きなお金を生み出すことができる。

アメリカは、とにかくわかりやすくする。思考を奪う。映画でも、ヨーロッパの映画は、観終わった後に考える。

ずっと。ハリウッド映画。観終わった後は

とにかく、スッキリする。
とにかく、ドキドキする。
とにかく、しあわせな気持ちになる。
エンターテイメントに関しては、アメリカに近づくことが出来る国はないのではないかと思う。演劇では、リアリズム演劇が衰退した理由は、簡単に言うと、貧困の人びとが、貧困の映画を観て楽しめる訳がない。

はやり、夢を与えて欲しい。夢を見させて欲しい。芸術作品を観ても、しあわせになれるとは限らない。エンターテイメントが発達したのは言うまでもない。とにかくみんなをしあわせにしてしまう。

お金がたくさんあることのしあわせ。

難しい問題だが、富の象徴である。だが、必ずしっぺ返しはくる。そして、またそこから富を求める戦いが始まる。日本だって、昔からアマチュア競技でも、大きなお金は動いていた。表に出なかっただけである。アメリカの頭の良さは、表に出なかったものを、堂々と表に出して、正当なものにする。

エンターテイメント。日本で人気のあるスポーツは、野球以外では、ほぼアマチュア競技である。

高校野球、高校サッカー。

子供たちの成長を、努力を、観るものに重ねさせる物語を作り、感情移入させて煽る。商売として、実にレベルの高いメソッドである。が、日本は表立ってお金を稼ぐことが、美徳にはならない。お金を生み出してはいるが、叩かれる寸前で抑える。

不思議な美徳。

日本は、学生とお金は相反するものだと決めている。社会に出てからお金のことは考える。ということだろう。冷静に考えると、とてもおかしな事だ。

何故、勉強するのか?
何故、学校に行くのか?

スポーツに置き換えると簡単。

何故、練習するのか?

試合で戦うためである。試合で勝つためである。
働くとはなんなのだ?
生活するためだ。
つまり、お金を稼ぐためなのだ。なのに、何故か、学生とお金を乖離させようとする。日本では、不思議な精神が、アマチュアであり、プロで通用しない言い訳がアマチュアになってしまう。もちろん、アマチュアが悪いわけではない。どんな未来を描いているのかで、別れていく。

今回のブレインは、ソウルオリンピックで世界の度肝を抜いた、水泳100メートル背泳ぎ金メダリストで、初代スポーツ庁長官の、鈴木大地さん。UNIVASについて、話をうかがった。NCAAを知らない人はあまりいないと思うが、それが何かを知っている人は少ない。

1906年に、ルーズベルト大統領がアメリカの大学スポーツを統括する組織を作った名称である。日本では、演劇界の女神様、杉村春子先生が産まれた年である。参考にならないか。

NCAAの年間の収益は、1000億円。
Jリーグの17年度の収益が、1100億円。
倒れてしまいそうでしょ?

鈴木大地長官は、日本にも同じような組織を立ち上げて、スポーツの本来の力を発揮させようとしている。今、日本は高齢者大国だ。毎日ニュースでも、ほとんど高齢者のさまざまな負の現実や未来を語っている。

これから国を挙げて考えていかなければならないのは、ロコモティブシンドロームだ。ちょうど長官とお会いする前に、気になっていた落合陽一さんの「日本進化論」を読んだばかりだった。

人生100年を幸福に過ごすために、なぜ「運動習慣」が必要か。という項目に、全て書いてある。読んでいただくといいのだが、少しだけ触れさせていただきます。落合さま。
「ストレスの解消」
「コミュニティの形成」
「予防医学的効果」
この三つを考えれば、高齢者大国の未来に、灯りが見える。高齢者候補の私は、この年で今だに毎週サッカーをやっている。

仕事のストレスを解消できている。
体力、知力が保たれている。
サッカー仲間との交流が途切れず。
そのコミュニティは自分でも驚く。
昨日も、ドイツに旅立つ前の井手口くんと飯を食いに行ってきた。

ドイツでの活躍が楽しみだ。おかげさまで、健康で、医者に行くことはほとんどない。まさに、ロコモティブシンドロームを実践していた。鈴木大地長官の活動が機能し始めれば、大学スポーツはおろか、大学の全てが変わる。

鈴木大地長官の活動が、子供たちの将来をさらに明るく輝かせ、さまざまなスポーツで、オリンピックや、国際大会で素晴らしい結果をもたらし、そのバトンを次世代に繋げていくことだろう。

選手だけでなく、その周りにも影響を与えることになる。スポーツ選手を支えるさまざまな仕事を生み出すことになる。鈴木大地長官が世界を驚愕させた、バサロ。水面に出ず、潜水したままどこまでも進んで行った。今は、日本の大学スポーツは潜水している。だが、もちろん確実に進んではいる。

鈴木大地長官のユニバスは、潜水している大学スポーツをさらに力強く推進させる。そして水面に上がった時には、世界が驚く結果をもたらしてくれるに違いない。日本のアマチュアが、世界を驚かせる日は近い。
ページトップに戻る